サバイバルを始めて、草木を知り・・・そのいくつかは染色にも利用されると知って作った番外編の草木染め。 そしてずっと草木染めばかりをしてきたのですが、実は草木以外での染色もある事を知ってました・・・やっと♪ ここでは、草木を使った草木染め以外の染色を扱います。 まず初めに・・・ かなり前から貝のイボニシから紫色が取れると知ってました・・・ただ、相当な数のイボニシを使うと言う事で、ずっと敬遠してたのです・・・ 実は磯でイボニシを幾つか採取したのですが、今まで捕って来たイボニシよりも一回り大きい! もちろん、大喜びで採取して家に帰り・・・ふと・・・このまま食べるだけではもったいない・・・そう言えば・・・ ここで改めて染色を調べてみたら、僅かな量から文字を書く情報をネットで見つけたので、他の磯の貝を食べながらの急遽実行!! これがイボニシ。 磯でもっとも良く見掛ける貝のひとつです。 特定の貝から取れる鰓下(さいか)腺(パープル腺)から紫色が取れるので、貝紫染めと言われます。 そして、1枚の布を染めるには相当な数の貝が必要=貴重=高価! と、言う事で「帝王紫」とも呼ばれたのです。 調理しなくて良かった!! イボニシには残酷ですが、火を通してはいけません! 生きている生のままで、殻をカチ割り、写真の様な・・・いかにも暗くすると光りだしそうな・・・(そんなわけない・・・) 殻を割ると黄緑色の部分が見えるのです。 これを針やつまようじなどで、チビチビチビチビ・・・根気よく集めるのです・・・ 布を染めるには気の遠くなるような作業ですが、今回はただの実験♪ 5匹のイボニシから集めました。 ※細かな貝殻の破片があちこちにありますが、綺麗に洗い流して身は美味しく頂きましょう♪ 小皿に集めて・・・手近にあった耳かき! で、よく掻き混ぜてみました。 ドロドロと磨り潰せない物体・・・おそらく包んでいたものが混ざってます。 綺麗な字を書く場合などは、濾す作業が必要でしょう・・・今回はやはり実験なのでそのまま続行♪ なぜに緑色!? 実は、これが太陽光に晒されて酸化すると紫色!に変化するのです。不思議♪ さてさて・・・いきなり始めた染色・・・何を染めようかと探した結果・・・着古した肌着(ランニング)があったのでこれに決定! ドロドロねばねばの物体が混ざっていたので、これごと布の上に載せて引っ張り・・・模様を描きました。筆代わり♪ 描けたら太陽に当てます。その結果・・・紫♪ 一部を拡大。 ムラがありますが、今回は実験♪ その場の思い付きで、いきなり始めた実験でしたが、こんなに簡単に染める事が出来ました! 色を布に定着させるための媒染の作業も不要!で簡単! 唯一最大の欠点は・・・一枚の布を染めるには、数百〜数千匹は必要なところ! ちなみに、もっと大型のアカニシからも取る事ができ、こちらはパープル腺も大きいのでおすすめ♪ ※ここで単純計算・・・ 今回、5匹のイボニシから見た目で凡そ2cm×2cm程度の範囲を染色する事ができました。 ハンカチ1枚(30cm×30cm)では!? 縦も横も今回の15倍。15×15=225! もともと2cm×2cmが5匹分だったので・・・さらに×5! 結果、1,125匹のイボニシを叩き割って針先でパープル腺を集めないといけない!! 今回あまりに簡単だったので、数十匹で出来そうな気になってました。 水で薄〜く伸ばしたら、仕上がりも薄くなりそうですが少ない数でも出来るかも!?なんて♪ 2021年1月。 大きなアカニシを何匹か採取できたので、思わずまたまた・・・ 写真上部の黄色い部分がパープル腺です。(まだ皮膚の中に入ってます。) 余談ですが、中央付近のもっこりしている部分の中には唾液腺が入ってます。これが毒なので食べる場合は注意!! イボニシに比べてほんと楽♪ 次から次へと取ったらお皿に♪ そして染めたい布をこすり付けて終わり♪ ちょっと雑過ぎかな!?と、思いながら・・・ 黄色いのが、パープル腺にこすり付けたばかりの状態。 緑色のものが、蛍光灯の光に当たって少し変色したもの。(黄色の状態から約40分後です。) 紫色のものは、翌日1日車内に放置した後のもの。 ここで余談。 丸一日車内の日の当たる所へ放置したら、当然、紫色に染まったのですが、裏返したら、半分ほどはまだらに緑色!! そこで、裏返してまた一日放置し、全て染まった♪ 家に帰って洗ったら・・・ 実は今回(も)、採取したパープル腺は、濾すなどの処理もせずに、こすり付けただけ・・・ ドロっとしたり、ネバッたりする部分も混ざってました・・・これが洗って落ちたら・・・そこだけ緑色!! で!! またまた干してを2回も!! 繰り返してやっと♪ 5cm×10cm程度の布が染まりました。 使ったアカニシは4匹程度でした。 最初に手を抜いて雑にやったばかりに・・・後で余計に手間が掛かってしまった感じになりました。 今回も実験&お遊び♪でしたが、本番は、ムラなく染めるためにも、ちゃんと濾してから使った方が良いでしょう♪