野焼き・・・縄文式の土器は窯などは使わず・・・屋外で焚き火でもするように土器を焼きます。 当然ながら・・・窯などないので縄文式で焼いて見ます。 全体の焼き時間は3〜4時間や2時間で焼きあげる場合、作ってから1時間で焼いてしまう事も・・・使った粘土の成分により焼き方も千差万別・・・さて私が 使った粘土は・・・ 暑い真夏や寒い真冬、湿気の多い梅雨を避け、雨上がりなど地面が濡れている時は不可。風が強い時も不可・・・何度もの休みを断念し続け・・・やっと何とか 野焼きできそうな日が来ました。 焼くタイミングが伸び伸びとなっていたので、海で採った粘土で作った土器は既に1ヶ月と6日を経過、山で採った粘土で作った土器は2週間と4日を経過して いました。どちらも既にカラカラに乾燥・・・乾燥させ過ぎるとどうなるのか・・・これも分からない・・・ 乾燥は大きさや湿度にもよると思いますが、概ね2週間程度とも言われます。 本日は、晴れのち曇り、風速2m、午後3時頃から雨・・・朝から気合を入れて出掛けました。 焚き火をするには燃やす木が必要・・・前もって川岸や海で流木を拾い集めていました・・・ずっと車の中に大量の木の山・・・マンション住まいで置く場所が ないのです・・・この量で数時間も焚き火ができるか・・・との不安もありながら・・・ 焚き火から少し離れた場所に土器を並べて少しずつ温め、乾燥させて行きます。 集めておいた流木の他、車に常備!していたガマの穂や食べて残ったオニグルミの殻(脂分で良く燃える)なども使いました。 火力が安定して強いクヌギの木が最良なようです。スギや松では失敗しやすいとか・・・ 火消しの水や軍手なども用意しておきましょう。 並べた土器と焚き火。 もっと大きな焚き火にして“強火の遠火”状態にすればムラも無く良いのかも知れません。 小さな焚き火では、熱の伝わり方にムラがありそうです。 大きな作品であればあるほど・・・大きな焚き火でないとムラで割れやすくなりそうです。 集めておいた流木だけでは足りず・・・燃やしながら川原の周辺にあった廃材もかき集めました。 子供が作ったと思われる家のおもちゃも・・・ グルグルと風向きが変わって炎が回ってしまうので集めた廃材も風除けのために周りに置きました。 周辺にあった枯れ草をナイフで根元から切って結びました。 右下が結んだ枯れ草。奥は沢山ある枯れ草。 火が弱ったとき、大きな流木を燃やす時の補助に時々投入しました。 どんどん燃やしていきます・・・ついには自分の家までも・・・なんて。 作った土器は少しずつ火に近づけます。 時々回して全体が満遍なく暖まるようにします。 (この作品の作者が大人になっていつか・・・このHPを見たら・・・そうとうビックリするでしょう・・・これはあの時の!!なんて。) 焚き火を始めてから50分後。素手で器に触ったら熱!! 周りで温める時間は1時間程度が目安ですが、作品が小型なのもあり、次第に曇ってきて雨が心配なのもあり、ここで作品を焚き火の中へ投入しました。 まだ湿っている土器の場合は、乾燥してきて色が変わってくる頃も目安の一つです。 割れて弾けて粉々になってしまうか・・・ドキドキ・・・土器だけに・・・ 焚き火の中に投入したら上に流木を積んで燃やします。 情報では1〜2時間燃やすと良いようです。 メラメラメラメラ・・・火が弱くなる前に流木を投入、強くなり過ぎると制御不能になるので加減も必要・・・目が離せません・・・ 流木や廃材をだいたい燃やしつくしてそろそろ終わりか・・・ 火は弱っても中は真っ赤!! 熱気が物凄く、1m以内に近づくと顔が熱い!です。 焚き火を始めてから1時間50分後。 作品を焚き火の中へ投入してから1時間後。 鎮火しました。まだまだ恐ろしく熱く、とても触れない・・・ ここで急に取り出して冷やすと割れてしまうのでそのまま放置します。 この約1時間後からパラパラと小雨ですが雨が降り出しました。 鎮火してから約5時間経過・・・ 直接雨が当たらないように廃材で覆っていました。 後は放っておけば雨で消火も完璧。 さて・・・結果は・・・ 予想に反して割れてない・・・ 写真左から、 山で採った粘土の作品。 海で採った粘土の処女作。 山で採った粘土に僅かに海の粘土も混ぜたもの。 その他、板とボール。 山で採った粘土で焼いた土器。 厚みは処女作よりもだいぶ厚め。砂は4割程度。 元が赤茶色だったのもあり・・・レンガや素焼き鉢のような色です。 軽く指で叩くとカチンカチンと、とても高い音がします。 形を作るのに苦労し・・・絶対に割れるはず・・・でしたが無事でした。 海の粘土で作ったもの。 砂は1〜2割程度しか混ぜてませんでしたが、無事割れずに焼けました。 土器を手づくりした処女作です。素晴らしい経験に思わず興奮!! 山で採った粘土に海で採った粘土を少し混ぜたもの。 全て割れずに成功した!! と思ったのですが、この丸いものは何!? 良く見たら器の土台部分だけ割れて剥がれていたのでした・・・ これでも穴は開かなかったので器として何とか使える・・・ その他の実験材料も・・・ごらんの通り・・・ 無事砕けずに焼けました。 全てカチカチに固まって金属音に近い音がするほど・・・ 素材から方法まで・・・ネットで得た僅かな情報だけ・・・ 全くの手探り状態でしたが、これは処女作としては大成功でしょう! ただ、もし縄文人が見ていたら・・・笑われる程に稚拙でしょう・・・ もっと大きな作品を作るにはもっと広い場所に多くの燃料(材木)も必要・・・ 火の始末など・・・火力が強くなればコントロールも難しくなる・・・1人では厳しいか・・・ もっと別の・・・お皿や土偶など・・・いつか・・・ 機会があればまたやってみたいと思います。