サバイバル節約術


番外編 〜一眼レフによる魚眼レンズでの撮影〜


 
通常の広角レンズよりもさらに広い範囲を1枚の写真にする事ができます。
ただし、みなさんご存知!? 中心が広がって周りは圧縮されたような・・・独特な写真になるので、撮るのが難しい&インパクトのある写真が撮れる反面、飽きやすい!?
そんな事から、このレンズを買う人は、他のレンズに比べて少ない・・・アブノーマルなレンズです。

では何故買ったかと言うと・・・
唯一持っているレンズが単焦点の90mm。写真に収める事ができる範囲が狭いのです・・・もっと広い範囲を撮りたい!!
そして、広い範囲を撮るならば、広角か魚眼か・・・そんな時に参考にしたのは、やっぱり昆虫撮影家の海野さんです。
魚眼レンズは広角レンズよりもさらに広い範囲を写す事ができる&被写界深度が深いので、飛んでる虫の撮影も比較的楽だとか♪

ちなみに余談・・・魚眼独特な歪のある写真。これは後から広角レンズで撮った写真のように補正する事ができます。
有料のものもいろいろありますが、無料のものでは、“uonome(魚の目)”が良いです。




AF DX Fisheye-Nikkor ED 10.5mm f/2.8G。
魚眼でありながらズームもできるケンコー・トキナーの魚眼レンズと散々なやんだ末にこちらを選択しました。
レンズの隅の隅に写るものまで写真に詰め込む・・・普通、レンズ周辺部の画質は落ちるものなのです・・・
せっかく高いお金を出して買った魚眼が画質が悪く、使いたくなくなるようならば捨てるも同じ!!
ここはやはり純正にすべきだと思ったのです。
(ケンコー・トキナーは画質が悪いわけではありません♪)

この魚眼、ズーム出来ないので単焦点です。
画角は対角線で180°。
自分の足や指だけでなく、光の角度により自分の影も写ってしまいやすいので注意!!





例によって説明書より抜粋。
表中の撮影距離はイメージセンサーと被写体との距離(cm)です。
括弧内の数字はレンズ先端と被写体との距離(cm)です。この方が分かり易い!?
表のメインは被写界深度(ピントの合う範囲)で、それを cm で表してます。
被写体との距離が50cmでF8で撮影した時、被写界深度は106cmになるのですが、その下の数値は、何処から〜を表してます。
50cm離れてF8で撮影すると、ピントの合う範囲は、イメージセンサーから33cm離れた場所からピントが合い始めるのです。



今まで使っていたマクロレンズは被写体をアップで撮る感じ・・・
そして、この魚眼は周囲の風景も入れて撮る感じを想定・・・そのF値は!?



F2.8。
これはほんと、生まれて初めて魚眼レンズを着けて数分後に撮ったものです。
ノイバラの花に虫が居たのでパチリ♪ って!! えっ!? ちっさ!! それはさておき・・・
周囲の風景(環境)も撮りたいのにF2.8ではボケ過ぎ・・・しかもタムキューの様には美しくないボケ。




F11。
この程度が環境も写せて良い感じです。




魚眼レンズによっては、写真に写せる範囲が180度以上のものや、180度無いものもありますが、この魚眼レンズは、対角線上では180度まで写せるんです。
対角線・・・文字通り、右上と左下・・・等です。
この写真は、橋から少し離れた位置から橋を撮ってみました。
広い川ですが、橋の端から端まで!!
写真周辺であればあるほど・・・超圧縮&超縮小されているので、橋の両端よりも僅かに手前側も写ってますが、この距離が、橋と私との距離なのでしょう♪


魚眼レンズで撮ると、中央が引き延ばされた様な感じになり、周辺は逆に圧縮された様な感じになるんです・・・
言葉で説明しても・・・で、撮ってみました。



丘の上から空を見上げて♪



カメラを少し下げてみて♪



水平線をレンズの中心に♪
魚眼レンズの撮影でも、水平線を中心にもってくると違和感のない撮影ができます。



そのままカメラを下に・・・



足元。
真っ直ぐな物は魚眼レンズ独特な歪みが分かり易いです。(違和感ある・・・)
逆に、もともと真っ直ぐでないもの・・・自然のものはそれほど違和感のない写真になります。
この違和感を、無くす様に撮影するか、逆に面白いと感じて撮影するか・・・その人や状況次第♪
今回の例のように、撮り方によって写真のイメージはガラッと変わります♪



マクロレンズのタムキューはボケが特徴なので、そもそも絞る事が少ない・・・
この魚眼もF11程度の絞りが良さげ・・・それ以上は・・・
何故、こんな事を書くかと言うと・・・F値を上げる(絞る)ほどピントの合う範囲が広がるのですが、これにより、カメラ本体内にあるイメージセンサーに着いてしまったゴミまでも写真に写るようになってしまうのです・・・

※もちろん、掃除すれば良いのですが、素人ではリスクがあります・・・いつか挑戦するかも!?
 メーカーに送って掃除してもらう方法もありますが、当然!! それなりに高い金額になるのです・・・



F8。 ゴミなどなく、綺麗な空だ♪ 実際には小さなゴミはボケにボケて薄くなって見えないだけです。



F11。 左上あたりにボンヤリと黒い●が見えるのが分るでしょうか・・・
本体の機能にイメージセンサークリーニングがありますが、このゴミだけは落ちない!



F14。 分かり難いかな!? さらにクッキリとゴミが!!背景を選ばないとこれは残念な感じに・・・
ちなみに、画像編集(現像)ソフトの機能を使えば綺麗に消す事ができるものもあります。



F22。魚眼レンズの最大絞りです。さらに小さなゴミがそばかすのように・・・




一番目立つ左上のゴミをアップでトリミングし、F8〜F22まで順に切り替えてます。
黒いゴミが一番濃くて小さいのが最後のF22です。
この次の画像F8を見ると、薄くボンヤリと広がっているのがわかるでしょうか・・・



魚眼レンズは、広角レンズよりもさらに広い範囲を一枚の写真に収める事ができる・・・
よく考えたら分かる事・・・全てのものが圧縮されて小さく写るんです・・・あまりの小ささに衝撃!!
何度撮ってもビックリするほど小さい・・・で、ここに記録に残します・・・

被写体はハルシャギクの花。直径3cmよりも少し小さい程度・・・このサイズは、いろいろな昆虫でも良くあるサイズだと思います。
さてさて・・・



レンズの先端からハルシャギクの花までの距離は、5cm!!
普通の他のレンズならば、画面いっぱいに写ってもおかしくない・・・そんな距離で撮ってこのサイズ!!
そして、この5cmと言う距離!! 昆虫などの生き物の場合、逃げられずにここまで近づくのはそこそこ難しい距離だと思います・・・それでこのサイズ!!



こちらは、このレンズの最短撮影距離に近い・・・レンズ先端からの距離は3cm!!
被写界深度が深いので、その点は撮影が楽なのですが、大きく写すために近づくのが大変だったのでした♪



レンズは焦点距離が短いほど、広角(広い範囲を写せる)になるのですが、普通に広角レンズと魚眼レンズで比較すると、同じ焦点距離でも魚眼レンズの方がずっと広角になるんです♪
魚眼レンズを選ぶ際、ほんと悩みました・・・超広角レンズにするか魚眼レンズにするか・・・そんな時に見つけたんです。
魚眼レンズで撮影した写真を広角レンズで撮った写真の様に補正する事ができるソフトがあることを♪

ちなみに余談・・・広角レンズは周辺部の歪みをいくつものレンズで補正しているんです・・・逆に魚眼レンズは歪みを補正しないでそのまま・・・なので内部のレンズも少ないのです・・・



魚眼レンズで撮ったアメンボ。 魚眼レンズの歪みが雰囲気を出してます♪
(この下の記事でも似た写真を紹介してますが、これは別の写真です・・・特に意味は無いです・・・)

今回は、この写真をソフトで補正してみます。



補正後。
補正するソフトは色々あり、有料で有名なライトルームなどだけでなく、無料のものでは、“UONOME”(魚の目)が有名でしょう♪
今回は、これを使って見ました♪
補正によって画角は少し狭くなりますが、元々超広角の魚眼・・・まだまだ余裕で広角♪
それはさておき・・・
意外にも広角に補正してもイメージは全然悪くない♪
そしてふと・・・人工物・・・建物や道路と車などは、直線がビシッと決まって雰囲気良くなる気がしました♪






この魚眼レンズをよく見ると、中に虹色のビー玉の様な丸いものが♪ 綺麗♪




下手な記事ばかりではつまらないので、綺麗に撮れた写真も少し♪



チョウトンボ。
F8、SS1/250、ISO200。内臓ストロボ&ケンコー“影取り”使用。
チガヤの葉裏に逆さに留まっていたチョウトンボを地面に仰向けに寝転んでチョウトンボの真下までズリズリと移動・・・撮影した所、完全に逆光で真っ黒になってしまったので、デフューザーを着けてストロボを焚きました。




ツマグロヒョウモン。真下から見上げて♪
F8、SS1/8,000、ISO1,000。
周囲を縄張りとして、他の蝶やハチなどが近づくと追いかけて行き、しばらくすると戻って来る・・・を何度も繰り返していたので、戻って来る所を大量に撮影して撮れた1枚。
カメラを空に向けて真下から見上げる様にして高速連続撮影モードで撮りました。
レンズの対角線上は、ほぼ真横まで写ってしまうので、カメラの上側に自分が居る位置にすると良いです。
ちなみに、シャッタースピードが早い場合、内臓フラッシュではそのスピードに追いつけないので、焚いても意味がないのです・・・




アメンボ。
F11、SS1/1,600、ISO1,600。
動き続けて止まらない&ピンボケを避けるためのF値とSSです。
このダイナミック感は魚眼レンズならでは♪




樹液に集まるカブトムシ。
F11、SS1/50、ISO2,000。
昆虫の中でも大きなカブトムシをピンボケしないように撮るため、F値は私の中でのMAX11に設定。
SS1/50では手振れ&被写体ブレ率が高くなるのですが、ISO2,000以上にはしたくないので、沢山撮った中でブレてないものを選びました。




これは余談・・・
虫の目レンズとか魚露目レンズなどと呼ばれる、小さな魚眼レンズの様なものがあるのですが、これは普通の魚眼よりもさらに虫に近づいて、まさに虫の目線なった気になれる写真が撮れるんです。
そしてふと・・・魚眼で撮影した写真を画像編集ソフトでさらに魚眼効果を付けると、イメージが虫の目レンズに近づくのでは!?との発想でやってみたものです。
どうでしょうか♪
ひとつ上の写真も迫力でたと思っているのですが、こちらはさらに、自分も樹液を吸いに来たカブトムシな気分では!?




カナブン。
F8、SS1/50、ISO2,500。
多くのカナブンを一緒に撮りたかったので、F値は高めの8。
周辺は日が差していたのですが、この場所だけ陰になっていたので、ISOは已む無く2,000超えになってしまいました。
ここまでISOを上げて、やっとSSは1/50。ちなみに、カナブンなど光沢のある虫の撮影では、フラッシュを使うと色合いが変わってしまう(変になる)ので、太陽光で撮影するようにしています。




アブラゼミ。
F8、SS1/200、ISO100。
現場ではフラッシュを焚いたバージョンも撮ったのですが、これはフラッシュなしバージョンです。
レタッチで明るめに調整しなおしましたが、それにしても逆光なのに良く撮れてます・・・これは、そもそも木洩れ日で太陽の光が弱めだった・・・と言うのと、この場所は大きな石が一面にゴロゴロと転がっている石河原で反射光(環境光)が強かったためでしょう。
だいぶ引いて撮ったものを、大胆にトリミングしたものです。中心部分だけにすると、魚眼独特な歪みも目立たなくなります。






 

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