サバイバル節約術


番外編 〜塩〜



塩作り。
だれでも直ぐに思いつく・・・海水を煮詰めたら塩ができる・・・
あまりにも単純で面白みが無い・・・と言うのもありましたが、焚き火でグラグラ煮ることが出来る大鍋が無いのでガス代を気にして実践しなかったのです。
塩を含んだ砂を使う方法を知り、早速、挑戦!




今まで散々・・・あちこちの海岸を歩いていて、塩で固まった砂を時々見掛けていました。
手でそっと掴むと板状のまま持ち上げることができます。

これを使えば単純に海水を煮詰めるよりも効率良く沢山集められる・・・はず。
実際、砂浜に窪みを作り、そこへ何度も海水を投入しては乾燥させて出来た塩と砂の塊を使う方法があるのです。

今日は塩の塊を拾うぞ!!・・・と出かけても見つからないこともありました。
考えたら・・・雨の時、雨上がり、湿度の高いときは不可。また潮の干満のあまり無いときも不可。
満潮から干潮になるにつれ、徐々に乾燥していった後・・・大潮の干潮時などが良いでしょう。




採取した砂・・・と塩。
10kgの米袋に約半分程度集めました。




採取した海水。
身近な堤防では、やや薄い海水(汽水)の可能性もあるので波打ち際で採取しました。
細かな粒子が混ざっているので若干濁ってます・・・
今回は4Lのペットボトル2本分、計8Lの海水を採取しました。




鍋に海水を入れ、そこへ砂を投入してグツグツ火に掛けながら良く混ぜます。
塩が溶けたら(と思われたら)、上澄みの海水だけを集めます。



結構不純物があるようで・・・だいぶ濁ってます。



私が使う一番大きな鍋でも全ての海水は入らないので茹でたら上澄みを取る作業を繰り返しながら、沢山の海水全てに火を入れながら続けました。(これは海水が腐るのを防ぐためです。)
大量に採取し過ぎたのをちょっと後悔・・・
写真は鍋の底に溜まった泥。何度も移し変えるときに底に集まった泥は捨てて行きました。



大分煮詰まって来たところ・・・表面に結晶が現れました。
最初に出てくる結晶は、海水中のカルシウムです。(写真のものがそうだろうか・・・)
これはエグ味のある成分なので、ある程度出てきたら、ろ過して取り除きます。
鍋に付く白いものは石膏なのでこれも取り除きます。



さらに煮詰めます。だんだんと白っぽく・・・
塩(ナトリウム)が海水中に溶けていられなくなり析出してきます。



さらに煮詰めて行きます。さらにもう少し煮詰めます・・・
このままカラカラになるまで煮詰めずに、ある程度水分が残っている状態で火を止めます。
この時、残った水分が“にがり”(マグネシウムなど)で強い苦味があるのです。
フィルターなどで漉して白い塩の結晶だけを取り出します。



取り出した塩。
水分があるのでまだベトベト・・・



天日で乾かすのが最も手軽で経済的でしょう・・・
私には良い場所がなかったので冷蔵庫へ入れましたが・・・1週間経っても乾かない・・・
何度もキッチンペーパーを取り替えました。



完成した塩。
ここまで乾燥するのに半月も掛かってしまいました。
ズッシリと重く・・・500g近くありそうです。

塩。
とてもシンプルな調味料です。シンプルゆえに素材の味を引き立てます・・・
子供の頃は天ぷらにソースを掛けて食べてましたが、今は絶対塩!です。
人間は塩を摂らないと生きて行けないと言われます・・・が、直接口に入れなくても植物などから得られる極微量で十分なのです。(塩のないジャングルでも人間は生きて行ける。)
調味料として使うだけでなく、食材を塩に漬けて塩蔵にすると腐らせず長期保存することが出来ます。

今回初めて手作りした塩は・・・わずかに苦味もあります・・・これは生成過程で、カルシウム分やマグネシウム分が残っていたためでしょう・・・最初(カルシウム)と最後(マグネシウム)を切り捨てるほど市販品に近づくと思いますが、これは手作りの個性か・・・
(いざとなれば、もう一度溶かせばやり直しもできそうです。)






塩を使った料理は沢山ありますが写真に撮れるものは・・・
揚げ物のついでに投入したにんにく・・・これを手作りの塩で頂いてみました。
写真は白い皿だったので分かり難い・・・手前に塩があります・・・




トマトには“塩”が合います・・・当然、美味しいです。
市販の塩で頂くよりもずっと美味しい気が・・・愛情がこもっているから!?




アユの塩焼き。
頂き物のアユ・・・次にアユを頂けるのは何年後!? 何十年後か!?
・・・それはさておき・・・手作りの塩で頂くと美味しい!! です。




トウモロコシの塩茹で。
思った以上に塩を使いました。瑞々しく美味しいです。



〜〜〜 余談 〜〜〜

海に近ければ塩は簡単に手に入る・・・山の中では!?
実際には、色々な食材には極僅かに塩分が含まれているため、意識して摂らなくても良いとの情報もありますが、それでは面白くない・・・
海で取れる塩(塩化ナトリウム)とは異なりますが、山には“塩の木”と呼ばれるヌルデがあります。
このヌルデから取れる塩は、リンゴ酸カルシウムだそうで、塩分の摂取を制限されている方も食べて良いとか・・・
このヌルデの塩も採取しているので、良ければ“ヌルデ”のページも見て下さい。




 

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