サバイバル生活に無くてはならない物・・・私の場合、それは杖です。 思いつく範囲で用途は・・・ ●3本目の足として・・・斜面では2点支持になります。 ・上り坂、下り坂ではこれがあると疲れ方、移動スピードが全然違います。 特に下り坂では、両手に杖を持って4本足(3点支持)になると、駆け下りる事ができます。 ・ジャンプして飛び降りるような場所・・・杖を持った手を下に伸ばして地面まで届けば、片手は足元、そして杖を持った手は、地面に届いているのと同じで、不安定な場所でも楽に降りる事ができます。 ●ここからは、第3の手として・・・噛まれても刺されても平気。 ・避ける ・露払い。 雨上がりや朝露に濡れたヤブに入るとき、草を杖で払いながら進むとズボンがズブ濡れになりません。 ・バラ払い。 ヤブの中に紛れているバラ等の棘のある枝、手で持とうとすると裏側にもトゲがあり、刺さったりします。杖で避けたり抑えたりして進みます。 ・ススキ払い。 バラと似てますが、こちらは擦れると皮膚が切れます。どちらかと言うと、バラは杖で抑え込むようにして避けますが、ススキは受け流す形で使う事が多いです。説明が難しいのですが、船のへさきのように、杖を体の前に構えて進むのです。 ・クモの巣払い。 山道は空気の通り道にもなっているのでクモの巣が沢山あります・・・クモには悪いですが払い落として進みます。(同じ道を戻る時は楽です。)
・ダニ払い 2021年、2022年(今時点)と、ほんとにダニがいつになく多い!! 少し藪・・・だけでなく、ほんと下草が少し生えているだけの河原でも!! ふと、ズボンを見るとダニが付いているのです。 山や河原など、下草がズボンにあたる場所を歩く時は、兎に角、周辺の草を杖でバサバサと叩いてから進むようになりました。 ほんと単純ですが、これだけで明らかにダニに喰われる確率が減りました。 ・探す ・落ち葉を払ったり、垂れ下がった葉を掻き分けたり・・・ 草で手を切ったり、毛虫に刺されたり、また、手を汚さずに済みます。 ・池や川の中の石や木を退けてみる。 泥の中に何か潜っていないか突付いてみる。 ・倒れた朽木を掻き分ける。 朽木の中にはムカデがいるので素手は危険です。 ・採る・獲る ・ヘビを獲る。 毒のあるマムシは当然として、逃げ足の速い他のヘビも視界に入った瞬間にまず、杖で取り押さえます。その後、頭の位置を確認して捕まえます。 ・木の実を採る。 先端の“マタ”を使って、枝を引き寄せたり、ナイフやノコギリを括り付ける時もあります。単純に木の実を叩き落す事も。 ・例外ですが、木にとまっているセミを叩き落としたり、スズメバチを叩き落として捕まえることも。 ・虫捕りでは、杖で草を掻き分け、動き出したところを網で掬う場合も。 ・見る ・ビーチコーミングや河原での石拾い・・・いちいちしゃがんで手に取らなくても、杖でひっくり返して・・・思っていたのと違う!と、分かれば、とても楽です。もちろん、それでも気になった時だけ、しゃがんで手に取って調べるのです。 ●その他 ・カメラの1脚としても使ってます。 ・マムシを捕まえても入れ物が無く、網の袋に入れた時等は、袋を杖の先に縛り、体とは放して持ち帰ります。(手で持っていると不意に体に着けてしまう時があるため。) ・ごく稀ですが、ふいに身の危険(獣や人も!)を感じたら・・・この杖で近くの木を叩きます。良く響くのです。 タッタタタッタッタッタ・・・(ブルースリー死亡遊戯の竹のムチのリズム・・・分からないか・・・) もちろんリズムは何でも良いのです。 リズムを付けて・・・山の中で人が銃で撃たれるニュースをまれに聞くので音(リズム)で人間であることを周囲に伝えます。 視力が衰え、聴力も弱った高齢のハンター・・・恐過ぎ!! 真竹で作った杖。 1年間、サバイバル生活を共にしました。初代です。 杖の先は、枝部分を1cm程度残し、“マタギ”の杖の様にしてあります。 長さは地面から腰下辺りまで。 手を真っ直ぐ下にして、杖の端を手のひらに付けると、もう一方が丁度地面に着く長さのため、3本目の足としてかなりの体重を乗せれるので便利・・・なのですが、獲物を取り押さえるためには、直ぐ目の前でも踏み出さないと届きませんでした・・・その分、取り回しは楽でした。 淡竹で作った杖。 なぜ淡竹にしたのかは・・・ただの気まぐれです。 2代目です。これも1年間サバイバル生活を共にしました。 これも先端は“マタ”にしてあります。 長さを改良して、地面からヘソ上辺りにしました。 初めは長くなった分、取り回しに不便でしたが慣れました。 手を伸ばせば、1m程先の地面に届きます。 真竹の初代に比べ若干磨耗し易い気がしました・・・ 初代、2代目も竹を使ってます。恐らく、3代目も竹でしょう・・・ ・乾燥しても柔軟性を失わず強靭、不意にポキリとは行きません。 ・吸水性はあまり無いので水にも強く、簡単には腐りません。 ・中空で軽く繊維が強いので殆ど磨耗しない。 などなど・・・これ以上の素材があるのでしょうか・・・ 3代目を作ったのですが、どうも気に入らなく・・・結局、2代目を2年間使いました・・・ かなり力を入れた作業も行なったので、ついにひと節目が割れてしまいました・・・ パックリと行かず、節で止まる所は、さすが竹と言う感じです。 3代目。 まだまだ青く、短期間にスッと育ったような青竹をそのまま使いました。 とにかく気持ち良い程に真っ直ぐなので気に入りました。 完全に乾燥しきる前に使い始めたので、先端のマタ状になっている部分が既に1本折れてしまいました。 長さは2代目よりさらに少し長くなってます。 写真中央が3代目。2年間使いました。 4代目候補2本を両側に並べたところ。どちらにしようか・・・ イノシシとバッタリであったら・・・今までの杖は細すぎて不安なのでもう少し太くしたい・・・ 結局、写真奥のひと回り太い方に決めました。 4代目。 又は折れやすく磨耗し易い・・・今回は節の先を長めに残して接地面よりも上に来るようにしてみました。 この4代目がカラカラに乾燥するまで3代目はまだまだ現役です。 2016年。4代目を1年使って大分摩耗してますが、まだまだ全然大丈夫。さらに1年使ってみます。 この後ずっと使い続け・・・気が付けば、2021年。5年間も使ってました。 長年の使用で、杖の先の摩耗がついに節にまで到達し、その一節目には、ぐるっと1周、あちこちに亀裂が走ってました。 これは良く使った♪ 手ざわり&重さなども心地良く、ほんと、体の一部になってました。 そして、2021年の1月。花の咲いたハチクから1本だけ頂き、乾燥させて・・・ 今回は、半田ごてを使って、縄文っぽい模様まで書いて見ました。 以前の経験から、マダケよりもハチクの方が、やや摩耗し易く弱いイメージがありますが、長く持って欲しいです。 上が4代目、下が5代目。 5代目は、若干短く、厚み(肉厚)がないためか軽い! 手前が4代目。数年間、ずっと持っていたので、滑らか&ツヤもでて雰囲気が良い!! この飴色になった杖・・・捨てられない・・・部屋に飾ります♪ 手前が4代目。もともとは、奥の5代目の様にマタと、マタを守るための部分もあったのです。 記念撮影♪ 2021年4月でした。 2022年11月。はやくも限界・・・ 写真は、上がひとつ前まで使っていたもの。 中央が花の咲いたハチクから頂いて作ったもの。(今まで使って来て限界を迎えた杖。) 下は今回新たに作ったもの。 やはり、どうもハチクはマダケに比べて摩耗し易い&裂けやすいようです。 今まで使っていた中央の杖・・・1年7ヶ月程で亀裂が入って・・・裂けてしまいました。 (ここ数回のサバイバルでは、針金をグルッと巻いて補強して使ってました。) そして、写真下。 これもハチクだったような・・・ただ、今回は少し太めのシッカリした杖になりました。 これにもハンダごてで・・・今回は縄文土器の模様をそのまま書きました。 いつまで持つかな・・・ その他: 冬。自分の身長よりも大きく育ったイタドリが枯れていました。 イタドリは漢字にすると「虎杖」。 あまり一般的ではないようですが、杖にするととても軽いようです。 出来るだけ真っ直ぐなものの方が良いです。 (初めから湾曲していると力を加えると簡単に曲がってしまうのです) 表面はスベスベして若干光沢があり、落ち着いた色合いが良い感じです。 軽いのですが切ってみたらまだ水分を含んでいたので、完全に乾燥させて、どの程度軽いのか、実用になる強度かなど、見てみたいと思います。 長期間乾燥させたら想像以上に軽くなりました。 まるでバルサ材のようです・・・ふとした時にボキッと行きそうで・・・長距離の山登りには不安で使えません・・・あくまで一般の杖としての利用がお勧めです。また、水に弱く磨耗し易いので、補強する必要がありそうです。 杖の先を又にする理由: いろいろあるのですが、ヘビなどの獲物を取り押さえるのに役に立つ他、手の届かない枝を引き寄せるのに使ったり・・・逆に邪魔な枝などを押し込んだりする時もあります。 その他は・・・ ナイフを括り付けた所。 軽量化のためか・・・グリップ部分に穴の開いたナイフを見掛けます。 私の持っているナイフにも幾つも開いてます。 この穴に杖の先に残した又の枝部分を掛けてロープで括るのです。これでガッチリホールドできます。 朽ち木に投げて刺したところ。 ナイフの重みと竹の杖が軽いので丁度良い感じです・・・が、正直、そんな使い方はしたことありません・・・ 実際に使ったのは、ナイフの波刃部分を使って高い所にあったアケビの実を切り落とした事だけ・・・ ばったりイノシシに出会ったら・・・即座にナイフを括り付けて・・・なんて無理ですが、こんな小さな事も気付いたら何かの役に立つでしょう・・・ ありとあらゆる細かな知識がいざと言う時に役に立つ事もあるのです。