サバイバル節約術


番外編 〜お灸・お香〜



お灸:



お茶として利用するために採取し乾燥させたよもぎ。
飲みきれずに残り、年月が経ってしまいました・・・お茶として利用するのも良いのですが風味が落ちているので“もぐさ”にしてみます。

もぐさは、良く知られていますがヨモギの白い毛を集めたもので、お灸に利用されます。


簡単な作り方は、
秋に採取し乾燥させたヨモギの葉を冬に手で揉み、振り分け、繊維のみを取り出します。
ネットで検索すると、お灸を利用されている方で自分で作られている方もおられるようです。



手で揉んで揉んで・・・



写真の写り具合で、かなり白っぽくなってますが、葉のかけらを振り分けて可能な限り白い繊維のみにします。
ミキサーを使っても良いです。
より白い方が上質とされます。



もぐさ(艾)。
最も一般的な利用法はお灸です。
葉のかけら等が残っていると、やや高温になるようなので注意して下さい。
お灸以外の利用法は・・・
綿の代わりとして服の中に入れたり・・・
良く火が点くので火起こしにも使えます・・・




振り分けた葉のかけらは、お茶としての利用以外にも、
入浴剤として・・・温熱効果で体の心までポカポカ・・・腰痛・神経痛・痔などに・・・リラックス効果も・・・
その他、よもぎには様々な薬効があります・・・




手作りもぐさのお灸。
(撮影用に石の上に載せて濃い色の背景にしました。)
・・・お灸の知識はゼロ・・・使い方を勉強したら腰痛にも効くかな?





お香:



2018年。よもぎで紙を作ってみようと・・・再度、“もぐさ”作りをしました。
手前がもぐさ、奥が取り除かれた葉の部分。
今回使うのは、写真奥のもぐさを作った時に出た葉の破片。
よもぎは香りが良いのでお香にならないか? これを固めるには?



ユリ根から取ったデンプン・・・これに水を加えてトロ火にかければデンプン糊に。



細かく千切れた葉の部分だけを使い、デンプン糊を加えて練りました。



カラカラに乾燥させたら・・・真っ黒!!
超軽いのに超硬い!! 両手で摘んで折ろうとしても素手では無理でした。硬!!



アップ写真。
ボソボソ感など無く、カッチリ固まっているのが分かるでしょうか・・・
色や硬さなどどうでも良い!! さてさて良い香りになるかな!?



結果・・・信じられませんが、失敗。
草が燃えないなど思ってもいませんでした。火を点けても直ぐに消えてしまう・・・お香ならば炎はいらないので良かった! ではない・・・くすぶる赤い火種も直ぐに消えてしまうのです。
かなり炙って真っ赤にしても、数十秒程度で消えてしまうのです。
これは失敗。

※ただ、これは新たな発見。
 デンプン糊は紙同士をくっ付ける程度の、それほど接着力の必要が無い時に使う程度の物と言う認識だったのですが、これは!!
 これほどカチカチに硬化するとは信じられませんでした。





海藻から取る糊ならば良いかも!? 早速!!



今度は、ボソボソ感があるので、これはずっと“くすぶって”燃えそう・・・



結果・・・またまた失敗。
デンプン糊よりも良かったのですが、1分程度で消えてしまいました。


よもぎでお香を作るのは無理なのか!?
色々調べていたらお湯だけでできる!? マジ!?




まずは葉の破片だけのものにお湯を掛けたら、良く捏ね、そこへもぐさを5割以上投入してさらに捏ねたら完成。



見た目のボソボソ感が燃えそうな気配十分!!



お湯で捏ねたヨモギのお香。
火を点けたら、煙が出て燃え続け、最後まで燃え尽きる所まで行きました。
完成!! 成功!! こんな簡単だったとは・・・


よもぎのお香完成!! ・・・ただ、ちょっと疑問。
見つけた情報のままに作りましたが、葉の粉に対して繊維(もぐさ)を半分以上入れて作る・・・
ならば、ただそのままヨモギの葉を砕いてお湯で捏ねて作るだけでも良いのでは!?
早速!!





ヨモギの葉を数枚投入したらすり鉢で粉々にしたら、お湯を入れて捏ねました。
全てをまとめて1本に・・・ちょい長め・・・さてさて・・・



乾燥したもの。
アクの影響か、黒っぽくなってます・・・



結果、無事、全く問題なく最後まで燃えました。
好みで配合比率を変えたいので無ければ、この方がずっと楽♪
余談ですが、ずっと昔(平安時代に記録が残ってる)は、ヨモギやスギを燃やして蚊を追い払っていたようです・・・殺虫は出来ませんが遠ざける事はできます。
余談の余談・・・ちなみに、蚊取り線香で有名な除虫菊は外国産なので日本に自生していません。




ヨモギのお香を作るよりも少し前に知ってました・・・杉のお香。
既に手元にあるヨモギの粉の方が早く実験となっただけ・・・スギのお香は葉を採取してから2週間ほど乾燥させる必要があります。



カラカラに乾燥させたら磨り潰します。
私にはやはりMY石器が楽・・・



手前が細かく粉になったもの。奥は完全に粉になる前のもの。



作ったスギの粉に熱湯を注いで捏ねたら、形作って、乾燥させるだけ。



作ったお香・・・見た目で良い感じで燃えそう・・・



スギのお香。
これは、全くもって・・・市販の“お線香”に近い香りです。
悪くないです。好きな人も多いでしょう・・・ただ、嫌いな人もいるでしょう・・・



散々磨り潰してだいぶ粉にしたのですが、残った部分・・・
こちらも試しに実験で、熱湯を注いでお香にしてみました。 だいぶボソボソ・・・取り扱い注意。



私には違いは分からないです・・・同じスギのお香でした。
これで親の仇とばかりに必死になって粉々にしなくても、ある程度砕けたらお香に出来る事が分かりました。



*** 余談 ***




時々火起こしの練習をするのですが、火種を作っては消すだけ・・・そうだ!!
今回は出来た火種にお香を付けて・・・点いた!!
嬉しかったのでつい・・・アップロード。



2019年末。
ふと、目の前に、スギがあり、そう言えば、1年近く前にスギでお香を作ったな〜お香か〜
そしてふと、直ぐ近くに背丈ほどの小さなマツやヒノキが・・・これで作ったら??
同じ針葉樹。もしかしたら!? で、早速♪



マツ。
葉を採取したら乾燥させ、ハサミで細かく刻んだ後、MY石器でゴリゴリゴリゴリ・・・と、磨り潰しました。



ヒノキ。
こちらも同様に・・・って、平べったいヒノキの葉は、ほとんど磨り潰せない・・・
そこで、ハサミで滅多やたらにチョキチョキ刻んだ後、可能な限りMY石器で擦りましたが、散々やってこの程度・・・燃えるかどうか以前にまとまるのか!?


この後、スギのお香作りと同様に熱湯を加えてまとめてみました・・・



マツ。手前3つ。
スギ同様に僅かに粘りが出たので、なかなか良い感じにまとまりました。



ヒノキ。一番左はほとんど写ってませんが手前3つ。
細かく磨り潰せなかったのでボロボロボロボロ・・・熱湯を加えても粘りがほとんど無かったので、まとめようとしてもバラバラバラバラ・・・ボロボロボロボロ・・・(以降繰り返し・・・)
手に付いて、崩れて、手に付いて・・・えいやっ! と、何となく形になったらもう知らん!! どうにでもなれ!! って放置♪




ヒノキのお香。
ナイフを下に滑らせて上に載せ、石の上まで持って来ました。
崩れやすそうなので、超慎重になりましたが、意外と無事♪
火はやや付きにくいので、少し強めに燃やしました。
こ・れ・が! とても扱い難いものとなってしまったのですが、香りはとても良いです♪



マツのお香。
スギ同様に粘りが出たので、まとまって作りやすかった♪
どんな香りか・・・火を点けて・・・
・・・これが、マツ独特な香りがでると思ったのですが、それも感じず・・・
ただの草でも燃やしている様な・・・とてもお香とは呼べないものでした・・・
※作り方を変えればマツの良い部分を引き出せるかも知れません・・・

・・・と、言う事で・・・
針葉樹のスギ、マツ、ヒノキの中でお香として良い香りのものは、スギとヒノキ。
そして、作りやすいのは、スギとマツ。
結局、香りと作り易さを総合すると・・・スギ! と、なったのでした。







山の中を歩いていたら、見た事の無い形の木の実を見つけたのです。
何となく良い香り!? 鼻を近づけたらトイレの芳香剤の様な♪
家に帰って調べたらシキミ。
後日、改めて葉を数枚採取したら、2〜3ヶ月掛けてカラッカラに乾燥させました。
お香にするには、葉を使うのです。



適度に刻んだら、すり鉢でゴリゴリゴリゴリ・・・何度も擂ったら・・・
茶漉しレベルの細かな網で大きな破片は取り除きました。

これをどうやってお香に!?
お香やお線香について調べると、香りの素となる香料と、それをまとめる役割の基材がある事が分かりました。
そして、その基材には・・・タブノキが使われる事が多いのです。
タブは、粘りがあり、余計な香りが無いので適しているようです。
タブならば、今年見つけた!! 早速♪



海岸で育っていたタブの木から、樹皮を少しだけ頂きました。
どうやって細かくしようか・・・取りあえず、乾燥させたら・・・カラッカラ!! 超硬い!!



あまりに硬かったので、砕く事など無理そう・・・
と、言う分けで・・・鉄工ヤスリでひたすらズリズリと・・・摩り下ろしました。



タブ粉とシキミ粉を混ぜてお湯で捏ねます。
お香作りの基本的な比率は、香料:基材で4:6、もしくは、5:5だそうです。
実際にやって見たら、思ったほど粘らない・・・なぜ!?
写真は、乾燥させてカラッカラになったもの。



火を点けてみたら・・・これは良い香り♪
ほんと、感無量!! と、言いたい所だったのですが・・・
僅か数分で自動鎮火・・・付けてもまた鎮火・・・何故に!?

緻密過ぎたのか!?
実は網で取り除いたシキミの粉の、やや大きなものだけを使ったバージョンのお香も作っていたのですが、こちらの方がよく燃えたのです。
確実によく使われる素材を使って比率も確実・・・失敗するなど全く想像してませんでした・・・
まだまだ続く!?




いろいろ考え・・・もっと空気に触れている面積の大きい線香タイプならばどうか!?
試しに作ったお香をお湯で崩して捏ね直しました。
ほんとにボロボロ感があったので、丁寧に平らに伸ばしたら・・・恐る恐るナイフで切れ目を入れたら放置してゆっくり乾燥♪
ちょい太目ですが、あまり細いと崩れそうだったのです・・・感覚ですが、この太さが限界。



乾燥させたら、思った以上にシッカリしてひと安心♪
さてさて燃えるのか!?



これが成功♪
シッカリと根元まで燃え尽きて・・・香りも良い♪
これは間違いなく、大成功♪
こんなお線香ができるなんて感無量♪









 

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