磯でよく見られる貝のひとつに、“スガイ”と呼ばれる貝がいます。 漢字で書くと“酢貝”。 なぜスガイなのかと言うと・・・ 「日本では磯で普通に見られることから、昔から磯遊びの対象として親しまれてきた。著名な例としてこの貝の蓋を半球面側を下にして酢に浸すと、酸で蓋の石 灰質が溶解する際に、二酸化炭素の気泡を出しつつ、くるくると回転することから、古くから子供の遊びとなっていたという。冒頭に述べたように「酢貝」とい う名はこの遊びに由来し、本来は蓋のみの呼称で、本体の方にはカラクモガイ(唐雲貝)の名がある。」 引用元:ウィキペディア(Wikipedia)より。 こちらがスガイさん。 こんな風に緑色のコケで覆われている事が多いのです。 ※このコケ(海藻)は、カイゴロモと言う名前で、何故か、スガイ以外の貝殻には着かないとか・・・これも不思議♪ スガイのフタはこんな感じ。 サザエに近い仲間なので、サザエ同様に石灰質の硬いフタなのです。 いつもの事で、実際にやって見て、余談として投稿するつもりでした。 スガイのフタに限らず、貝殻はカルシウム(炭酸カルシウム)で出来ているので、お酢(酢酸)に浸すと泡を出して溶けるのです。 溶けてる♪ ただ、この向きでは回らない♪ では改めて♪ 私の中では酢と言えば、ミツカン酢なのです。 ジュワ〜♪ ブクブク〜 お〜♪ 出てる出てる〜♪ 面白い♪ ・・・って、いつまで経っても、回らん!! おかしい!? 何か間違ってる!? 改めてネットを検索すると・・・何件か実際に挑戦された記事も見つけたのですが、どれも回らなかったようで・・・え!? スガイの名前の由来にもなってる話が嘘!? 間違い!? そんな事ってある!? そこで改めてネットを検索しておさらい。 「酢の中に入れると殻(カラ)がとけてくるくる回り出すので、玩具とされた。」 引用元:広辞苑無料検索 「このスガイは蓋を酢につけると溶けながら、勝手に回り始めるという特徴を持っている為、江戸時代に子供がスガイの蓋を酢に漬けてコマのように回すという 遊びを流行らせたという記録が残っている事から、スガイ(酢貝)という名前がついたと言われています。」 引用元:貝の図鑑 「この蓋の表を下にして酢に浸す、気泡を出し溶けながら回転するので、昔の子供は遊びに利用しました。」 引用元:ロマンただよう貝の博物館 「フタの丸く盛り上がった方を下にして、酢に浸すと泡を出してクルクルと回る。」 引用元:ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑 やはり間違ってない!! 間違いなく、“スガイのフタの丸いほうを下にして酢に浸ける”のです。 さらに調べていた時に、いくつか新たな情報が見つかりました。 「この蓋の球面を下にして酢の中に入れると石灰質がとけて泡を吹き出し、くるくる回るのでスガイの名前がついた。(新鮮な蓋は酢に入れてもほとんど溶けないが、古い磨耗した蓋を使うとくるくる回る。)」 引用元:いろいろな魚 「この蓋を酢に浸すと石灰質が溶けて回転し、遊戯や占いに使われたので、酢貝の名がある。 新鮮な蓋は酢に入れても殆ど溶けず、海岸に打ち上がった磨滅した蓋を使うと「酢貝遊び」ができる。」 引用元:大分県杵築市守江湾に棲む貝類 新しいフタだとダメだった!! そして・・・スガイの住む磯へ出掛け、あちこち目を皿の様にして落ちているフタを探し回ったのですが、見つからん!! こうなったら人工的にフタを劣化させるだけ!! 自然環境下では、太陽の紫外線、熱(温度差)、乾燥と湿潤、雨もあるかな!? こんなあたりで劣化するのでしょう・・・ とりあえずやるならば、直ぐに思い付いて、一番効果的な気がした“熱”で!! まずは、そのまま実験に入る前に一発ダメージを!! 写真上が、そのままの状態、右は酢に浸けたもの。左はハイターに浸けたもの。 酢に浸けたものは、表面が溶けて白っぽくなってます。 ハイターに浸けたものは、内側の茶色いフィルム状の部分が溶けました。 左からノーマル、酢、ハイターのものです。 アルミのトレーを作ってガスコンロのゴトクの周りに並べました。 ここならば、毎日毎日、コンロの熱にさらされ&冷えてを繰り返すので絶対に劣化する!! 3ヶ月後。 並びが変わってますが、左からハイター、ノーマル、酢のものです。 あまりの熱で2つ割れた。 取り出した所。 左からハイター、ノーマル、酢です。油なども着いていたので、洗剤で綺麗に洗いました。 さてさて♪ これが・・・ 何故か、何もしなかった時よりも反応が悪い・・・なんで〜〜〜!! これは憶測・・・恐らく・・・もともと炭酸カルシウムだったものに強い熱を加えたので・・・ 化学反応を起こして生石灰(酸化カルシウム)になってしまったのでしょうか・・・ 劣化させようとして、ガスコンロを使いましたが、化学反応で成分が変わってしまった♪ ちなみに、生石灰に水を加えると消石灰に。さらに二酸化炭素を加えると、もとの炭酸カルシウムに戻るとか。 3ヶ月掛けてあれこれやったのが全く無駄!! ほんと、悔し紛れに・・・何度もあれこれやってたら・・・ あれ!?!? 一瞬、気のせいか!? 今、動かなかった!? 偶然見つけ、偶然撮ってた奇跡の瞬間!! 分かり難いですが、若干、回転しながらスライドした!! 何故に!? スガイのフタ・・・よく考えたら、通常フィルムの付いている内側は、中央がやや凹んだ形なのです。 これが、たまたまハイターに浸けてフィルムが溶けたものを逆さにしていた・・・ほんと奇跡か!? フィルムがあると、酢では溶けないのですが、フィルムが無いので内側も溶けて気泡が出て・・・ フタをお皿から浮かしていたのです♪ これはまるでホバークラフト状態♪ 同様にフィルムを溶かしたふたを大量に作って酢へ!! 画像は早送りになってますが、実際には見ていて飽きない程にちょこちょこ動くので楽しめます♪ 改めてネットで検索して、良く見てみると・・・こんな情報も♪ 「ふたは石灰質で酢につけると泡を出して動きまわる。」 引用元:goo辞書 「貝の蓋をコップの酢に入れると縁側が溶けてチョコチョコと動くとのこと。」 引用元:和歌山の花と虫 ネットの情報のほとんどが、“回転する”事をメインに書いてある中で、この記事は、全くそれに触れてないのです! 今回撮れたのは、まさにこんな感じでは!? これは余談ですが、全くありえない情報・・・ 「山口県阿武郡では、失せものを探す時、また何かの犯人の行方を探す際に、酢貝を酢に浮かべて占った。酢貝は泡をだしてミズスマシのように泳ぎ回り、やが て動きをとめる。その方角に探しているものがあると言われている。江戸時代には、漁民が酢貝をオモチャとして売ったと言われている。参考>平凡社『昭和な つかし博物学』、和漢三才図会」 引用元:ネタ袋 「酢の中に入れると炭酸ガスの泡を出して浮き,水面をミズスマシのように回りながら動くのでこの名がある。」 引用元:不明。 ※すみません。引用元を調べようと後になってあれこれワードを入れてみたのですが、どうやってもヒットしませんでした。 水面をミズスマシの様にって!! カルシウムのフタは重く、どうやっても水面に浮かないのです! 今の所、これはありえない・・・ただ!! “占い”と言うワード・・・今回の予測不能なふらふらとスライドする動き・・・ほんと、占いを連想させます。 ★ここまでの結果!!★ “スガイのフィルムの剥がれた劣化したフタは、丸いほうを上にして酢に入れると、ふらふらと不思議な動きをする”!! いろいろな説が流れてますが、これが結論かとも思ってみたり・・・まだまだ続く!? いつかクルクルと回転する時が来るのでしょうか・・・乞うご期待!! なんて♪ アマオブネガイ・・・“オブネ(小舟)”の様に浮くからではありませんが、漁師の小舟に見立てて名付けられた名前・・・ 水に入れたら浮くのか!? 素朴な疑問がふと湧いて・・・出来た!! でも、ほんと、ギリッギリで浮いてます♪ 最初、水に入れたら沈み、塩水にしたら浮いた!! (実は、その後、真水でも何とか浮いたのです。) そんな話はさておいて・・・ そうだ!! スガイのフタが水に浮いてミズスマシの様に・・・って言う情報! ほんと、数個試してみて全く浮く気配がなかったので、そんなのありえん!!って思ったのですが・・・ ふと・・・なんでもかんでも兎に角やって見たら・・・と、思い直し・・・ほんと悪あがき・・・諦めが悪いとも言う♪ 兎に角、次から次へと投入し続けたら・・・浮いた!!! ほんと、10個に1個位の確率ですが、浮いたのです!!! 写真右が、見事浮いた貴重なフタ・・・ 左は沈んだものたち・・・ スガイのフタ・・・内側はフィルムがあり、平らだと思ったら・・・ 成長していく最先端・・・写真では丁度真上辺り・・・ここが内側の平面の中で一番低いのです。 極々ゆ〜っくりそ〜っと水に入れて行くと・・・この最先端から水が乗り上げるかどうかが、浮くか沈むかの瀬戸際のようでした。 見事に浮く事が出来た選ばれしものたちです。 まず、これら全てに共通するのは・・・やや小型・・・直径7mmよりも小さなものたちでした。 これに気付いてから、わざと大きなフタを次から次へと水に入れてみたのですが、全て撃沈!!しました。 さらに、小さなフタ全てが浮いたかと言うと・・・そうではない・・・ 上でも書きましたが、最先端部分の状況などにより、まったく浮かないもの、浮いたと思ってもジワリと最先端部分から水が侵入してきて数秒後には沈んでしまうものがあったのです。 沈んでいるより浮いている方が良く動くはず!! さてさてさてさて♪ いざ♪ 酢へ♪ 浮いた!! そして動いた!! ただただ・・・超超ごく僅か・・・超超スローなのです。 上の動画(画像)は、14倍速です。この1秒が、実際には14秒間なのです・・・ ※データサイズを抑えるために、フレームを省いて色数も減らしてます。 まず、間違いなく、大成功!! でしょう♪ ネットで文章に画像に動画までも検索しても、実際に出来た情報は全く見つからず♪ 自分でもこんな結果が得られるとは思ってませんでした♪ 調べている時に見つけた・・・実は、コカ・コーラも酸性度が高いとか。 情報にバラつきがありますが、 ミツカン穀物酢は、PH:2.71。 コカ・コーラは、PH:2.37。 酢よりも酸性度が高い!! しかも炭酸で泡が!! どうなる!? プツプツとあちこちで弾ける泡から水が飛んできて・・・てんやわんや状態♪ まわる所では無い感じ♪ しかも、近くで弾けた泡から水が飛んできてフタの上に・・・いくつか試しましたが、どれもそのうち沈みました・・・ もっと激しく、ミズスマシの様に動かす事は出来るのか!? 実験はまだまだ続く♪ 磯遊びして帰り際・・・あちこちの岩のすき間を覗いていたら・・・あった〜♪ ただ、劣化すると真っ先にフィルムが取れるのか!? 早速♪♪♪ さてさて〜酢へ♪ ・・・これは、まず、全く浮きませんでした・・・ あとは、フィルムを取ったフタと同じ感じに・・・あかんやん!! 酢よりも酸性度が高いコーラで実験しましたが、それよりももっと強い酸ならば!? 今回は、ダイソーで買ってきました。クエン酸。 (家にあったトイレ掃除用のものは、ゼリー状で長く留まる事でシッカリ汚れを落とすとか・・・酸度高くても、これでは回らん!!と諦めました♪) これを水に大量に投入したら、幾ら混ぜても溶け切れなくなるまで追加投入!! さてさて♪ 泡が、いつもより多く出てます♪ って!! 回ってない!! なんか・・・あたふた、あたふた・・・フタだけに・・・ 二つ入れたらくっ付いて・・・歯車か♪ そもそも・・・“酢に入れたら回る”を検証するために始めた実験・・・ 高速回転しませんでしたが、これはあくまでも余談でした・・・ ここで少し横道に・・・スガイのフタではなく、浮かべる容器について・・・ 陶器のコップ、ガラスのコップ、缶詰の缶、プラスチックのフタ、発泡スチロールのトレーなどに酢を入れて、スガイのフタを浮かべてみました。 これは、ミズスマシの様に動いた時、容器のフチに直ぐにくっ付いてしまうのでは面白くない・・・どうもくっ付いて動かなくなってしまうイメージが強かったんです。 発泡スチロールの容器に浮かべたら・・・フチに吸い寄せられて・・・ピタッ!! 今回の実験では、フチにくっ付いたのは発泡スチロールだけでした。 この違いは!? 調べたら、容器自体に撥水効果があるとくっ付いて、撥水効果の無い容器ではくっ付かないとか。 もし実験される場合は、発泡スチロール以外の容器を使いましょう♪ そして! 私はフタを水面に浮かべる時、お箸の上に載せ、そ〜と酢に入れるんです・・・容器のフチと水面に違いが大きいと難しい・・・コップを使うと酢をなみなみと注がないと行けなくなります。 使う容器は底の浅いものを使うと良いでしょう♪ 金属製のビンのフタに浮かべてみました。 息を強く吹きかけると・・・ 撥水効果の無いものからは逃げる・・・細い木の枝で鬼ごっこ的な♪ ここまでの実験で、同じスガイのフタでも大きなものは浮かない・・・ 軽くすれば間違いなく浮くはず・・・さてさて・・・ 鉄工ヤスリで、ズリズリズリズリ・・・やっとここまで!! ここまで削れば浮くはず・・・って・・・ダメでした。 恐らく、まだまだ重いのでしょう・・・ ならば♪ 数日間、酢に浸けて溶かして小さく・・・フタは酢に溶けないので、フタだけはデカイ♪ 浮いた♪ そして、溶けて出て来た泡がフタの内側に・・・このまま放置したらどうなる!? 結果・・・沢山溜まったら外へ・・・当たり前! これも当たり前ですが、泡が浮力となり、通常よりも浅く浮いてました。 その他、子供の頃、何かにロウソクのロウを塗って水に浮かべてた様な気が・・・フタにロウを塗ったら、重いフタも浮く!? 結果、これはダメでした。残念♪ もっと良く回るようにできないか? フタに溝を掘り、泡がここを通ることで、フタが回る!? 扇風機の羽の様なものを取り付け、泡が通る時に回る!? 残念ながら・・・これら実験は、全て効果ありませんでした・・・ ここまで、フタを浮かそう、回そうとばかり考えて来ました・・・ ふと・・・表面張力で浮いているのならば、洗剤を入れたら沈むのか!? 洗剤を垂らした勢いで横滑りしましたが、洗剤が溶けた頃合いに沈みました。 アメンボもこんな風に沈むそうです。 回らぬなら、回してみようスガイのフタ・・・ ここまで来たら、タダのアホですね・・・アルミホイルで帆を作ってみました。 そ〜っと浮かべたら、息を・・・ふ〜〜〜!!! 失礼しました♪