サバイバル節約術


番外編 〜火起こし〜


サバイバル・・・と言えば、水、食料、火、です。
水に関しては、日本は水に恵まれているので、雨、川、海など・・・比較的簡単に手に入れる事ができます。
食料に関しては、このHPのメインにしているので、残る“火”を手に入れる方法を身につけたいと思います。


火を点ける・・・最終的には太い薪まで燃やして長時間火を安定させるのが目的でしょう・・・
で、いきなり太い薪にマッチの火を当てても・・・まず、絶対に、火は着きません。
小さな火種(炎にもなっていない赤い高温の塊・・・線香花火のあの塊りのようなもの♪)ならばなおさら・・・

極普通のキャンプなどで行なう火の付け方は・・・
まずは、燃えやすい細い枝(薪)に火を点けたら、だんだんと太い枝(薪)に付けて行くのです。
太い薪に火を着けるには、それなりの火力(熱量)が必要なのです。
そんなの面倒・・・などと・・・
今時のキャンプでは、着火剤を使ったり、火力の強いバーナーでいきなり燃やしてしまう場合もあります。

ここで出て来た着火剤とは・・・
市販されているものは、種類が豊富ですが、基本、火を着けると良く燃えるように作られています。
そして、天然の着火剤と言えば・・・
もちろん、これも火が着くと良く燃えるもの・・・油分を含んだものが多いです。
有名なマツボックリの他、ファットウッドや白樺の樹皮。
私が見つけた変わった所では・・・ナンキンハゼの実(この実からロウソクが作れる)やヤシの実のコプラ(中の白い果肉)など。
ブッシュクラフトでは、フェザースティックを作って着火剤に♪
これらは、単に楽するためだけでなく、サバイバルの悪天候下でも火を着けるのに役立ちます。

そして、キャンプではあまり使われないもの・・・それは火口(ティンダー)。
これは、上でも少し書きましたが、炎にもなる前の小さな赤い塊り・・・火種。これは小さな熱の塊なのです。
この熱の塊を炎に変化させる時に使うのが、火口(ティンダー)です。
これは、細い木の枝よりも遥かに細く細かいもの・・・ ガマの穂、ゼンマイの綿、ススキの穂、杉の皮、麻ひもをほぐしたもの、タンポポの綿毛、シュロの皮・・・などなど。
使い方は、この火口に火種を落としたら・・・そ〜と息を吹き入れるなどして風を送り、火種を大きく(熱量を大きく)するのです。一定の熱量に達すると・・・ボワッといきなり炎が出るのです。

火口と着火剤は、あらゆる場所で見つけたら兎に角確保しておき、使った分だけ補充しておくと、“いざ”と言う時に困りません。
採取した火口などは、日当たりの良い所や車の中などに数日置いて、カラッカラにしてから補充します。




火口: 左はアシの穂、中央はススキの穂、右はセイタカアワダチソウの穂。



火口:左はチガヤの穂、中央は・・・爆ぜてますがガマの穂、右は麻紐をほぐしたものとセイタカアワダチソウの穂が混ざったもの。
火種を炎にする時に使うだけでなく、火力が弱い時に投入すると、一瞬でボワッと大きな炎になって直ぐに燃え尽きます。
一時的な火力アップで、湿った小枝に火を点ける事もできるのです。



火口: 上のやや左はチガヤの穂、その右は、ヤナギの綿毛、その右は乾燥させたコケ、一番右は鳥の巣。
着火剤: 下の段、左からヒノキ、スギ、マツボックリ。



着火剤: 上段左はスギ、右はマツボックリ。 下段左はココヤシ、右は松脂。
雨上がりなど湿度の高い時は、着火剤が有効です。
スギの葉などは、そのままで良く燃えるのでおすすめ。
ココヤシや松脂などは、状況に応じて細かく砕いて使うと良いです。



松の倒木から取り出した所。



着火剤: ファットウッド(肥松)。
松の倒木から採取できます。これは松の脂!! 太陽に“かざす”と透き通っているのです。
脂なので、もちろん、簡単に火が着きます・・・あまりにも簡単に火が着くので、レイジーウッド・・・怠け者の木とも呼ばれます。
雨の日など、条件の悪い時用にあると便利です。



サバイバルツールとして、ファイアスターターがあればとても便利です。
高温になっても自然発火せず、コンパクト、簡単に火起こしができます。
マグネシウムの黒い棒に金属のプレートを擦り付けて火花を出します。
私は車のトランクにウッドストーブ(コンロ)と一緒に保管しているものと、外出用のズボンにくくり付け、常時身に着けるものの2つ持ってます。
コツは、軽く高速にこするよりも、強くシッカリこすり、大きい火花を火口に落とすことです。
※出るのは炎ではなく、火花です。
 火種の段階になる場合もありますが、火口or着火剤に対して、大きな火花を落とす事で、いきなり炎にする事ができる便利な物です♪



火打石を使った火起こし。
テレビでは厄除けで石と石でカチカチとやってますが、火起こしをする場合は石と鋼を使います。
原理は、硬い石で鋼を削り、高温で飛ぶ鋼の粉(火花)を燃え易い素材に着けて着火させます。



火打ち金(がね)。
鋼部分は、ノコギリが安く扱いやすいので便利です。
持ちやすいように適度な木を切り出し、溝を切ります。
切った溝に適当な長さに折ったノコギリを固定して完成。



火打ち石。
特別な石である必要はなく、鋼を削る事ができる石であれば何でも良いです。
身近にある硬い石は、チャートや石英です。
チャートは、赤や緑など色々な色がありますが、どれもやや透けるような感じがあり、とても硬いので角ばったものが多いです。
石英は、白く、これもやや透き通ったような感じです。
どちらもとても硬く、カッターの刃で切りつけても傷付けることが出来ません。
写真は黒色のチャート。



鋼を削り取るイメージで打ち付けると綺麗な火花が散ります。
着火させる時は、左手に火打石と着火材を持ち、右手で火打ち金を打ち付けます。



飛び散る火花で火種を作るのは意外と難しいです・・・
ほぐしたティッシュや綿毛等を使ってもなかなか火種にならない・・・
炭化させたティッシュを使うと比較的楽に出来ます。

※炭化ティッシュの作り方:ティッシュを丸めて火を着けたらコップなどを逆さにして被せ、酸素の供給を断ち、燃え尽きるのを防いで作ります。








虫めがね。
直径10cm程度の100均で買った虫めがねを使いました。
レンズの質があまり良くないので少し不安でしたが、消し炭に焦点を合わせると・・・一瞬で火が着きました。
着火させたのは、ティッシュ、松ぼっくり、松ヤニです。
カメラなどのレンズや容器に水を入れてレンズにしたり、氷でレンズを作っても同様に火起こしが出来ます。
太陽エネルギーは偉大です。当然、曇りや雨の日には使えません・・・
コツは、良く晴れた日、出来るだけ広い範囲の太陽光を集め、黒い色のものに焦点を合わせる事です。




原始的な火起こしと言えば・・・一番最初に思い付く方法・・・
木の棒を両手でスリスリする方法ですが、いろいろな人が興味本位で実践して失敗しているようです・・・
私も挑戦しましたが全くダメ・・・煙も出ない・・・まずはもっと簡単な方法から挑戦します。

比較的シンプルで実用的な弓きり式に挑戦。
使う道具は、火きり棒と火きり板に弓、火きり棒を固定する板の4つ。
材料は何でも良い分けではなく、火起こしに適した素材があります。



ウツギの特徴的な実。



ウツギ。とても硬い木で火きり棒に使います。
真っ直ぐな枝は・・・少ないです。
この中から可能な限り真っ直ぐな枝を採ります。



弓ギリ式の道具一式。

右上:火きり板。
スギやヒノキなど柔らかいものを使います。
山に行ってもスギ板などないので・・・川原でスギ板を拾ってきました。
火きり板にはある程度火きり棒を固定できる窪みと火種を落とす溝を作っておきます。

中央:弓。
長めの棒に紐を張ります。
火きり棒に張った紐をグルッと回して使います。
素材はそれなりの強度があれば何でも良いです。今回はウツギを使用。

中央左下:火きり棒。
ウツギやアジサイ、その他、キブシ、ヤマビワなどが使われます。
直径1cm程度の真っ直ぐなものを使います。
軸に竹などを使い、火きり板との接点部分のみ上記素材を使っても良いです。
今回はウツギの枝を使いました。

左下:火きり棒を固定するもの
中央に窪みを付けて火きり棒を押さえ込むのに使います。




使い方はこんな感じ。
火きり板に真っ直ぐ立てた火きり棒。それを固定する板と紐を回した弓。
バイオリンでも弾くように弓を前後に動かして火きり棒を回転させます。
写真では火きり板の下に板を敷いてますが、葉っぱでも良いです。





火種。
一度火種が出来たらなかなか消えません。
あせらず、これを燃えやすい素材に移して空気を送って火にするのです。



やっと・・・
弓ギリ式で火種を作るのに苦労しました・・・人によってはすんなり出来た人も居るでしょう・・・私はなかなかうまく行かなかったです。
火種さえ出来れば燃えやすい素材に移して空気を送り、火種を大きくして・・・熱エネルギーが大きく集まれば自然に発火します。
写真は弓ギリ式で火起こしに初めて成功した記念すべき1枚です。

なぜ苦労したのか・・・
これから初挑戦される方へのアドバイス。
とにかく初めての方は分からない事だらけ・・・なので、素材は火きり棒にウツギと火きり板にスギが良いでしょう。
火きり棒は太すぎず細すぎず・・・直径1cm程度とします。
火きり板には窪みだけで良いです。火種を落とす溝は煙が出るようになってからで十分です。厚さは1cm。
なぜ私が苦労したか・・・火きり棒を回転させても焦げさえしない・・・熱は摩擦により発生するのです・・・頭では分かっていても・・・コツは、火きり棒を火きり板にかなりの力で押さえ込んで、クルクルと言うより、ゴリゴリと回転させるのです。
凄く低速回転でも良いです。兎に角、力が重要!!
火きり板と火きり棒は離してはいけません。接触している部分に熱がたまります。
火きり板が焦げる様になればほぼ成功でしょう・・・これ以降は簡単です。
火きり板に作った溝に火種が溜まるのでこれを燃えやすい素材に移して空気を送るだけ。
火種から火が出来ない場合は、熱量を想像して下さい。火種を大きくして一箇所に沢山の熱を集めるのです。風があれば自然に発火します。

さらにアドバイス。
本末転倒ですが、初挑戦される場合、火きり棒と火きり板の溝を予め炙って焦がしておくと楽に出来るでしょう。炭になっていると楽です。




弓きり式火起こしの変化バージョン、ひも切り式火起こし。
使う道具は、弓きり式で使う道具の弓以外の全てです。
これは、火きり棒を抑える役と、ヒモを引っ張ってスリスリする役の2人で行ないます。
※機会があれば、写真や下手な絵などで紹介します。






火きり板。
どちらも拾ったスギ板です。
最初左のものを使っていましたが、こちらでの火起こしは少し難しい。
右はとても軽くパッサパサになったもの。こちらの方が数段簡単に火が起こせました。



2017年。一番火起こししやすい火きり板。一番左。
海岸で拾った板ですが、柔らかくとても軽いです。
表面も裏面も・・・穴だらけ・・・今年ずっと練習してました。



あちこちビーチコーミングして手に入れた柔らかく乾燥していて長い板。・・・これがなかなか見つからない。
長さ40cmあります。
長期間海を漂っていたからか・・・小さな穴が大量に空いてますが火起こしに問題はありません。
上でも書きましたが、本番に備えてある程度の下穴を開けておくと本番が楽です。





2017年末。
きりもみ式での火起こしに成功しました。
この年末、毎日のように家でスリスリして火種を作るまでの練習をしていました・・・その成果!!
火口はガマの穂を使いました。



2018年現在で、きりもみ式で一番簡単に火起こしが出来るセットです。

火きり棒:
上方1.3cm。手でスリスリする時にある程度の太さがある方が楽です。
下方(火きり板との接地側)1cm。これは基本です。
長さ約70cm。もっと長くてもよいでしょう・・・この長さを活かして上半身の体重を乗せるのです。
かさばりますが、短いよりは長い方が明らかに楽です。
火きり板:
厚さ1cm。これは基本。
長さ40cm弱。左足で踏みながらスリスリするので短いと不便です。使い込むと穴の位置が移動していくのでやはり長い方が長く使えるのです。

コツは弓切り式火起こしとほぼ同じ・・・弓切り式の火起こしが出来るようになれば、雰囲気や感覚などがわかります。
違うところは両手でスリスリするので、手が下に下がって来たら、片手で棒を押さえながら、また上からスリスリ始めます。火きり板と火きり棒は絶対に離しては行けません・・・たまった熱が逃げてしまいます。
弓キリ式の小道具が無くシンプルな分、それを補うのに体力が必要です。
(かなり技術が上達すれば、体力も僅かで済むと思われます。)
体力的に厳しい方は・・・複数人で交代して続けます。余談ですが、小学生で成功した例もあるのです。






火きり板に切れ込みを入れて準備します。
初めの頃は、ナイフで丸く穴を作って切れ込みを・・・結構、面倒・・・
今はナイフで×マークでも作るように切れ込みを入れた後、×マークの下側△部分を軽く削り取って作ってます。



出来た窪みに火きり杵を置いてスリスリ〜♪ これで、位置決め完成。



ひとつ上と、違いが分かり難いですが、×マークの▽部分、ここを深く切り込んでます。
切れ込み▽の先端は、火きり杵で出来た円形の中心には僅かに届かない程度が良いです。
ここまでで、下準備完成♪ 時間のある時、火起こししない体力のある時に、いくつも作っておくと、“いざ”と言う時に助かります。



今まで色々な情報を漁ってみてもこんな情報は見つかりませんでしたが・・・
火きり板は、木の年輪が立っているもの(写真左)が良いです。写真右の物は私にとってはちょっと苦手・・・と、言う事が分かりました。
この板を削って粉を出すのですが、写真右のものは、強く押すほどに潰れて・・・キュルキュルと空滑りして磨きがかかるだけの事が多いのです。
写真左の物は確実に削れて粉が出て煙が立ちやすいのです。
なかなか成功しない方は、試してみる価値ありです。



●小技集: ここで少し姑息なほどにあの手この手のアドバイス・・・兎に角、火を起こしたい!!と言う方へ。

 雨の日など、湿度の高い日は確実に火が起こしにくいです。同様に、湿度の高い場所・・・山の北側の谷底、池の周り、川沿いに・・・あちこち朝露に濡れた早朝などは、可能な限り避けましょう。
 逆に、快晴の日中、天日で熱せられた砂地の河原で火起こししたら、あっと言う間!!でした♪

 風が強い時も、もちろん、NG。風の無い日、風裏などで行なうと良いです。
 雨が降った後は風が強くなり、これにより濡れた地面や木々も乾く・・・風が収まるまで待つのも手♪

 気温の低い真冬も熱を奪われやすいです・・・当然♪ が、火起こしに時間のかかる初心者には、真夏の激暑に比べて体力が持続するので、+−ゼロか!? 冬は乾燥していると言う利点も♪

 地面の上で直接火起こししない事! 枯れ葉や木の板の上で火起こししないと、折角、熱を作っても地面に熱を奪われてしまいます。
 葉よりも木の板の方が地面から離れる&断熱効果があるのでおすすめ♪

 強大なパワーのある太陽を味方に! 虫眼鏡で簡単に火が起こせます・・・それはさておき・・・
 火起こしする際に、木くずが溜まる切れ込みは南、太陽のある方に向けると強大な太陽神が力を貸してくれます♪

 火きり板の窪みが浅いと熱が逃げやすいです。成功しても失敗しても窪みは成果! ここは!と、言う時の本番は窪みの深い所で始めましょう。
 これは、体力のある時、時間に余裕がある時などに、必殺用の穴を幾つか開けておくと、いざと言う時に役立ちます。

 ズリズリして失敗した場合、出て来た木の粉は大切に取っておきます。休憩して再度挑戦するときは、この粉を火きり板の切れ込みに盛っておくのです。この粉が沢山あるほど熱が逃げにくく、火種が出来やすいのです♪

 火きり板と杵の接点の面積が大きいほど熱を生み出すのに力が要ります。体力に自信の無い、子供や女性など・・・
 これを少しだけ少なくする・・・火きり棒の直径を細くする、肉厚を薄いものにするなどすると、楽に出来るようになるかも知れません。2022年5月の実験で検証済み♪

 ずっと火起こししてきて・・・ほんと、今さらながら、強く感じた秘訣!!
 最初にも書いてますが、湿気が強敵です! カラカラに乾燥した場所と、湿度の高い谷底では、火種ができる時間が全然違う!!
で、なぜ改めてまた書くかと言うと・・・周囲の湿度だけでなく、使う道具・・・火きり杵と板!!
これらも可能な限りカラッカラに乾燥させておく事を強くおすすめします。成功確率・発火スピードが格段に変わります。
もしかしたら、これが最も重要な火起こしのコツかとも思えるほど!!


これは初心者が苦労してあれこれやった成果! 簡単に火起こしができるようになってしまうと恐らく忘れてしまうでしょう・・・

参考になったでしょうか・・・素人だからできるアドバイス♪
日本全国、きりもみ式で火起こしできる人が大量に!?




2022年5月。
今まで火起こしには、2〜3分ほども掛ってました。
これが、マラソンで言うと一番辛いデッドポイントを超える頃・・・ほんと、いつも限界ギリギリでした。
今日は、数日間晴れ、天気は快晴、場所はカラカラに乾燥した砂地の河原、太陽が十分昇って地面が熱いほど・・・
そんな時に、カラカラに乾燥した竹を拾い、これを下に敷いて・・・
さらに、火きり杵は、私好みの長め!! 70cm♪
こんな状況で、今回は実験をするつもりで、火きり杵の一端は、直径6mm、もう一端は9mm。さらに肉厚は薄めのものでした。
この細い棒で火が起こせるのか!? 楽なのか、逆に難しいのかの実験でした。
結果、直径6mmの方は僅か22秒、そして直径9mmの方では、なんと16秒・・・いきなりのぶっちぎりの最速!!
小技集に書き連ねた事の積み重ねの成果と、基本はあくまでも基本・・・その人にあったサイズに調整することで、楽に火起こしができる可能性がある事も知ったのです。




私・・・中学校は美術部、高校はコンピューター部、専門学校はコンピューター系、大人になったら仕事はコンピューターのプログラマー、その後、転職して事務職に・・・(高校生ぐらいから30歳過ぎ頃まで自宅で筋トレだけはしてましたが・・・)
要は、力仕事してないので、手のひらの皮が薄い!! きりもみ式でスリスリすると、真っ赤になって痒くなってました。
そんな事から、上の写真の黄色の範囲を使って火起こししてました。
ずっとずっとここで火起こししていたので・・・ここだけ皮が帯状に厚くなってます。
そして今になって思います。この狭い範囲だけでのスリスリでは火起こしが成功し辛い!!
1回のストローク “1回のスリ♪” が長い方が、絶対に火起こしし易いです。
今は、手のひら全体を使うように意識してスリスリ♪してます。
その結果、写真の赤い部分のマメが急成長!!

ここで、ついでに・・・スリスリ♪のコツを!
まず、上で紹介した様に、手のひら全体を使い、長いストロークで、ス〜リ、ス〜リと言う感じが良いです。(←意味分かる!?)
そして、このきりもみ式は摩擦でおきる熱を火種にするのです・・・と言う事は、強い摩擦が必要。
これは、腕力を使うよりは、自分の体重を使う方が楽♪ そして、体重をうまく載せるには・・・脇を締める事。
脇を締めて、体重を火きり杵に載せる様にしてスリスリするのです。
体重が載っていれば、僅か数秒で濃い煙が出るようになります♪






使う道具。左上が火きり板。中央が火きり棒なのですが、ヒモがある事に注目!!



すりすりしているイメージ。

きりもみ式のヒモ付きバージョン。
使う道具は、普通のきりもみ式のものと、さらに、ヒモを1本だけ使います。
きりもみ式では、火きり棒を下方向へ押さえながら回転させるため、すりすりする手がだんだんと下に下がって来てしまいます・・・
このため、一番下まで手が下がってしまったら、また上に持ち直す必要があるのですが、ヒモを使う事で、手が下がらない&下に押す力が入れやすい利点があります。

実際にやってみた所・・・ヒモが親指に、くい込むので、軍手などをするか、ヒモをもっと太くするか、などで対応できるでしょう・・・
ヒモは、今回私は、火きり棒に穴を開けて通しましたが、一番上端に切れ込みを入れて、そこに沿わせる方法でもOKです。
そして、使うヒモですが、あまり短いとスリスリのストロークがやり辛いので、ある程度の長さは必要です。

ここで余談・・・一番シンプルなきりもみ式・・・やはり、このスリスリが肝!!
そして、スリスリすれば、当然、手が下に下がってしまう・・・ひとつ上で紹介したヒモ付きバージョンならば、解決!!
と、思いきや!! どうも私は(今の私には)苦手です。痛いし動かし難い・・・無い方が、ずっとやりやすい♪
きりもみ式で、まだ火起こしが出来ない方は、やってみる価値ありでしょう♪
それはそれとして・・・ここでは、さらにそれ以外!!
ガチなサバイバル本(アウトドア・サバイバル技法)にも載っているのですが、両手のすりすりを、神頼みするかのように単純に前後にすりすりするのではなく、商人がゴマを擂るかのように・・・手のひらを回すんです。
こうする事で、火きり棒をつねに押しながら、回転させて、手はつねに一定位置に保持できるんです・・・難しくて説明できん・・・
私も1枚の写真と、ネットで見つけた1本の動画を何度もみましたが、説明が一切なく、想像でやってみて・・・出来てるのかどうか・・・まだまだぎこちないからか、押さえる力が弱くなってしまいます。










竹を使って火起こしが出来るとか・・・
挑戦してみたのですが、熱くなって焦げて僅かに煙が出るところまで・・・

この後も何度か挑戦して何となく感じた事・・・
この竹、青竹を切ってカラカラに乾燥させたものですが、まだまだ若過ぎる感じです。
もっと朽ちて、油分も抜けて・・・擦った時に、ザリザリと手応えがあるものが良いと感じました。


上で挑戦したのは2015年・・・弓ギリ式で火起こしが出来た当時!!
その後、きりもみ式でも火起こしが出来る様になっても、放置してました・・・
そしてやっと!! 2022年、7年後に再度挑戦!!



使うのは火口の他、割った竹2枚だけ!!

まずは、上の写真の説明を・・・
中央に写っている竹が下に敷く竹です。この竹に、右側にある竹を当ててゴシゴシ擦るのですが、固定されていないと動いてしまうので、石でシッカリ固定しているのです。
(足を載せて固定したり、色々な方法があると思うので、好みの方法で、確実に固定して下さい。)
下に敷いている木の板(きりもみ式で穴だらけですが・・・)これは、火起こしに共通するもの・・・地面に熱を奪われるのを防ぐために敷いているだけです。枯れ葉などでも良いです。



下に敷いた竹のアップ。
ゴシゴシする際に、接点がズレてしまうのを防ぐために、あらかじめ溝を少し作っておきます。
この真ん中に小さな穴を開けます。
写真では分かり難いですが、木の板と上の竹の間には解した麻紐(火口)を入れておきます。

ゴシゴシして出て来た粉が中央の小さな穴から中の火口の上に溜まって行き・・・火種ができる仕組みです。



両端を持ってゴシゴシする方の竹です。
下に敷いた竹との接触する部分は、魚のウロコでも落とすようにナイフを立てて表面を削っておきます。

道具の感じは、わかってもらえましたでしょうか!?
そして、ここからが何より重要!!
2015年に失敗しながらも気付いた事・・・使う竹は、新しい青い竹はもちろんダメ!!
これを乾燥させたものも、やっぱりダメだったんです!
もう、兎に角、古くなってカラッカラに乾燥した竹!! これを使う事が成功の秘訣です!!
水分だけでなく、油分も抜けたものが良いのです。

で、出来そうかどうか・・・とりあえず、ズリズリしてみれば分かります。 ←これは分かり易い♪
スルッと肩透かしを食らうような、手応えでは、全くもってムダムダムダムダムダムダ!!!
ズリッとか、ザリッとか、心地良い手応えを感じたら・・・やっちゃって下さい、オラオラオラオラオラオラって♪



内部に出来た火種。
濃い煙が大分出てきたら・・・下に敷いた竹の内部に火種が!!
ほぼ忘れてましたが、7年経って成功♪




実践編:



火口探し。
辺り一面、朝露に濡れた河原・・・こんな時は、いち早く太陽の光を浴び、湿気のある地面から離れている・・・ススキの穂やセイタカアワダチソウの穂など・・・これらが使えます。
雨上がりでも、いち早く乾くのです。
その他、サバイバルの本によると、枯れた竹を割り、内側を削って出来た粉も良いとか。
もちろん、前もって準備して持ち歩いているのが最善です♪





火起こしの準備。
どんな方法で火起こしをする場合でも、まずは燃やす材料を準備しておきます。
炎が出来た直後が一番不安定・・・そんな弱い炎を維持するために・・・
薪となる小枝の太いもの、細いもの、燃えやすい枯草など・・・分けて近くに並べておくと良いです。

急に火力が落ちた時は、最も燃えやすいものを直ぐに入れ、なんとか持ちこたえたら、直ぐに細い枝を入れるのです。
そしてある程度火力が上がって来たら、太い枝も少しずつ投入。
雨上がりや湿気の強い時は、炎から目を離さない事!!
火が着いた!! やった〜♪ って、浮かれて目を少し離したら・・・一気に炎が小さくなって・・・鎮火・・・なんて・・・良くあり得るんです。



数日前に雨が降り、湿気を帯びた小枝しか集まらず・・・しかも、地面が水分を含み、しかも冷たい!! 朝方まで凍っていた感じでした。
こんな時は、油分を含んだ素材があれば、大分、楽になります。それはさておき・・・
炎は熱量。沢山の熱量があれば、太い木も燃え、熱量が、どんどん少なくなっていくと炎も消えてしまいます。
これでは、炎が大きくなろうとしても、地面が熱をどんどん奪ってしまう・・・いつまでたっても火が大きくならん!!のです。
こんな時は、地面との間に障害物を作るのです。
あらかじめ、地面に石を敷き詰めたり、木を敷き詰めたり・・・または、大きな木や石の上で焚き火をしてしまう方法もあります。
これらの方法を使えば、雪の上や水の上!! でも火を起こせます。


油分を含んだ着火剤。
今回は、ファットウッドを適当なサイズに切り分ける時に、ノコギリを使い・・・ファットウッドの粉が大量に♪ これは♪
実験で、焚き火に投入したらどうなるか撮影してみました。



これは当然の結果ですね♪
火に油を 注ぐ 投げ入れる!! 風がカメラ方向に、丁度、変わって!! ボワッ!! 
通常、ファットウッドは着火剤として使われますが、これは!!
粉なので火口として使うと、超便利かも知れません。



 

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