ここでは、サバイバルで使われる原始的な罠を扱います。 ※ここで作った罠は、設置・動作確認後、撤去してます。念のため♪ まずは、一番オーソドックスな、4の字型の罠です。 色々な本では何度も見ていたのですが、実際に作ろうとしたら・・・ 長さは!? 太さは!? 疑問だらけでしたが、まずはTRY♪ まずは作ってみました・・・これを作るのに頭フル回転!! ※撮影のために、地面に寝かせてあります。 縦の棒が長ければ長いほど・・・上に載せる岩はそうとうデカくないと・・・ そんなデカい岩の重さに耐えられるのか!? 不安&不安。 そして・・・そもそも・・・この形でバランスが取れるって・・・まず、そこ自体が分からん!! 取りあえず、作ってみて実際に手で動かしてみると・・・ 斜めの棒は、写真のような45度よりも横になると、左端の接点を真上に押し上げる方向へ・・・ そして、45度よりも縦の場合は、左方向へ引っ張る方向に力が加わるのです・・・ 写真上部の接点を中心に弧を描くところをイメージすると分かり易いかな? 今回作ったのは、縦の棒、斜めの棒、それぞれ直径1cm少々、横の棒は直径1cm程度と少し細めでした。 拾った枝は、日当たりの良い所に落ちていた、乾いて硬くなったものを使いました。 生木の方が加工はしやすいのですが、その分、柔らかいので状況により、少し乾燥させる必要があるかも知れません。 上部の接点。 縦の棒から飛び出している部分の長さは!? あまり長いと不安定&テコの原理で、横の棒に掛かる力が大きくなりそうです。 左の接点。 斜めの棒が、横から斜め左上に向かう方向へ力が加わる・・・ 今回、横の棒は若干反っていたので、この反りを生かし、上に反る形で作ってみました。 下の接点。 この写真のみ、縦の棒を立てて上から撮影した形です。 横の棒が左方向へ引っ張られるのを、写真の様な“とっかかり”で、ギリギリ引っ掛かっている状態です。 今回、縦の棒が太く、横の棒が細い・・・横の棒を削るだけでは、引っ掛からない・・・と、言う分けで、縦の棒に若干の角を作ってます。 バランスを保って立っている所。 この写真を撮るのも苦労しました・・・少しのグラつきで作動する!! 何とか完成♪♪♪ サバイバルのプロも、設置するのに何度も何度もバランスを崩して・・・なかなか微妙なバランスです。 今回使った石は、だいたい20Kg程でした。 エサの代わりにイタドリの葉っぱを刺してます。 そして、やっぱり・・・超ムズい・・・ 重い石を持ち上げながら、棒は3本・・・そして私の手は2本・・・ 石が真四角の安定したものならば、良いのでしょう・・・自然の石は、重心が中央ではなく・・・当然、右や左に回転するように倒れる!! そしてそして・・・木の棒は・・・当然、丸い・・・こちらも石の重みで回転して外れる!! これは、何度か接点を削って微調整しました。 写真では、縦の棒が地面に刺さっているように見えますが、何度も何度もやり直したので、地面がほぐれて、そのように見えるだけです。 これは、あくまで基本形・・・ 地面に窪みを作り、罠が作動したら、岩でフタをする形にしたり・・・ 棒と石の間に板やカゴなどを入れたり・・・ 侵入経路を狭める&逃げられにくくするために、周りに石や木の枝で囲いを作ったりしても良いです。 やはり作動する所を撮らねば! ・・・と言う分けで早速♪ (サイズを小さくするために、フレームを省いて色数も抑えてます。) 少しの力が加わっただけで、罠が作動し、大きな力が働く・・・これが重要なのです。 この後、もう一度設置して作動させたら・・・岩の重みで横の棒が“とっかかり”部分で真っ二つに!! 撮った後で良かった♪ 4の字型の罠をさらに進化させた罠です。 パイウテ式デッドフォール。 かなり“ガチ”なサバイバル本:“アウトドアサバイバル技法”に載っていた罠です。 4の字型の罠よりも繊細で僅かに触れただけで作動します。 木の枝だけで作る4の字と異なり、ヒモも必要になりますが、その手間があってもこちらの方が良い!と思えます。 ヒモ部分は、ヤブマオから繊維を取って作ったものです。 これを、いざ、作ろうと思った時・・・4の字型の罠の設置に手こずった経験から・・・ こんなん、手が4本ぐらい無いと設置できんやろ!! って思いました・・・ やってみたら・・・2本の棒、これさえしっかりと安定させる事ができれば、後は突っ張るだけ・・・案ずるより産むが易し♪ 上から撮ったもの。 右の棒が石の重みでヒモを右下に引っ張るのですが、左の細い棒がつっかえて止まっている状態です。 ※エサはありませんが、この細い棒にエサをセットしておきます。 仕掛け部分アップ。 写真下に伸びているヒモは、下方向に引っ張られています。 このヒモは、支柱となる中央の棒(4の字で言うと縦の棒)の後ろをグルッと回ってから、写真の短い横棒の仕掛けに縛ってあります。 左上の細い縦の棒が無いとどうなるか想像できますよね!? 支柱となる中央の棒を時計回りに弾けるように周って飛んで行くのです。 エサを取り付ける左上の細い棒が、この動作を止めている・・・ほんと、よく考えられた仕掛けです。 例によって、動作している動画♪ これは、ほんと、エサを付けた細い棒が僅かに動かされただけで、仕掛けの短い横棒が跳ね飛んで作動する!! 単に作って作動させただけですが、これが面白い♪ 先人の知恵に関心するばかりです・・・ くくり罠(スネアー)。 これは、生き物を“くくる”(縛る)仕掛けです。 ワイヤー、釣り糸、パラコードなど・・・“ひも”で輪を作って仕掛け、そこに獲物が体の一部を引っ掛けると、輪が締まって逃げられなくなるのです。 くくり罠は、さまざまなバリエーションがありますが、まずは・・・ 跳ね罠(スプリングポール・スネール)。 説明用に仕掛けを地面に置いてます♪ 分かり難いかな? 左の木の太いものは地面に差す杭。その右上にある細い木がフックになってます。 フックの上に伸びているヒモは木に繋げ、フックから右にヒモがあり・・・写真右に輪があります。 この輪に獣が引っ掛かると・・・輪が締まります。単にそれだけのものもありますが、今回は♪ 木の枝を思いっきり地面に引き寄せてフックに結ぶのです。 これが、どうなるかと言うと・・・ 仕掛けに獣が掛ると、その力でフックが外れ・・・しならせた木の枝が元に戻ろうと引き上げる!! ヒモの片方に小さな輪を作り、もう一方を、この輪の中に通すと、自在に大きさの変わる輪が完成します。 ここで、ひとつ余談・・・ さらにひと手間・・・上の動画のように輪を捻って2重にすると、締まった後、広がり難くなるのです。 実験で木をくくってみた所。 引っ張ると、輪の一つが小さく締まるうえに、これがつっかえて広がり難くなっているのが分かります。 余談ですが、今回使ったひもは、ヤブマオの繊維を撚って作りました。 全体像。開けた場所に作ったのですが・・・超分かり難い・・・と、言う事で、説明の絵を描いて見ました。 緑色が木の部分、黄色がひもの部分、赤が木で作った仕掛け部分です。 仕掛け部分をアップ。 実際には、獣が通って欲しい輪の部分以外は、木や石などの障害物を置いて仕掛けに誘導させると良いです。 今回は撮影のために省略。 木の枝を思いっきり引きずり下ろしたら、地面に打ち込んだクイに引っ掛けます。 ガッチリ嚙ますと、作動しにくくなるので、引っ掛かっている部分は1〜2mm程度にしました。 今日は、ほとんど風の無い日でしたが、葉が沢山付いている木だと強風で作動してしまうでしょう。 獣の通り道に輪を仕掛けます。 細い木の枝や草などで、輪が広がった形になる様に。 今回は周辺に笹が茂っていたので、これを使いました。 先が二又の長い木の枝を、奥方向へ押し込んで罠を作動させた動画です。 獣が手前から奥に向かって移動する時に罠に掛ったイメージです。右上から枝を近づけて仕掛けを作動させると・・・ 瞬間!! しなった木が元に戻る力で木の枝が持って行かれました。 “くくられた”枝は、引っ張られてぶらんぶらん♪ 今回は、小動物をイメージして仕掛けを作ってみましたが、くくり仕掛けの代わりに釣り針にエサを付けて川などに放り込んでおけば・・・自動魚釣り機(木)の完成!