古くから世界各地で色々なロウソクが作られました。 ・蜜蜂の巣から蜜ろう ・獣から獣脂ろう ・鯨から鯨脂ろう ・松ヤニから松脂ろう ・米糠から糠ろう など。 獣脂ろう: 今回は、鳥皮を買ってきてフライパンで焼いて食べた所、脂がフライパンの中に沢山残りました・・・これでロウソクは出来ないか・・・と思い立ち・・・ またまた、急遽始まったのですが、ロウソク作りに挑戦! 獣脂・・・アイヌの方達は、調味料として大切に保存していろいろな料理に利用します。世界各地で、ロウソクとしても利用されていました。獣脂ろうそく。 獣脂は、柔らかく、低温でも溶けてしまうので受け皿に流し込んで作りました。 今回の受け皿は、ドブ貝です。幅22cm。 芯は、簡単にタコ糸でも良かったのですが、“ひも作り”で作ったヤブマオのひもがあったのでこれを使いました。 炎は1cm程度のやや小さなものでしたが、十分にロウソクとして使えました。 翌年。 寒くなってくると何故か脂の多い肉を食べたくなる・・・ またまた鳥皮で脂が沢山出たのでロウソクに・・・今回は、ビンのフタを容器にタコ糸を芯にしました。 木ろう: 通常はハゼの木の実を使うのですが一房しか採れず断念・・・翌年以降に挑戦します・・・ 今回はヌルデの実(同じウルシ科の仲間です)でもロウ採りに使える事を知ったので挑戦してみました。 ヌルデの実。 まずは枝を取り除いて実だけにします。 手で直接さわるとベトベトになり大変なので、米袋に入れて外から袋ごと揉みました。 ロウを抽出しやすい様に実を砕きます。 今回は竹を切り出して突き砕きました。左側は砕いた実。 ここからはいろいろな方法がありますが、 古くから行われている方法は、実を蒸してから圧搾します。 最近では薬品を使って抽出する様です。 今回はベンジンを使ってみました・・・煮込んでベンジンを注ぎ・・・!!! ベンジンはとても発火しやすいので注意して下さい・・・ 高温になったためか突然、ボゥッと発火!! しかも消えない・・・ 室内で行っていたら大惨事になる所でした・・・驚いた・・・ 燃えてしまったためでしょう・・・冷ましても脂はまったくありませんでした・・・ 残念・・・失敗・・・と言うより無事に済んだ安心感の方が強いです・・・ ヌルデの砕いた実がまだ半分残っているので、今度は重曹を使ってみます。 重曹でアルカリ性が強くなるとロウ成分が固まらないので、煮込んだら酢を投入します。 煮込んだ直後。 時間と共に薄っすらと白いロウの膜ができました。 ただ・・・とても薄く・・・フィルムのようです・・・少ない・・・ 表面に出来た極僅かなロウ成分と思われるものを掻き集め・・・ 乾燥させて残ったものをまた掻き集め・・・ロウソクの芯を入れました。 テカリがあり柔らかくタールのよう・・・ 電気を消して、火を・・・ 結果、点きませんでした・・・失敗。 幾つかのロウ抽出情報を見て、方法としては間違っていないと思うのですが、結果は失敗です。 また機会があれば挑戦してみます。 今度はハゼの実を使ったロウ採りに挑戦。 12月。こんな感じであちこちに・・・ 採って採って・・・採りすぎか・・・ 地道に茎から実だけを取ります。大量〜。 砕くのに良い道具がないので、またまた竹を切り出しました。 突き砕いてこんな感じに。 鍋で30分蒸します。 100均で買って使わなくなった鍋の底に穴を開け・・・ 上から圧力を掛け・・・写真右下のアルミホイルで作ったトレーに流し入れる算段。 結果。 1滴たりとも採れず・・・どれほど膨大な時間を費やした事か・・・ カリカリに乾燥していたものからロウが採れるのか・・・不安になります・・・ まだまだ大量に実が残っているのでまた挑戦してみます。 また、ふと疑問も湧いてきています。 カリカリに乾燥している実を採取したのですが、この状態では既にロウ成分は晴れと雨の繰り返しにより、既に流れ出てしまっているのでは? もう少し早い時期、実が熟した頃に採取する必要があったのでは・・・と。 挑戦は果てしなく続く・・・ まだまだ大量に残っているので、今度は鍋に投入してグツグツ煮込んでみます。 写真の様に、ハゼの実はひたひたで鍋一杯あります。 表面に浮いてきたものがありますが、少し避けて見たら厚みは殆ど無い・・・ 良く煮て種などは取り除き、冷ましてみます。 結果・・・ とても薄い膜状のものがあるだけ・・・やはり脂肪分は残っていないのか・・・ またまた失敗です。 ネットで検索すると、成功例しか書いてない・・・当然か・・・ 成功の方法を知ることも重要ですが、どうして失敗したかを知るのもとても重要です。 成功しても失敗しても全て載せて行きます。 まだまだ挑戦は続けます。 大量に採り過ぎて・・・僅かでも希望があれば挑戦していきます。 脂肪分を含まない種は取り分けた方が良さそうと思い・・・ただ、“ふるい”など無いので、魚捕りの網で目の粗いものを使って種を分けてみました。 取り分けて残った種。 まだまだ僅かに繊維の残っているものもありますが、ほぼ取り分けたので良しとしました。もったいないですが、これは捨てるしか利用方法はないのだろうか・・・ 取り分けた実の皮部分。 白っぽいツブが僅かに見えたりもしますが、ここから上手に脂肪分だけを取り出せるのか!? 穴を開けた竹 蒸して穴を開けた竹に詰めて圧を掛けて見ましたが全く出ず・・・ 今度は重曹を投入してグツグツ・・・急に膨らんで少し吹き零れました・・・ この白いのは重曹かロウか・・・ グツグツ煮込みながら良く掻き混ぜて冷まして見ました・・・ が、表面には極薄い白い膜が出来ただけ・・・とても集めれる程はありませんでした。 今回はハゼの実を大量に採取したのですが、またまた失敗に終わってしまいました。 ハゼでかぶれる体質になってしまい・・・これはダメだ!! ずっと敬遠してました・・・そんな中、ナンキンハゼの実からもロウが取れるとか♪ しかもかぶれない♪ ただ・・・公園などで落ちている白い実を見つける度に、少しずつ集めていたのですが、拾えても僅か数個・・・数年掛かりでもラチがあかない・・・そんな中・・・ 開けた河原に丁度良く背の低いナンキンハゼが大量に白い実を付けてる!! これは!! 11月1日。今回採取したもの。 あまり風雨にさらされ続けると・・・白いロウ成分が大分落ちて薄くなり・・・中の黒い種が見えて来てしまいます・・・ 今回は、最高の状態でしょう♪ 鍋に入れてコトコトと・・・ ネットを検索すると、鍋で数時間掛けて茹で続けても、ロウ成分は溶け出さないようで・・・こそぎ落とすのに苦労したとの情報ばかり・・・ ならば、火力MAXで茹でれば溶けるだろうと・・・結果、無理!! 良く調べたら、お湯はいくら強火に掛けても100℃以上にはならないとか・・・初めて知った!! ただ、このロウ成分、茹でるとやや半透明になって、乾燥していた時よりも明らかに柔らかいのです♪ これは!! ザルに入れて木べらでこすってそぎ落とす作戦に!! 何度もザルでそぎ落としたら鍋に戻しを繰り返し・・・出来たもの・・・ この浮いているのは、間違いなくロウだ!! まずはこの表面のロウをGet!!! 茶色い水を捨てたら、底にロウ成分のありそうなものが溜まってました。 これも一応、Get!! これは乾燥させてみます。 それから・・・ 実にもまだまだロウが付いてる・・・これはニンニクが入っていた目の細かいネット(写真上)に実を入れたら、両手で絞ってロウを取る方法にしてみました。 想像以上に沢山取れた♪ 写真右下。 左上は、残った種です。 ここでちょっと実験♪ まだ僅かに種にロウが付いてる・・・ 茹でててもロウが溶けないならば、もっと高温にすれば良い・・・フライパンで炒めたら!? 結果、写真のように・・・それでもほとんど溶けず・・・僅かにフライパンに油が付き、種はこんがりと♪ ここで実は・・・この実験を始める前に大きな疑問があったのです。 ナンキンハゼからロウソクを作る・・・その作り方は! 1、白い実を丸ごと茹でる。そして、もう一つの方法は・・・ 2、実を砕いてから茹でる・・・その違いは!? 実のひとつをよく見てみると・・・表面の白いロウは、完全に固形化して固まってる・・・そして、種の中は・・・なんとなくシットリしてるのです。ロウと言うか油っぽい。 これは、中身だけを火に掛けてロウを取り出してみたい♪ さてさて・・・ これだけの種の中身だけを使って実験してみたい♪ ペンチを使うと完全に潰れてしまう・・・ ここでMY石器を使ったら・・・5〜6個を窪みに放り込んだら、軽〜くコツコツってやると、見事! 綺麗に割れる♪ 僅か30分程度で全ての殻を割る事ができました♪ 最高!MY石器♪ 殻を取り除いたらこんな感じ。 ここまでで Get!! したもの全て乾燥させました。 写真右から、鍋の中で浮いていたロウ成分。 鍋の底に溜まっていたロウ!? ネットを使って手で絞り出したロウ!? 種の中から取り出したロウを含んだもの!? 拡大してみると・・・ 鍋の中で浮いていたもの。少ないですが、これは間違いなくロウです♪ 鍋の底にあったもの。いつまでもシットリしていて乾燥に時間が掛かりました・・・ これは燃えそうな気がプンプン♪ 手で搾り取ったロウ!? これも手がヌルヌルになるほどのロウ成分を感じたので、これも燃えるだろう♪ そして、種の中身を取り出して乾燥させたもの。 写真で分かるかな!? ツヤツヤ、ベトベト感があり、これはまるで天かす状態です。 ここでロウソク作り♪ 空き缶に粉を入れたら火に掛けて・・・アルミホイルで作った型に流し込んで冷ませば完成♪ 次々にやっていったら・・・ 鍋の中で浮いていたロウ以外はまったく溶けない! 焦げただけ!! え〜!! ここで・・・種の中から取り出した身だけは、粒が大きくてシットリしていたのです。 試しに火で炙ってみたら・・・ ぼゎ〜っと燃えるかと思いきや・・・なんとか焦げただけ!! え〜!! 粒が大きいので、数日掛けて僅かに乾燥させたら・・・ 擂粉木で、粉にしました。これでもシットリ♪ 粉が火に掛けても溶けないならば・・・ お湯で捏ねるだけ♪ お香作りの経験が役に立った♪ これは手で絞って取り出したロウ!?から作ったもの。 手がベトベトになったので、燃える気配十分♪ 写真左は、鍋の底に溜まっていたもの。これも手がベトベトに♪ 写真右は、種の中から取り出したもの。これは超シットリ♪ なんとなくアンコみたい♪ 作ったロウソクを乾燥させていたら・・・ 種の中から取り出した身で作ったロウソクは・・・台にしたダンボールに油分が染み出るほど・・・これは超燃えやすそう♪ それでは!! いよいよ点火!! 炎がだんだん降りて行ったら・・・ロウソク本体にまで到達したら鎮火!! お香の要領で直接炙ったら・・・1分程度は燃えましたが、鎮火!! 鍋の底に溜まっていたもので作ったロウソクも全く同じでした。 そして、一番期待していた種の中身で作ったロウソクを点火!! 炎がロウソクに到達したら・・・鎮火・・・ 直接炙っても燃えない!! なんで〜!! 最後になりましたが・・・ 鍋の中に浮いていた、まさにロウそのもの・・・これで作ったロウソク・・・量が少なく、こんだけですが・・・ 点いた!!! いろいろやって、出来たのは、たったこれだけ!! に、なりましたが、いろいろな事が分かったので、次に繋げる事も出来るでしょう♪ 今回の実験で分かった事のひとつ・・・超強火でグラグラ煮ても100℃を超えない!! もっと高温ならば溶けるでしょう♪ 蝋だから!!! で!!! 普通の食用油で素揚げ状態にしてみました。 冷めた後、食用油は液体のままですが、ナンキンハゼの蝋は固まるはず・・・いざ!!!! 高温でグラグラ〜時々、パチン!! って実が爆ぜて割れました。 しばらくグラグラ〜溶けるかな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 溶けてれば、実はだんだん蝋が取れて、中身の黒い色が出てくるはず・・・・ さてさてさてさて♪ ・・・って!!! なんでやねん!!! 溶けてるように見えん!!! 食用油を火に掛けると、200℃ほどにまでなるようですが、それでもあかんのか!!!! グラグラしっかり揚げた後・・・冷まして翌日・・・ 表面に蝋は・・・ただの一粒すらない!! 正気か!? ナンキンハゼの蝋成分、何度になったら溶けるのでしょうか・・・ 蜜ろう: 11月中旬。何かに掴まらないと歩けない程の山の中の急斜面で、蜂の巣が落ちているのを見つけました。 良く見たら板状の巣の表も裏も巣穴がある・・・これはミツバチの巣!? 初めて見た! 辺りを見回したら彼方此方に落ちていたのですが、さて・・・どこから落ちたのか・・・ 10月1日に超強力な台風が上陸して、山の中や公園や街路樹までもあちこちで木が倒れました・・・その時の影響か!? 倒れた木や岩陰など探し回ったのですが、巣があったと思われる場所は結局分かりませんでした。 初めてミツバチの巣を見つけた後・・・偶然、ミツバチの巣から蜜蝋が採れると知った!! 既にひと月を経過してましたが急斜面を這いずり回って、やっと掻き集めたのがこれだけ!! 落ちて日が経っているので、黄色や白っぽくなってたり、逆に黒くなっていたりしてます。 この量でどれだけ採れるのか・・・さてさて・・・ 蜂の巣から蝋を取り出すには熱を加えます。 鍋に水を入れて沸かしたら、巣を入れるだけ。 溶ける温度は65度なので沸騰させる必要はありません。 良くかき混ぜて蝋成分を出させます。 ロウソクを作るだけなら目の粗いザルで、ケーキや石鹸・ハンドクリームなどに使うならば目の細かい布などで濾します。 今回は何も考えず、ザルを枠にして手拭いで濾してみました。 蝋成分だけを取り出したもの。 結構薄い・・・でも、この量で良く採れた!? このままでは扱い難いので、再度温めて溶かしたら小さめの容器に流し込みます。 空き缶で良いのですが、今回はプラケース。 冷えると勝手に固まります。 取り出すには容器を切るか、軽く温めます。 抽出できた蜜蝋。直径8cm、厚さ8mm。 ハチだけに・・・偶然。 とても薄い巣の事を考えると結構採れたと思います。 写真左上に写っているのは残りカス。こちらも何かに使えないかな? ロウソク。 作った蜜蝋の一部を削り取ってキャップに入れて溶かし、ロウソクにしてみました。 火を点けてもススが出ないので、教会などで使われたようです。 これは良い香りの優しい炎でした。