サバイバル節約術


番外編 〜皮の加工〜



なめし。
動物から採取した皮は、そのままでは腐ったり、カチカチになってしまいます・・・そこで、考え出されたのが皮を“なめす”ことでした。
“なめす”ことにより、腐らず柔らかい・・・生きている時のような・・・理想の革にする事が出来るようになりました。

なめす方法。
原始的な方法としては、口で直接噛む、木槌で叩く、松で燻す、魚卵をすり込んだり、糞尿に浸けたり・・・など。
その後、現在でも行われている方法としては、
タンニンなめし・・・紀元前600年頃から行われている方法。植物タンニンを使ってなめします。
クロムなめし・・・アルミ、鉄、クロムの塩を使ってなめします。現在最も使われる方法ですが、地球に優しくない・・・
          地球に優しいタンニンなめしも現在では見直されています。
その他、タンニンなめしとクロムなめしの両方を組み合わせて良いとこ取りをする方法もあります。


ヘビの皮。
今まで沢山のヘビを頂いてきました・・・が、その皮は殆ど捨ててました。
今回は、体長155cmの特大のヤマカガシを捕獲したので皮を取っておき、初めての“なめし”をしてみようと思いました。
今回行なったのは、“タンニンなめし”です。財布に優しい・・・だけでなく、地球にも優しく、古くから行われている方法です。



腐らないように料理酒に浸けて冷蔵庫へ入れておいたもの。
両端は捨てて腹回りの太い部分だけ使いました。
写真は、ズリズリっとヘビを剥いてそのまま・・・表裏逆になって内側が見えている状態です。



長い筒状で扱いにくいので適度に切りました。
表面の肉をある程度取っておきます。私は包丁でズリズリとしごいて取りました。
写真は肉を取って腹側と背側を交互に並べたところ・・・特に意味はありません。



脂肪分があるとタンニンが浸透しにくいので、中性洗剤でジャブジャブ洗いました。



大量のお茶の葉(もちろん使う前)を使うとネットでは見つかりますが、タンニンと言えば!!
草木染めに挑戦した時に使った、ヌルデの虫こぶを思い出しました・・・“お歯黒”にも使われたタンニンの塊。
季節は11月上旬。まだ中に“いらっしゃる”ものもあり、カビてたりしましたが、沢山採れました。



カラカラに乾燥させて細かく砕いた方が良いのですが、まだ柔らかく・・・千切って投入。
僅かにお茶の葉も・・・これはおまじない程度。
ヒタヒタに水を入れたら、グツグツと煮込みます。



写真はビニール袋へ皮と一緒に入れた所。
皮が厚い場合は、薄めのタンニン汁からだんだんと濃いタンニン汁に変えていかないと、内部まで浸透しないとか・・・今回は薄いヘビの皮なので、濃いタンニン汁で浸けただけにしました。
翌日、皮が強張っていたので、袋の上からモミモミ・・・毎日朝晩モミモミ・・・意味あるのか!?





4日後。
いい感じの色になってます。
洗濯した“くつ下”のよう・・・匂いも悪くない。



乾燥させると縮むので、板に乗せてピンで張って固定します。
写真は、板がなかったので部屋の押入れの柱に固定したところ・・・これは悪い例です。良い子は真似しないように。





2日ほどで完全に乾燥してました。
なめさずに乾燥させるとガチガチに硬化してしまうのですが、適度に硬く、適度にしなやか・・・
これは、折り曲げて加工することも出来るので大成功!!

ただ、なぜヤマカガシを使ったかと言うと・・・アオダイショウ(ほぼ黒いだけ)、シマヘビ(2本線だけ)では、作っても見た目が良くないと思ったからなのですが、ポロポロと剥がれるウロコが取れたら・・・肝心の模様も剥がれてしまいました・・・




皮の裏側。良い感じです。まさに加工された“革”と言う雰囲気。






皮の拡大写真。上が表側、下が内側。




一緒にタンニンに浸けたマムシの皮。
上が浸けなかったもの、下が浸けたもの。
数年前になめさずに乾燥させたマムシの皮は、透けるほど薄く・軽く・しなやか・・・フィルムそのものでした。
なめす必要もなかったのですが、実験でなめしてみたら・・・ゴワゴワになってしまいました・・・なぜ!?



※まずは、成功だったのですが・・・
実は、フィルム状のウロコは取っていなかったのです・・・乾燥させてから取れば良いと・・・
以前、なめさずに使った時もそうしたのです。今回もそのつもりでした。
ガムテープを貼って剥がせば簡単に取れ、これは楽!気持ち良い!のは良かったのですが、ウロコのせいで、タンニンが十分染み込まなかった可能性もあります・・・また、この後、染めるにしてもマダラになってしまう可能性も・・・
1、生の状態でガリガリとウロコを削る・・・大変&皮を傷つける可能性も。
2、一度乾燥させてガムテープでウロコを剥がしてからなめす・・・臭くなったり、カビたりするかも。
3、業者は、石灰水に浸けてウロコや脂肪分を取り除くとか・・・乾燥剤に使われている石灰でできるだろうか・・・
これは今後の課題です。



せっかく“革”にしたのですが、見た目が悪くなってしまい・・・染色に挑戦してみました。



念のため・・・
表面のフィルム状のウロコを剥がした後、再度、タンニン汁に着けたもの。
今回はさらに濃いタンニン汁となりました。真っ黒!




取り出したもの。
さらに濃い茶色になってます。
この後、水分はティッシュである程度取っただけの湿った状態で媒染液に浸けます。




以前草木染めに挑戦した時にも使った釘です。4年ほど経ってます。




酢を温めたら錆びたクギを投入し、1週間以上放置したら完成。
これは酢酸鉄(媒染液)を作っているのです。




タンニン汁に浸けてあったヘビの皮を作った酢酸鉄(媒染液)に浸けた所。
この後、全体に汁が回るように、上にラップを乗せました。料理でも使う技です。
30分ほど浸けたら流水で洗い流して次へ。




そのままでは酸度が強すぎて革に良くないので、重曹の液に浸して中和します。
湯1ℓに対して重曹は小さじ3程度です。
ある程度漬けたら取り出します。




取り出してティッシュで水分をある程度取った所。
またまた、やや湿った状態のうちに油分を加えて革を保護します。




仕上げに使った油(脂)。
写真左からオリーブオイル、鶏皮を焼いて出た脂の鶏油(チーユ)、ヘビの内臓周辺から取り出した脂。
オリーブオイルは革のメンテナンスに使われる事もあるものです。
鶏油は・・・たまたま冷蔵庫にあっただけです。これでメンテナンスすると言う情報はネットでも見つかりませんでした。
ヘビの脂は・・・同じヘビのから取られた皮と脂・・・相性の良さを期待して使ってみました。写真は冷凍庫に保存していた生の状態ですが、鍋で溶かして冷ましてから使いました。
さて、結果はいかに・・・




その前に・・・
ヘビの革を使って何を作りたいか・・・一番初めに思い付いたのは、映画:クロコダイルダンディーが右手にはめていた、バックル・・・クロコダイルダンディーだけにワニ革かな? 
そのイメージから、筒状のまま加工したかったのです・・・手元に太さがピッタリの花瓶が・・・直径53mm。
キツキツでしたが何とか通し、なめして染色したつもり・・・ですが、キツキツ過ぎたため、外せない・・・
割ってしまえば良いのですが、結局、ヘビの花瓶になりました・・・花とヘビ・・・似合わない・・・




3枚のヘビ革・・・それぞれに手元にあった油(脂)を付け、翌日さらにもう一度付けました。
写真左から、オリーブオイル、鶏油、ヘビ油。



オリーブオイルを付けたもの。
やや光沢があり、柔らかい。



鶏油を付けたもの。
とても微妙ですが、3枚の中で一番硬めな感じです。ほとんど違いありませんが・・・
見た目も3枚の中で一番くすんでます。マットな感じ。



ヘビ油を付けたもの。
一番光沢があります。柔らかさはオリーブオイルと同じ程度かな?

ここまでは、3種類の油を付けて数日後の感想です。
1匹のヘビから頂いた革・・・当然、体の違う部位の革なので、その影響もあるかと思われます。
この後、年月の経過でまた違ってくると思われます。




2020年3月。
この革を作ったひとつ上の記事は2016年12月・・・3年と数ヶ月後・・・
いろいろな小物を置くだけのシート代わりにしていたので、少しホコリをかぶってましたが、この間、ノーメンテで作った当時としなやかさは全く同じでした。





またまた“なめし”に挑戦してみました。
今回は前回↑の懸案事項・・・表面の薄皮を剥くために鞣しの途中で一度乾燥させないといけない!?
現在では石灰を使っている事を知ったのですが、乾燥剤の石灰でもできるのか・・・挑戦!!



右上がヘビ3匹分の皮、左が浸けるための容器、手前が数年掛けて少しずつ集めた乾燥剤。

乾燥剤の成分は生石灰(酸化カルシウム)で、水と反応させると消石灰(水酸化カルシウム)になります。



水に乾燥剤を溶けなくなるほどの量を投入します。
※新しい乾燥剤に水を掛けると急激な反応により熱が発生して危険なので、十二分に湿気を吸った古い乾燥剤を使いましょう・・・
ここで作った液体は強アルカリ。皮膚に付いたり目に入ると危険なので注意。付いてしまったら直ぐに洗い流しましょう。
また、この液体を入れる容器は、強アルカリに強いハイターやブリーチなどの空き容器、もしくは、ペットボトルが良いようです。



翌日。
数時間後でもボロボロと剥がれ始めていましたが、1日放置しました。
日焼けして剥ける皮膚をペリペリ剥がす感覚・・・そんな感じで面白いように取れました。



表面の薄皮が綺麗に剥けたところ。
皮自体も石灰の影響でぷるぷる〜手に乗せた皮が指の形に・・・

この後、何度も水洗いして石灰を除去してみたつもり・・・
強アルカリなので酸で中和できますが、手ごろな物がなく・・・食酢を気休め程度に僅かに投入しましたが少なすぎ・・・
食酢では不純物が多過ぎるので、臭いが付いてしまう&大量に投入しないと中和できません・・・さて・・・



今回は前回同様にヌルデの虫こぶと、頂き物で賞味期限切れの大量の紅茶を使いました。
紅茶にもタンニンが含まれます。薄めからだんだん濃く・・・紅茶を作ったら100回分近いかな?超大量の紅茶を使いました。
もったいなくてとても自分では買えないので今回が最初で最後の実験でしょう・・・



漬けた直後。左下がヌルデ版、右上が紅茶版。
比較のためにヌルデの虫こぶを使った物と紅茶を使った物を別々にしてみました。



5日後。
室温33℃を常に超える部屋では腐ってしまうかも!? との思いで、保管は冷蔵庫へ。
ヌルデ版も紅茶版もどちらも、ややゴワゴワ感がありました。
これは温度が低いためか!? 前回の様に毎日モミモミしなかったからか!? さてさて石灰成分が残っているから!?



左がヌルデ版で鉄サビに浸けているもの。右が紅茶版で塩水に浸けているもの。
紅茶版も鉄サビを使って真っ黒にしてしまっても良かったのですが、せっかくなので紅茶の色を残す事にしました。
水に塩を3%程度入れたものを作り、皮を浸します。
これで紅茶の色が定着するのです。



左の茶色いのが、紅茶版。その他の 黒いのが、ヌルデ版。
結果、どちらも前回作ったものよりも大分ゴワゴワ感があります。
処女作の前回は全ての工程でモミモミ♪ 愛情込めてモミモミ♪ しまくっていたのが良かったのか!?

鹿革を作る際も大分モミモミ♪するとの情報を今更ながら・・・見つけました。
オリーブオイルを何度も塗って手で揉み解して何とか使える状態にはなりました。



紅茶版のもの。
一つ上の写真で試しに作った紅茶版が良かったので残りの紅茶版もそのままの風合いにすることに決定!
写真は紅茶の液から取り出し、塩水にも浸け終わったもの。





乾燥させてオイルを塗った紅茶版のヘビ革。
この風合い・・・意外と素敵♪ なにか小物でも作りたい・・・

残念ながら、処女作の前回に比べ、今回のヌルデ版、紅茶版ともにゴワゴワと言うか・・・ペラペラ感・・・
何となくフィルムっぽいのです・・・石灰の影響でしょうか・・・試行錯誤は続きます・・・





ヘビ革のなめしもまだまだ試行錯誤中なのですが・・・ウシガエルを捕獲してしまい・・・挑戦!!
ウシガエルの革が強靭なのは、ウシガエル釣りで散々身に染みています・・・
カエルの革は小さいため、市販される事は稀ですが、存在します。
“帰る”の語感から、お財布にされたりします。
大小2匹のウシガエルを使いました。



たった一晩でしたが、塩漬けにしていたので水に晒して元に戻します。



またまた初挑戦! ヌルデの虫こぶが無く、こんなこともあろうかと・・・採取しておいた木五倍子を使いました。
ちなみに木五倍子(キブシ)は、五倍子(フシ:ヌルデの虫こぶ)の代用として利用された事もあるタンニンの塊です。
初めは薄いタンニンで数日、次に濃いタンニンで10日程浸けました。
カエルも脱皮をする事を忘れてました・・・トロトロの薄皮は途中で取り除きました。
浸けている間、ヘビ革作成で成功した時の様に、毎日手でモミモミしました。



夕方、乾きかけの状態でオリーブオイルを塗り込み・・・寝る前にカサついていたので、もう一度オリーブオイルを塗り込みました。
乾かしながら何度も手で強く揉んだり引っ張ったりしてほぐしました。
写真は全てやった後・・・完成した革です。



とても強靭なのにしなやか・・・皮手袋の皮そのものな感じです。
小さいのが残念ですが、これならば色々な革製品にして全く問題ない・・・ヘビ革よりもずっと強靭な革になりました。







カメラケースを作りたい!! と、思っていた時期に採取したので頭以外は丸ごとそのままです。
切ってしまって縫うよりも、そのままの方がずっと丈夫なのです。



うっかりしてました・・・カエルも脱皮する・・・
所々ボロボロと表面の皮が剥けましたが、そんな状態も良く見ないと分からないので結果オーライ。



なめしたらオリーブオイルを付けて良く揉みました。
どちらをカメラケースに使おうか・・・手足があったほうが良いのですが、これを着けたままコンビニなどに入って女性店員に悲鳴でもあげられたら大変なので、胴回りだけを使うべきでしょう・・・







今までヘビやカエルの皮を革にして成功してきました・・・が!
その後の幾つかは失敗も。
上の写真は失敗したもの。中に小型ライトを入れて透ける所を撮影しました。
皮を革にする時、成功したものは厚みがあり柔軟なのですが、水分が抜けてペラッペラ・・・カラカラのフィルム状にまでなってしまった物は、ゴワゴワして硬くなってしまい失敗です。
ここまでやって来て残念ながら失敗の原因は特定できてませんが、一番最初に作ったヘビ革作りの方法(途中の乾燥を除いて)を正直に行なえば成功してます。
失敗した時に違ったのは・・・
タンニンが浸透するように“なめす”前に中性洗剤で洗わなかった。
夏で作成中の腐敗を恐れて冷蔵庫へ入れた。
  →低温が原因か、途中の手もみが不十分が原因か・・・
こちらも成否への影響は分かりませんが、塩蔵していた皮をなめす前には、2日ほど掛けてシッカリ塩抜きした方が良いでしょう。





2020年3月。また新たな挑戦!
2019年に初めてウツボを釣り、ドでかいエイも♪ この皮をいざ♪



ヘビやカエルの革作りで、まれに失敗する・・・今回はもちろん、失敗したくないのでバカ正直に成功した時の手順を実行し、失敗した時に行なった事、行わなかった事は避けました。

1、以前失敗した時は、“なめし”中に腐敗しないように冷蔵庫へ入れたのです。
  今回は、暑すぎず、寒すぎない3月に実行。
2、まず、塩蔵の塩抜きに2日間掛けました。
  流水で良く洗い、当日は何度か途中で水替え、腐敗しないように冷蔵庫に入れてました。
3、タンニンが良く浸透するように中性洗剤でザブザブ良く洗い、
4、カラカラに乾燥していたヌルデの虫こぶをハンマーで叩いて粉々にしたら鍋でコトコト1時間煮だしてタンニン汁を作成。
5、冷めたら皮を投入し、時々掻き混ぜました。ムラなく浸透しますように♪
6、夜や日中は常温放置、帰って来たら時々まぜまぜ・・・を4日間ほど続け・・・
  途中で皮をいろいろな角度で引っ張り、繊維の中までタンニンが染み込むようにモミモミしました。
  愛情込めてモミモミするのが成功の秘訣だと信じて♪



取り出した革。
革には厚みがあり、若干硬めのゴワゴワ感がありますが、十分、柔軟な感触です。



何も考えず、またまたお歯黒染めにしてしまいました。
一晩放置してある程度乾燥した所でオリーブオイルを革の外側に擦り込み、色々な方向へ引っ張って皮を伸ばしました。
(乾燥は室内でダンボールの上に広げて放置するだけです。)
さらに寝る前にもう一度擦り込み&引っ張り。
この後、翌日の夜まで放置すると乾燥し過ぎると思われたため、ビニール袋へ入れて保管。
家に帰って来たらビニール袋から取り出し、乾燥再開。
寝る前に、またまたオリーブオイルを塗って引っ張り、良さげだったので終了としました。

オリーブオイルを十分染み込ませる前に完全に乾燥してしまうと、ゴワゴワ感が強くなってしまい、これを柔らかくするのは困難と思われます。
水分が少しずつ抜けるのに伴い、代わりにオリーブオイルを愛情込めてヌリヌリします♪



完成した革。
左上・中央上はエイの腹側の革。
右はエイの背側の革。
左下はウツボの革です。
※ウツボは皮も美味しい・・・食べるのを我慢出来たのはたったこれだけ♪ てへっ♪



全体。



表。



裏。



ここまでエイの腹側の革でした。
革の厚みは1mm程度で、十分強靭でありながら柔軟な革になりました。
エイのヒレから取った皮・・・ヒレ周辺部は薄いためか、若干強張りました。




全体。



表。



裏。

こちらはエイの背側の革。
こちらも腹側と全く同じ感触の革になりました。




全体。



表。



裏。



ウツボの革。
革の厚みは1mm以上あり、とても柔軟。
そして光沢もある・・・生きていた時のウツボの皮に近い感触になりました。
柔らかくて手ざわり良いので、ずっと触っていたくなります・・・




食用として捕獲したエイ・・・そのエイから剥いだ皮・・・形がとてもいびつだったのと実験も兼ね、革の作成途中で不格好に飛び出ている部分を切り取ってました。
上は染める前で、オリーブオイルを塗ってないもの。
下は染めた後で、こちらもオリーブオイルを塗ってないもの。
どちらもタンニンでのなめしが成功していたからでしょう・・・オイルを塗っていない&オイルを塗るたびに何度も引っ張って馴染ませる作業を行なっていないのでゴワゴワ感がありますが、柔軟でした。

今まで、爬虫類、両生類と革を作って来ましたが、魚類でも同様の“なめし”で成功する事ができました。
次から次へと“なめし”ばかりしていて・・・特に作りたいものが無い・・・どうしようかな?





2017年7月。いきなり手に入ったロードキルにあったタイワンリス。
奇跡的なめぐり合わせ・・・7月下旬の暑い時期。夜間に撥ねられたばかりのようでとても新鮮でした。



河原で捌きました。
内臓もとても綺麗な色だったので、当然、身は食用に切り分け、生まれて初めての毛皮の素材もGet!!
お腹の左側から内臓が出ていたので、皮もお腹の横から切り開いた形になってます。

さて・・・どうやって鞣そうか・・・毛皮のなめし方を調べたらミョウバンでも鞣す事ができるとか・・・ちょっと安易ですが、挑戦!!
ミョウバンなめしには、ウェット方式とドライ方式があるようですが、今回はドライ方式を採用。



綺麗に洗って水分をふき取り若干乾かしたらOK。
内側は脂肪分を取るために洗剤で洗った方が良いようです。今回は省略。



焼きミョウバンと塩を5:5で混ぜ合わせます。
左が塩です・・・なぜ茶色!? 実は若クルミの味噌漬けを作る時にアク抜きとして使った塩です。
余談ですが、捨てるのはもったいない・・・マテガイ捕りなど、捨てずに使ってます。



混ぜたものを皮の内側に塗り込んでいきます。
ミョウバンがツブツブ・・・予め磨り潰して混ぜれば良かった・・・
満遍なく付けたら新聞紙に包んで2週間放置します。
※参考にしたのはもっとずっと厚い鹿の皮・・・2週間も必要ないかもしれません。



2週間と3日が過ぎていました・・・
クルクルと新聞紙に挟んで丸めておいたので・・・勝手に丸まってしまう・・・木の棒で押さえて撮影しました。



表面の塩&ミョウバンの塊を取り除き、皮を伸ばします。
皮が小さいので人差し指を曲げて皮をあて、両手で引っ張って伸ばしました。
伸ばした所が白くなるので、分かりやすいです。



伸ばし終わった革の内側を拡大。
こんな簡単に“革”になりました。おもしろい!





革の外側。
初めて手に入れた毛皮! フサフサで触ると気持ち良い!!
どうしても作りたいものが出来るまで・・・しばらくこのまま保管します。



しっぽも皮を剥いて鞣そうかと剥き始めたら破れてしまったので直ぐに止めました・・・
これは鞣していません・・・ただ乾燥させただけ・・・何かに使えるのか!?





2020年3月。イタチのロードキル。
狩猟をしないので、獣との出会いは、いつも・・・突然に・・・
車で良く走る堤防上に獣の死体を見つけ、通り過ぎる瞬間にチラ見♪
綺麗かも♪ 直ぐに車を近くに停めて確認・・・やっぱり綺麗だ♪



子供の頃だったら、怖くて近づく事も出来なかった生き物の死体・・・
堤防上の道路から、水際のコンクリートまで運んで来ました。
写真は、置いた時に丁度顔に枯れ葉が・・・退けようと思ったのですが、直ぐにこの方が良いと思ってそのまま撮影しました。
車にはねられた生き物は、当然ですが、安らかな顔ではありません・・・



夕方に発見し、直ぐに日没が近づいている・・・短時間で捌かなければ!!
リュックから取り出したナイフは・・・時々研いでいるのですが、今はだいぶ鈍って・・・
中々切れず、同じ個所を何度も刃を滑らせてやっと!!
この時、刃物は常に研いでおくべきだと思わされました。

結局、この状態にするまで50分掛かりました。
ナイフが切れない上に、死後硬直していなく、クネクネだったのです・・・
ロープで足を縛って木から吊るして捌いた方が早かったのでは?と、後から思いました。
(そんな事したこと無いのですが、サバイバル本で知識だけはあったのです。)



前回同様に、塩とミョウバンを1:1にして皮に擦り込みました。
余談ですが、再度ネットで調べたら、ミョウバンに対して塩の量は少ないものもありました。



ほぼ、現地で捌いてそのままの皮・・・僅かに肉も付いている状態だったからでしょうか?
写真のように、水分が染み出て来てグズグズになるほど。
このまま新聞紙で丸めてしまうと乾燥に時間が掛かり、腐ってしまう可能性もあったので、ある程度の水分はティッシュで吸い取ってから包みました。



2週間近く風通しの良い所に置いておいたのですが、どうも湿気てる・・・さらに少し乾燥続行。
結局、15日乾燥させました。
カラカラに乾燥してクルックル! 開いても一瞬で元に戻るほど。



ゴワゴワで硬い! これは失敗か・・・



僅かに肉も残っていて、そこが特に硬い。
その場の思い付きで、手近にあった砂岩でスリスリと余計な物は削り落としました。



ここからは、皮のばし。
部屋に火起こしで使った直径1cmの棒があったので、これを立て、皮を載せたら両手で思いっきり押し付けてのばしました。
ひっぱれ〜♪ひっぱれ〜♪み〜んなでひっぱれ〜って♪ って歌詞違う!!
全力でやったので3月下旬ですが、汗をかいて上半身裸に♪

最初、失敗感もありましたが、この作業で皮は伸びてだんだん柔軟に・・・



伸ばした革の裏がわ。



表がわ。

無事、革になりました。
とても手ざわりが良い♪
いつか何か作ってみたいです。







2022年3月20日。
ロードキルのタヌキを見つけ、肉を頂き・・・もちろん、皮もGet!!



皮の内側に着いた肉を、苦労しながら取り除くのに時間が掛かり・・・気付いたら周辺にトビが!!
やっと肉を取り終えて、車に戻ったら・・・早速トビが集まってました。



超丁寧に肉を削り取っていたのですが、皮がほんとに薄い!! 気付いたら穴が!!



いつものミョウバン+塩を振ります。ミョウバンの残りが少ししかなく・・・ちょいと少ない・・・
後日、ミョウバンを買ってきて、追加で振りかけました。

さてさて・・・



2週間後・・・





!? なんか・・・しっとりしてる・・・これは・・・
とりあえず、見なかった事に・・・じゃなくて・・・当分の間、放置して乾燥させる事に・・・

そ・し・て・・・約9ヶ月半後・・・
実は、一つ下・・・2023年に、またまたタヌキをGet!!して、皮なめしをしたんです・・・それで思い出して・・・そう言えば・・・って!!



何故か一升瓶に巻いて放置してた・・・今さらですが、何故に!?



クルックルなので、竹を置いて撮影。
・・・なんか・・・重量感・・・表面の粉を落としてみたら・・・



超シットリ・・・超熟状態か!?
試しにスプーンでカジッてみたら・・・取れる取れる♪ これは!!



採取直後は、表面の肉や脂肪を取るのが難しかったのですが、これは楽♪ こんなに♪



そして、またまた・・・改めて、ミョウバン+塩をまぶしたのでした・・・
















2023年1月。今年もロードキルのタヌキを拾いました。
もちろん肉はGet♪ で、皮・・・去年は超丁寧に肉をそぎ落とそうとしても穴が!!
今回は、ほんと、時間を掛けて丁寧に・・・
ここまで僅かな肉をそぎ落とすのに2時間以上掛かりました・・・



前回、焼きミョウバンが少ししかなく・・・振りかける量が少なくなってしまった反省から・・・常に一袋を家に置く様にしてます!!
それはさておき・・・
今回は、塩と混ぜてシッカリ振りかける事ができました♪
このまま、最低2週間放置・・・さてさて・・・






 

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