ただの寝床・住み家です。 ただ、これがあるかないかで、体力が奪われるか、回復するか、翌日の生活に相当! 影響するものです。 もちろん、これは毎日訪れるもの!! 一時的な物から、中長期的なものまで・・・必要に応じ、それなりの体力と時間を消耗しても作るべきものです。 そんな睡眠の場所以外にも、日中の小休憩に、強風や雨を避けるため、獣や蚊などを避けるためにも役に立つのです。 ここでは、そんなシェルターの特に一時的な物を扱って見ます。 いきなりですが・・・ まずは、シェルター作りの前に場所の選定を行ないます。 これの良し悪しで、シェルター作りが成功だったかどうかも決まったようなもの・・・ここが一番重要です。 まず、絶対に避けた方が良い場所は・・・もちろん、命の危険がある場所です!! 落石の危険がある崖下、増水して水没する危険がある川岸は絶対に避けて・・・ 次に、周りに何もない風当りの強い場所、ジメジメして体温の奪われる場所も避けます。 逆に、近くに水場がある、食料の調達に都合が良い場所ならば、特に良いです。 蜆塚遺跡の復元住居。 ここは佐鳴湖の東岸にある丘の上。当時の水位は分かりませんが・・・ 水の湿気、蚊などを避けた、日当たりの良い丘の上♪ 風は木々で防いだのかな!? そう言えば、命がけで行って来た長野県の茅野市尖石縄文考古館。 そこは遺跡があった場所なのですが、その場所も丘の上。日当たりが良く、あちこちでタンポポが咲いていたのを憶えてます。 岩穴。 滝沢鍾乳洞。縄文人が住んでいた洞窟。 この洞窟から、いろいろな遺物が見つかってます。 こんな場所を見つける事ができれば、雨、風をしのげるだけでなく、シェルター作りで奪われる体力と時間を温存する事ができます。 内部は相当広い(深い)のですが、そこまでなくても・・・ちょっとした岩の窪みなど、崩れてくる心配が無ければ利用するのも手でしょう。 こちらは、硬いチャートで出来た山にあけられた穴。 穴の大きさは少し腰をかがめないと入れない程度。 深さは50m程で、ほぼこの大きさのまま行き止まりに。 住むには狭いですが、一時的な休憩ならば十分でしょう・・・ ちなみに、鉄より硬いチャートの岩山・・・機械を使わずに掘るのは不可能でしょう・・・あるものを利用するのが最善♪ 倒木。 倒木も簡易的なシェルターになります。 大きく枝を張ったものならば、枝の中に潜り込めます。 上の写真は根元側。全く手を加えていませんが、この中に潜り込む事ができます。 差し掛け小屋。 ふと・・・河原に流木が大量に集まってる&周辺は下草も枯れて広い♪ で、挑戦してみたのです。 増水した時に流木がドバ〜っと流れて来て、あちこちの木に引っ掛かったのでしょう・・・ 場所的には、河原から一段高い場所ですが、川からの西風が強く、おすすめできる場所ではありませんが、こんな事が出来る場所は限られているので、まずは練習と言う事で♪ 写真では左から右上に向かっている、一番太くて中心となる木、今回は・・・ これも材料として見つけていたのですが、、丁度良いあんばいに太い木(生きている木)があったので、急遽、予定変更で使って見ました。 サバイバルでは、限られた体力(十分な栄養を摂るのが難しい)、限られた時間(食料調達などに時間を奪われる)の中で、効率よく作る事も重要なのです。 ※知ったかぶりですみません♪ 写真は、とにかく太い木を長さに合わせて立て掛けて行ったものです。 今回は、一切木を切る事なく、周辺に流れ着いた流木をかき集めて作りました。 ここまで、約1時間少々。周辺を何往復したことか・・・写真で数えると・・・両面で60本程使ったようです。 上の写真からさらに30分後。 細い枝、曲がった枝など・・・とにかく、あちこち、ななめにも・・・重ねて行きます。 これは、この後、隙間を埋める素材・・・葉の付いたままの枝、落葉などを上に載せていくのに必要なのです。因みに何処も縛ってません・・・必要であれば縛りましょう・・・今回は特に必要性を感じませんでした。 縛る場合、ヒモを探すor作る手間、あちこち結ぶ作業・・・これが意外と時間が掛かります。 写真では分かり難いですが、落葉が超少ない・・・これで終わりにしようかとも思ったのですが、あまりにも・・・ そこで、周辺の常緑の木・・・ドングリ系の木から葉の付いた枝先だけをいくつか集めて差し込みました。 まだまだ隙間だらけですが、とりあえず♪ 大量に枝を折るのが忍びなかっただけです♪写真は、ひとつ上の写真から、さらに1時間後です。 差し込む際のコツは、下の方からだんだんと上に向かって行く事。 これで、雨が中に入ってくるのを防ぐ事ができます。 入口はこんな感じ。 入口底辺は幅2m程あります。中で生活するには狭いですが、小休憩&寝るだけならば十分でしょう♪ 逆に寝るだけだったら、もっともっと低くて良いです。 中から撮影。 写真の様に・・・まだまだ隙間だらけですが、今日の強風もだいぶ防いでくれました。 もっと沢山の枝を採って敷き詰めれば、雨も風も防げるでしょう♪ 小屋の奥から入口側を撮影。 小屋の中。 このままでは、夜間、地面に体温を奪われて激寒になるでしょう・・・ 下に敷くのは、枯れ葉が良いのですが、なければ生のものでも、枯れ枝、木の皮でも・・・必ず敷きましょう♪ やや離れて撮影。 横から見たら・・・ここに小屋があると知ってないと、通り過ぎてしまうほど藪に溶け込んでます。 約3時間ほど掛って作った差し掛け小屋。 流れ着いた流木を使ったので、木を切り倒さず、太くて重い木を使ったので縛る必要もなく済みました。 なので・・・ノコギリやナイフなど、道具類は一切使わずに済みました。 しばらくここに住みたい♪ ウイキャップ。 今回は、篠竹を使いました。参考にしたのは、アシで作ったウイキャップ。 まずは、支柱となる3本を切り出します。 写真は切り出した所。今回はこれを2m20cm程度の長さに切りました。 この長さは、手を真っ直ぐ上に伸ばしたよりも少し長め・・・テント型の△にすると、ちょうど手が届く長さに。 この3本の一方を束ねてテント状にするのです。縛り方は、しっかり縛れていればOK。 今回は、数年前に番外編の“ロープワーク”に載せたトライポットを作る時の縛り方に♪ 写真は、あまった残りをグルグルと・・・ちょいとごちゃごちゃしてます・・・ 縛った部分を頂点にして脚を開いた所。 地面が粘土状だったので、しっかり差し込んで固定。 全体を覆うように竹を追加していきます。この時、数えたら33本。ここまで約1時間半。 こんな風に次から次へと、竹立て掛けて・・・全体を覆うつもりでしたが! これでは気が遠くなるような数が必要だと気付き・・・これは・・・ やはり枝・葉も使って壁に!! 急遽、予定変更!! まずは最上部を塞ぎます。 先端の穂を残した竹をどんどん追加。 ここが薄いと雨が入って来ます。 参考にしたアシには枝がありませんが、この篠竹は四方に枝を張っています。 片側の枝を払った方が、しっかり固定できました。 さらにさらに、竹立て掛けて・・・作り始めて約2時間15分後です。 下はまだまだこんな感じ・・・ これでも数えたら76本ありました。 この感じ・・・もし竹の幹部分だけで作るとしたら・・・この5倍(380本)でも隙間がありそうです。 最下部は払い落した枝を地面に刺して・・・床にも葉を敷き詰めて・・・完成♪ 今回も作成に3時間掛かりました。 まだ僅かに隙間がありますが、全然良いです。 この場所、この地域特有の西風は竹やぶが防いでくれて、入口は日当たりの良い南向き♪ 中から外を撮影。 下は脚を曲げれば寝転べる程度、膝立ち状態では、肘を曲げた状態で手を横に広げられる程度、完全に真っ直ぐ立つのは、頭がちょいとキツイ感じの広さになりました。 すぐ前で焚き火をしたり、お茶を飲んだり、散策したり・・・ちょっと寝転んで仮眠も取りました♪ 寝転ぶと超気持ちいい〜♪ 遠景。 風景に溶け込んでます・・・ただ、とても密なので・・・濃い!! もちろん、濃い色の△が、今回作ったものです。 今回は、ナタ(実際にはナタ代わりのランボーナイフ)1本だけ使いました。 そしてひとつ難点・・・このウイキャップ、竹の葉を使っているので・・・乾燥してくると・・・クルックルに♪ これは一晩限り・・・翌日は枝葉で埋める必要があります・・・ ※後日・・・予想に反してほとんど葉も丸まらず、抜け落ちず・・・色は茶色になりましたが、ずっと状態が良かったです。 2022年6月。 今日は、初めての1泊のサバイバル決行!! 天気予報では、曇りだったのですが、途中で雨が降ったり止んだり・・・土砂降りになったら中止しようと思いながらシェルターの準備をしました。 地面が砂地の場所で、天気が良ければ、風通しが良くて、日陰で乾燥していて心地良い・・・もし1泊するならば、まずここ!!と決めてたのですが、周りのもの全てが濡れてる・・・ 今回は、寝床に力を入れるつもりが・・・兎にも角にも雨対策!! まず! 屋根!! ※雨さえ降らなければ屋根なんて必要ない・・・夜間は冷え込み、特に地面に体温を奪われるので、寝床をちゃんとするつもりだったのです・・・ そんな中、周りを見たら一株だけ西洋ススキ(パンパスグラス)があったので、これで雨除けを作る事にしました。 去年の残りの枯れ葉と今年生えた緑の葉があったので、用途によって使い分け。 カラカラに乾燥した葉は床に敷いて暖かいマットに、青い葉は雨除けの屋根に。 上の写真は、集めた枯れ葉。 青い葉は、どうやって雨除けに!? 細かく束にするにも、ヒモを大量に作らなければならない! 兎に角、短時間で出来るものを!! そういえば、枯れた竹が1本だけ落ちてた!! と思い出したので、これを真っ二つに割ったら、西洋ススキの葉を並べ、上に割った残りの半分の竹を載せたら・・・ツルウメモドキのツルで両端と中央を結んで留めました。 これが・・・持ってみたら結構重い!! 真っ直ぐ持ち上げたら、全部抜け落ちる!! お粗末すぎる!? さてさて・・・ どのみち・・・雨除けにするつもりだったので、斜めにせんと・・・と言う事で、上の写真では右下側、下の写真では下側の枝を一本渡して結びました。もう一本は、元々あった生きている木の枝です。 真上から撮影。手前(写真下)が雨除けの上、奥(写真上)が雨除けの下です。 簡易的と言っても、あまりにもお粗末すぎる・・・と言う分けで、近くをさらに散策して小さなヨシの芽を角度を変えて追加。 この後、もう少し追加し、さらにセイタカアワダチソウも追加しました。 床に枯れ葉を敷き詰めたら、とりあえず、完成!! 左に立て掛けてある枯れ葉は、まだこれから雨が降るかも知れなかったので、寝る直前に敷く予定でした。 が!! 不幸中の幸い・・・小雨が降ったり止んだりする中、シェルターを作りましたが、この後、翌日も雨には降られずに済んだのです。 余談・・・雨除けで作った屋根・・・当然ですが雨は風上方向から降って来ます。 この場所、写真では右側から風が吹いていたのです。 夜10時37分・・・そろそろいつも寝る時間・・・ 雨にも降られず、虫も殆ど気にならず・・・この後、無事、熟睡・・・しかけたのですが、夜中の12時30分に目が覚めてしまいました。 ちょいと寒い!! ここ最近の気温・・・日中の晴れた日は、暑くて汗ばむほど・・・そして夜間は毛布やタオルケットだけでは寒い!! しっかりと掛け布団でないと寒くて目が覚める程でした。 地面に敷いた枯れ葉のお陰で、下は意外と暖かかったのですが、上が寒い!! 枯れ葉があれば、上に掛けたでしょう・・・が、そんなものは無い!! ほんと・・・このシェルター作りも3回目ですが、実際に泊まる今回のが、一番お粗末♪ そして夜は続く・・・ どこでもすぐに寝れる性格ですが、一度目が覚めてしまうと・・・ 川の音がかなり大きい!! 崖が削られて岩が落ちるのか時々ゴボッて大きな音も。夜なのに色んな鳥が鳴いている・・・ そして・・・さらに冷え込んで行く・・・冷気のそよ風の様な感じですが、作った屋根の逆側から吹いてくる!! 完全に熟睡してないので、だんだんとお腹も空いて来て・・・寝にくくなる一方!! それでも途中、何度かウトウトしたのか・・・朝4時前になって・・・6月中旬の今の時期は、朝4時半頃には日の出になる!! と言う事で、火を起こして時間の掛る豆料理をコトコト煮込み始め・・・体を暖め、出来たら飲んでさらに体を暖めました。 ここで考察: 今回は、雨対策を最優先にしたのですが、超簡易的なものにしてしまいました。 夜間、ここまで冷え込むとは・・・ここ最近の気温に、川沿いの冷え込みも知っていたのですが、少々なめてました・・・ そして、暖かく眠るために、火を焚いた後に土を被せ、その上で寝ると暖かいとか、竈に使った暖かい石を使うとか・・・近くで焚き火をし続けるとか・・・やり方はあったのですが、そのうち眠れるだろうと・・・何もせずにいたので、結局、仮眠程度になってしまいました。 2023年2月上旬・・・何処へ行っても寒いのですが、この一帯だけ、やけにポカポカ暖かい♪ 超簡易的な休憩場所でも出来ないか!? で、急遽♪ この一帯だけ、ススキが株立ちしたまま、あちこちに・・・そして地面には枯れ落ちた葉が敷き詰められ・・・ これだけで、風がだいぶ塞がれ、地面の湿気は伝わらず、溜まった空気は太陽で暖められてました。 今回は、中央の株を使いました。 手前から中心部分までの茎を前に倒したら足で踏んでならしました。 写真は上から見たもの。 周りの茎はそのまま残して壁にします。 踏まずに刈ってしまう方法では、お尻に刺さる&踏んだ方が楽なんです♪ そしたら・・・持っているパラコードをグルッと回したら、引き寄せて縛るだけ!! 西洋ススキほど巨大であれば、ちょっとした小屋程度にまで出来そうですが、これは普通のススキ・・・ お尻から中に入ったら、足は外に出てしまいます。 ※足を何とかしたい場合は、さらに工夫して下さい。なんて♪ 中から撮影したもの。 壁。これは座った時の顔の高さです。 他の株による風除け効果もあるのですが、これだけで、ほとんど風を感じないほど♪ 下の方ほど壁は厚く、上の方ほどスカスカに・・・ 天井。見上げて撮影。 ご覧の様に・・・これでは雨対策にはなってません・・・ ただ、最近のマタギはビニールシートを持ち歩き、簡易的な差し掛け小屋(3本の木でテントの枠組みを作ったら、周辺の笹を立て掛けただけのもの)に、ビニールシートを被せるだけ!! のテントを作る方も居るようです。 今回作ったものも、後はビニールシートを被せるだけで簡易的な休憩所とするには十分でしょう♪ 兎にも角にも・・・5分も掛ったかどうか・・・そんな簡易的な物ですが。 中に入ったら・・・ポカポカ暖かく・・・心地良い・・・ふと気付いたら、“うとうと”してました♪ 写真では分かり難いですね・・・ 左の方に木の根元があり、右方向に枝が伸びてます。 この上にツル性の植物が覆いかぶさり・・・これだけでテントの骨組みが出来てます。 具合よく丸いテントの骨組み・・・中は丁度良い空間♪ もしシートを持っていたら、これに覆いかぶせるだけでテント完成!! 河原では、こんな感じの所があちこちに・・・よりどりみどりです♪