縄文時代が好きになってきて、当時のアクセサリーにも興味が出て来ました。 ここでは、気になったアクセサリーを作って行きます。 縄文時代の装飾品のひとつ貝輪。 使われた貝の種類は、ベンケイガイやサトウガイだそうです。 ビーチコーミングをしていて見た事があったので、これは!!と、気付きました。作らずにはいれない・・・早速!! ベンケイガイ。幅9cm。 大人の手のひらほどの大きさで、とても厚みがあり丈夫・・・重い!! 弁慶の名に相応しい貝殻です。 何度ものビーチコーミングで大きなものも集まっているのですが、今回は、練習用に・・・小型の物や既にすり減ってイビツになっているものも採取しました。 ここは渥美半島・・・静岡県の浜よりもここの方が大分多かったです。 ちなみに、渥美半島は貝輪作りの生産地になっていたとも言われています。 大量に採取したベンケイガイ(写真上)と、サトウガイ(写真下)。 幅を測ったら、どちらも9cmを超えるかどうかが最大クラスの境目でした。 貝輪作りで最も割れやすい両サイドが削れているものや、写真の様にムシに喰われて穴が開いているものなど・・・大量に採取したら大きくて綺麗な物だけを選別します。 まずは、第一段階:穴開け。 まずはその場で・・・石を使って内側からコツコツ叩く・・・たしかネットでそう書いてあったはず・・・ !! いきなり強烈なヒビがビシッと・・・これはダメだ・・・ 何が悪かったのだろうか・・・全く分からず・・・解決方法があるのだろうか・・・率直にこれは難しい!!と思いました。 前回の失敗から・・・ネットで再度、あちこちの情報を集めると・・・ 貝のチョウツガイ部分に近い場所を・・・エイヤッと石で打つとパカッと外れて穴が開く・・・ 練習用に沢山あつめていたので、思いっきり尖った石で元に近い部分を強めに叩いたら・・・ パカッ!! 開いた!! コツが判ればあまりにも簡単。次々にパカッと・・・開きました。 コツ:可能な限り、貝のチョウツガイに近い部分を強めに打つのです。 次々と打ち割り・・・こんな感じに。 第2段階:叩いて穴を広げる。 穴を開けたら、少しずつ叩いて穴を広げて行きます。 衝撃を分散させるために砂浜に押し付けながら行うと良いようですが、私の大人の手のひらで包み込み・・・衝撃を受け止めながら叩いてみました。 鹿の角を使うとの情報が多かったのですが、穴を開けるのに使った尖った石でコツコツと細かく割って行きました。 貝の割れ口を見て気付いたもの。 層が2つあるのが分るでしょうか・・・外側と内側・・・2つの層で出来ているのです。 覚えておくと、今後何かの役に立つかな!? たった一つ・・・横の部分へヒビが入ってしまったもの。 この貝殻自体が、波で削られて両サイドが摩耗していました。 また、調子に乗り過ぎていた事も当然ありますが、手のひらにシッカリ密着させていなかった。 大分穴が大きくなりました。 これ以上叩いても崩せない場所がありました。 貝の両側、貝柱がくっついていたと思われる場所と、打ち上げられた貝殻の劣化の違いか・・・いくら叩いても穴の広がらないものがありました。これ以上強く叩くと間違いなく貝が割れる・・・ 鹿の角のハンマーでコツコツ削り取るだけ・・・ コツコツ・・・変化なし。少し強めにコツコツ・・・変化なし・・・などと・・・やっていたら、ヒビ!? その後簡単にパカッと!! ネットでは砂の上で行うとあったので、ここは素直に砂の上で・・・ 鹿角のハンマーでコツコツコツコツ・・・全然広がらない・・・もう少し強めに!! 割れた・・・どこでどうやっても割り取るには限界があります・・・
ある程度までは割り取る事ができるのですが、そこから先は・・・難しい・・・ 写真はさらに少しだけ穴が広がっているのです。 (一番上はベンケイガイではありませんでした。) とても厚く一体化していて細かく砕けない・・・出来る気がしないのが大問題! また壁に! やはり、ここが限界か・・・ここからは、砂岩のヤスリでひたすら穴を広げる作業に入ります。 第3段階:やすりで穴を広げる。 打ち割った貝はあちこち尖ってます。これは砂岩で擦って滑らかにします。 写真右が、私の住む地域ではなかなか見掛けない砂岩。 打ち割った直後。 だいぶ滑らかになったもの。 貝も削れましたが、砂岩も大分・・・ 手探りで始めて約1時間後。 ヤスリ掛けは一部ですが、短時間でここまで出来ました。 ここから先は・・・ただの趣味!? ベンケイガイの腕輪。 2000番の紙ヤスリまで磨き上げた後、8000番→12000番!!まで磨き粉で磨き上げました。 手で触ると指紋が付いて気になるほど・・・ツルピカでガラス製品のよう・・・ とても天気の良い海岸で撮影してみたら・・・その眩いキラメキのためにデジカメの補正が入って薄暗い写真になってしまいました。 薄曇りの日に改めて撮影し直しました。 超スベスベでずっと手に持っていたくなるのですが、手が通らない・・・ほんと、残念♪ サトウガイの腕輪。 ベンケイガイの様に最初の一撃でパカッと行くか不安でしたが、やってみると全く同じ。 デコボコがあるので、全てツルピカにはできない・・・あまり綺麗ではないと思いましたが、光る所と光らない所があり、光のラインが特徴となってこれも良いです。 写真では光っているように見えないのが残念。 いくつか腕輪を作ってきました・・・これをじゃらじゃら腕に嵌めて外出など・・・おっさんにはできません・・・ と言うか・・・特大サイズの貝殻でも手が通らないのです!! これは飾って観て楽しむだけになってしまいました・・・一度でいいから嵌めてみたい・・・ 貝輪は男が作って女性にプレゼントしたのでは!? との情報もあります。 穴を開けて削っただけでも相当な苦労ですが、ただそれだけで女性に渡すのかな!? 粒の細かな砂岩や、ヤスリと言えばトクサも考えられます・・・他にもヤスリになるものはあるでしょう・・・ 気に入ってもらえるように、考え得る限りの手は尽くしただろうと思いました。 砂浜で拾ったタカラガイ。ビーチグラスの様に表面が削れてます・・・ 同じ種類でも、その形は千差万別・・・好みの形を選びましょう。お好みは? 石がゴロゴロしている別の浜では・・・作ろうと思っている形そのままのものも見つかります。 毎年冬になると訪れる磯では、ツルツルすべすべのとても綺麗な貝殻を拾う事ができます。 見つけると取らずにはいられない・・・ タカラガイのペンダント。 貝の背中側をひたすら削って取り除いたら完成。縄文時代には綺麗な背側は取り除かれて、この形が注目されたのです。 ちなみに、タカラガイの形は女性のシンボル。この形から子安貝とも呼ばれます。 余談ですが・・・私は上下この向きが好き&平らな皮紐を溝に縦に通して左右広がる形にすれば・・・ひっくり返らず、必ず綺麗な面が前に来て丁度良いのです。 安倍川の近くに流れる名前の分からない川・・・何気に寄った場所で拾った蛇紋岩でした。 ネットを調べまくったら・・・勾玉作りの初期の頃は、この蛇紋岩も使われたとか・・・早速!! ちなみに硬さを数値で表すモース硬度で3〜4前後です。 ちなみに爪より柔らかい滑石や蝋石は硬度1。 鉄より硬い翡翠は6〜7です。 モース硬度3〜4の蛇紋岩は銅(10円玉)と同じ程度の硬さです。 鉄工用のヤスリを使ってみましたが、簡単にガリガリ削れました。 写真は、少し削った後ですが拾ったままの形に近いです。 やや曲がって薄く平ら・・・この蛇紋岩は勾玉になりたかったとしか思えない・・・ さてさて・・・どんな勾玉にしようか・・・現在知られている形のものは縄文時代よりももっと新しい時代に作られた形。できれば縄文時代に作られた勾玉の形にしたい!! 今回は牙状勾玉(長者ヶ原遺跡出土)を参考にしてみました。 拾った形もほぼそのまんま!! 削ったら金属用耐水ヤスリで#4000まで磨きました。 穴は今回はハンドルーターを使ってしまいました。実際には舞切りや弓切りの火起こしの道具と同じ構造の物で穴を開けたようです。 ヒモは、市販の皮紐にしようか、手作りのヒモにしようか悩みましたが、今回は市販の紐に。 結び方も現在のアクセサリーとして勾玉を留める方法にしてみました。 想像以上に素敵! これが拾った石! 縄文時代の勾玉の中から・・・気に入ったものが見つかったら、拡大&縮小して手持ちの石サイズに♪ そうしたら、メモ用紙を画面に置いて、写し取って♪ 後は、それと“にらめっこ”したり、上に置いたり、並べたり・・・などなどしながら作るのです。 元の形と違う!? 少々のアレンジはお好みで♪ 2021年、久しぶりにまたまた作ってしまいました。 左から、獣形勾玉、牙状勾玉、一番右は、オタマジャクシの様な形に切れ込み・・・口の様な感じ・・・これがあるので、こんな形でも獣形勾玉とか。 一番左は、安倍川では珍しい・・・まだ緑色のもの。これは、かんらん岩から蛇紋岩に変わっている途中の状態のようです。 岩の隙間に居るアマオブネガイ。3匹写ってます。 生きているものを何とか10匹だけ採取しました。 ビーチグラスのように削られて浜に打ち上がったものがあれば良いのですが、私の住む地域では極々僅かに生きているものを見掛ける程度なのです。 とても貴重だと知ったアマオブネ。身はもちろん、美味しく頂きました。 縄文時代の遺跡から、この貝を使ったブレスレットが見つかっています。 南方系のアマオブネ・・・岩手県の遺跡でも見つかってますが、とても珍しかった事でしょう。 写真は、左から表面をやや削ってからお酢に浸けたもの。中央は削らずにお酢に浸けたもの。右は何もしていない状態。 思った以上に凸凹なので、平らにするには相当に削らないといけない・・・と、言う事で、ヤスリで削る作業はある程度の所で止めました。 平らにするには、相当な時間が掛かる&特徴である黒い模様が消えてしまう可能性もある・・・ため。 紐を通すために穴も開けたのですが、アサリで笛を作るように“おしり”側を平らに削る方法では、殻に厚みがあるためにかなり削らないといけない・・・可愛い丸みを帯びたフォルムが台無し・・・と言う事で、ハンドルーターを使ってピンポイントで穴を開けました。 写真はツルピカに磨いたもの。一つとして同じ模様の物はありません。 アマオブネガイのブレスレット。 これを作るためにどれだけの時間を割いた事か・・・アマオブネ自体が手に入らなかったのです。 詳細は2018年の年間記録に。 苦労した分だけ・・・とても嬉しい&美しい・・・ 前回はあんなに素材採取に苦労したのに・・・なんと、外洋ではなく、内湾・・・ それも、今まで数えきれない程通った磯に・・・え!? なぜ!? こんなところに・・・ しかも、見た事の無い、面白い模様も♪ ペンダント。 ネットで見つかるアマオブネの装飾品は、ブレスレットしか見つからないのですが、今回はペンダントにしてみました。 今まで、外洋に面した磯にしかいないと思いこんで居たのですが、内湾にもいた! それも大量!! と言う分けで、沢山採って来て美味しく頂いたのですが、殆どは模様の無い(もしくはとても淡い)ものばかりだったのです。 その中でも綺麗な模様のものだけを集めて・・・何にしようか・・・ あれこれ考えているうちに、2個のアマオブネを合わせると、なんと、ハート型♪ ハート形・・・いろいろな土器や土偶の模様にもなってます♪ 素敵♪ そんなこんなで、取りあえず2個はペンダントにしたのです。 これが、想像以上に素敵♪ 見た目も縄文っぽくて◎!! 残りはこの2つをペアにしてイヤリングなんかも良いですが、縄文人は土で作った耳飾りがあるので、貝のイヤリングなんてしなかったかな〜 何か良い案が浮かんだら、また・・・ 鉛筆で下書きしたところ。 鹿角製腰飾り。 縄文時代の出土品を参考に・・・これは厳密に作らず、見た目の感じで似せて作っただけ♪ サンドペーパーの番手を上げて行き、ツルピカに♪ 手ざわり最高♪