このサバイバル節約術を始めた頃からずっとやって見たかった事!!! 弓矢を手作りして実際に射ってみたい!!! ただ、調べれば調べる程にハードルが高い!! 簡単だと思うでしょう・・・私もそう思ってました。 とても直ぐには出来ない事が分かったので、小さな事からコツコツと・・・そんな気持ちで、技術の積み重ねを始めたのです。 番外編の“ひも作り”で弦の作り方を、メインの食材採取で弓や矢の素材を実際に見分ける事が出来る事、また番外編の“接着剤”で矢じりの固定に、特別載せ てませんが瓶を使っての矢じり作り・・・これはほんとに奇跡的に手に入った鹿の角あってのもの・・・、各パーツを結ぶなどで番外編の“ロープワーク” も・・・って、これは載せてないか・・・ そんな中・・・弓への思いがつのりにつのって・・・ ヤナギの枝・・・サバイバルで釣り竿として使った物です。 弓なんて木の棒に弦を張ればどれもそれほど違うとは思えない・・・で、やって見たのです。 何もかもデタラメ・・・ヤナギが弓の素材として使えるなどとの情報は一切無し!! 本やネットで得た情報は全く無視してやってみました。 このヤナギの枝は約1年半前に採取して皮をそぎ落としただけの状態です。 両端に麻紐を結んで・・・矢は・・・火起こしに使ったウツギが目に入ったので何となく・・・ 狭い部屋の中・・・布団に向けて発射!! ベロ〜ン・・・年寄りのションベン並みの落ち方・・・ もっと強く引けば・・・ベロ〜ン・・・そのうち・・・バキッ!! 弓が割れました。 これほどとは・・・適材適所・・・縄文時代から、あらゆる物作りには、それに適した素材が必要なのでした。 今は2018年11月末。 実は、いよいよ弓矢作りの時期が近付いてきたと思い、2017年末に弓の素材として使えるマユミの木から枝を1本だけ頂き、1年間乾燥させたのです。 今の私の知る限り、弓になりそうな素材、形はこの1本だけ!! もう二度と手に入らないかも!? これが知識不足で失敗してしまうと!! って考えたくない!! 何も分からないまま、いきなりの挑戦では失敗する可能性が高い事に今更ながら 気づき・・・ ビビッて・・・ 右も左も分からない、ド素人が縄文時代の丸木弓を作るまえに・・・ まずは最も簡単な子供の遊びレベルですが、竹を使っての弓作りをやってみました。 本来であれば、素材の乾燥などに日数が必要なのですが、採って作って射るまでをその日1日だけでやって見ました。 11月末。竹やぶの中から今年生えたものではなく、年数の経っているもの&そこそこ太いものを選びました。 真竹の方が良さそうですが、今回は淡竹を使用。 選んだのは直径4cm少々のもの。写真中央少し右の白っぽい竹です。 長さは1m〜140cm程度まででしょうか。 縄文時代の丸木弓は120cm程度。 本格的なサバイバル本には伸ばした手の指先から反対側の手の肩までの長さとしています。 今回はそれよりやや長い130cm。両端に節が来るように切り出しました。 ナタを使って縦に割きます。幅は3cm程度。 ※ランボーナイフが写ってますが、これは私にとってナタ代わり・・・ 手を切らないように割いた両側を削いだら、両端に弦を掛けるための窪みを作ります。 取りあえず、弓はここまで・・・しばらく日陰で乾燥させます。 ここでお昼休憩。本当は数日乾かした方が良いです。 ここから矢作り。 本格的なサバイバル本には、アシやヤナギの名前がありました。 木を使うのは時間が掛かり過ぎる・・・少し先に笹藪があったのでそれが最善かも知れませんが、アシに近い茎のススキが目の前にあり、試しにこれを使ってみる事に。 茶色になってますが、まだまだ水分があり、少し重い・・・出来るだけ真っ直ぐな茎を選んで採りました。 思った以上に丈夫でこれは使える! 僅かに曲がっている部分は、ライターで炙って真っ直ぐに補正。真っ直ぐ飛ばすために、ここ重要!です。
矢じりは何でも良い・・・ 何なら矢じりは無くても先を尖らすだけでも良いのです。 ド素人の練習用なので雰囲気だけ・・・ そう言えば竹はナイフにもなる・・・適当過ぎますが、先を尖らせて先端へセット。 ここで疑問1つ。 竹やアシを使う場合も同じですが、矢尻(元)部分は硬い節にしたい・・・出来れば鏃をセットする先端も節にしたいのですが、自然の物・・・そう都合よくは行きません・・・ 長さにだいぶバラつきはあっても節を基準にするか、矢の長さを揃えるために節は無視するか・・・ 今回は、節を無視して先端の矢じりを付ける部分は同じ長さ(75cm)で揃えました。 矢羽。 数年間、鳥の羽を集め続けましたがとても少ない&今回は当日限りのサバイバルと言う事で、弓本体を作るために切り落とした竹の葉をセットしてみました。 矢羽に竹の葉を使うとの情報は見た事ない・・・これはその場のただの思い付きです。 本格的なサバイバル本には、無くても良いとあります。 またまた疑問。 弦をセットして矢に力の加わる部分にわざわざ節を持って来たのですが、矢羽も付けたい・・・ 矢羽をセットするために矢尻から節も割って切れ込みを作って葉をセットしました。 ヒモで縛ったら・・・割った切れ目とは90度違う・・・矢尻からみると丁度クロスする角度で弦の掛かる切れ込みを入れたのです。 鳥の羽で矢羽をセットする際は、矢を割かず、鳥の羽を割いて接着剤とヒモで固定すればこの問題は解決するでしょう。 矢を作り終えたら、いよいよ弓に弦を張ります。 なかなか沢山採取出来ないカラムシのヒモは温存・・・沢山採取できたフジの繊維は思ったほど丈夫ではない事が判明・・・で、今回は市販の麻紐を使いました。 さて、どうやって結ぶ!? やはり弦は弓の中央に来た方が・・・何となく・・・ 紐をグルッと2回、まわしたら中央で掛け、そのままふた結びの要領で締め込み締め込み・・・3〜4回編み込みました。 つい、両端とも同じ結びにしてしまいましたが、一方はチワワでも良いと思います。 完成!!!! たったこれだけで、前情報で仕入れた知識だけでは分からない疑問がいくつも出て来ました。 さてさて・・・飛ぶのか!? いきなり折れるのは勘弁!!! まずは、極僅かな力で引いて放ちました。 3〜4m程飛んだでしょうか・・・結果、3本とも鏃は外れました。 これは初めから分かってました・・・鏃の形も悪かったし、接着剤も使ってない・・・ 実験&練習なので、これ以降、矢尻無しで続行! 矢は放物線を描いて飛んでいくので、斜め上方に向けて放つと遠くまで飛びます。 10mは超えたでしょうか・・・とても硬い地面ですが、草にも助けられて刺さったまま! この後、何度も放ち続け・・・ 鏃は1発目で何処かへ行ってしまいましたが、矢尻部分は割けずに大丈夫でした。 竹の葉は乾燥してくると丸まってきます・・・ またまた疑問。 良く考えたら、弓ってこうやって射るんだろう・・・と、誰に教わったわけでもなくやってました・・・ 結果、間違っていなかったのですが、矢を固定するために弓を持つ手の親指を添えるのですが、ササクレが刺さってしまいました・・・ 写真は、その後、手を保護するためにゴム製の軍手をはめたもの。 ※2022年。 アウトドアサバイバル技法と言う本では、鏃の種類(重さ)により、矢の先端を根元側にするか、芽の方(上側)にするか決まるとありました。もちろん、矢 の先端(鏃側)の方が重くないと上手く飛ばないので、根元を矢の先端にすれば・・・ササクレが刺さる事も無かったのです・・・ またまた疑問。 矢を割って矢羽をセットした場合、矢尻の切れ込みは90度向きが変わるのですが、そうすると・・・ 矢を射る時に矢羽は弓本体に必ず当たってしまう・・・これは減速&飛距離が落ちるのでは? ・・・とも思ったのですが、どうやっても弓本体か、添えた親指か・・・何処かには必ず当たってしまうのです・・・ これで良いのか!? ※2022年。 アウトドアサバイバル技法と言う本では、羽根は矢本体を裂いたりせず、羽根を裂いて縛る&接着するとあります・・・ ここまで20回以上は射りました。 なんとなく・・・だんだん弓がヘロヘロに・・・何もしていない状態で弦が張っていないのです。 これは、超簡単竹の弓&乾燥させていないからでしょう・・・ 矢の長さは75cmなので、これ以上引くわけにもいかないのです・・・ならば・・・ あるサバイバル本には、竹での弓作りで2枚の竹を張り合わせて作ると書いてあったのを思い出したのです。 割いた竹の残っていた物を削いで板状に・・・写真上側。 添える竹は本体よりも短くする・・・ノコギリで切ってしまえば良かったのですが、ナイフ1本だけでやったので、両端は尖ってます。尖っている事に意味はありません。 2枚の竹の板を向きを変えて貼り合わせます。 接着剤が無いので、中央と両端を麻紐で結んだだけ。 超本格的な弓道で使う弓もこの様に2枚の板を貼り合わせ、しかも内部にはハゼの木などの別の素材も仕込むのです。それはさておき・・・ これで強度復活! 弓を引く時も強い力が必要になるでしょう・・・その分、矢は遠くに飛ぶのです。 飛ばした先・・・ この後、飛ばす場所は上の写真を撮った場所よりもさらに後ろに下がったのですが、写真は目で見るよりも大分引いたイメージ(遠くのイメージ)になるのです・・・なぜだろう・・・それはさておき 飛んで行った矢は奥に写っている大きな木の根元付近。イメージ的にはこんな距離感なのです。 あり得ないのですが、見た目のイメージでは、放った瞬間よりも、その後スピードを増していき・・・シュ〜ンと・・・放物線を描いて遠くへ消えて行きます・・・ カッコイイ・・・面白い・・・おっさんなのにこれではまるで子供・・・ さらに弓を強く引いて行って・・・ あまり強く引いて壊してしまう前に止めましたが、この写真の時が最高記録。 測ったら23mでした。 上でも書きましたが、弓は切り出した後、数日間乾燥させた方が強度がアップするので飛距離はもっと伸びるでしょう。 長年の弓矢への思いが少しでも体験できて面白かった!! しかも、沢山の疑問&課題を得る事が出来たので次に役立つでしょう。 2018年12月中旬。 竹以外の素材で弓の実験を行いました。 弓本体の実験のため、弦はパラコード、矢も同じ笹を使っていましたが途中で紛失し、条件が変わってしまい、結果、細かなデータは諦め、ド素人の感想となってます・・・ 長さ120cm。太さ1.4〜1.8mm。材質:杉。 山の中に落ちていた杉枝の中で手頃なサイズ&形だったものです。 若干グネグネしてましたが、まだ僅かに重い(水分がある)枝だったので採用しました。 表面の外皮をそぎ落としたら1度だけオイルをすり込み、 弭を作っただけです。 これは良くしなって反発力も良く、面白いように矢が飛びました。 矢の重さなどにもよりますが、20mは飛ぶでしょう・・・ただ、この後の弓を一通り使った後に再度使ってみた時の感想は、これは初心者向けな気がしました。弓を軽く引けすぎるのです。 材質としては良いので、もう一回り太ければ全然違うはず。 長さ117cm。太さ1.4〜1.6mm。材質:杉。 ひとつ上よりも若干太く、形もM字型でカッコ良かったので採用しました。 ただ、パッサパサに乾燥していて2mmほどの虫食いの穴が2ヵ所、その他にも小さな穴がありました。 一つ上と同様に外皮を取ってオイルを一度塗ったら 弭を作っただけです。 太い分持ちやすく硬さも心地よい・・・性能も1つ上と同じ程度か・・・ここまでは良かったのですが・・・ 突然、バキッ!! こちらの方が乾燥し、硬くて手応えがあったので力を込めたとたんにバキッと行ってしまいました。 折れたのは、上半分の中心付近。丁度、M字の頂点付近でした。 ちなみに、虫食いの穴で折れたのだろうと思ったのですが、何もない無傷の所でした。 長さ130cm。太さ 横:1.4〜1.9mm、正面:1.9〜2.7mm。材質:クサギ。 こちらは1年前に槍の素材として真っ直ぐな長い枝を探して保管していたクサギの枝です。 完全な丸木弓ではなく、サバイバルの本を参考に若干平らに削ってみました。 弓にするつもりではなかったので、上方から20cm程の所に大きな目があり、力を加えすぎると絶対にここで割れるだろうと思いました。 ちゃんとした実験にならなくて済みません・・・ 3本持って行った矢は何度も射っているうちに藪に紛れて全て見つからなくなり・・・ここでススキから矢を即席で作り直しました。(それまで使っていたのは径4mm程の笹でした。) 矢の材質・重さが全然違うものになってしまった&ただ遠くに飛ばすだけでは面白くない&矢が藪に紛れて直ぐに無くなってしまう&だんだん風が強くなってきて条件が変わって来た・・・などなどの理由で落ちていた発泡スチロールを的にして継続。 発泡スチロールは幅50cm程度で6m程の距離から射りました。 クサギの弓の感想は、カラカラに乾燥して軽く、まるでバルサの様・・・荒地に真っ先に育つ木で柔らかい・・・弓としてはダメだろうと思っていましたが、これは意外にも良かったです。 ただ、弓幹の径が太いので硬くて途中までしか弓を引く事が出来ませんでした。 これで短かったら全く飛ばせなかったかも。長さがあったので助かった気がします。 修練して強く引けるようになったら、逆に弓の方が折れてしまうかも知れません。 長さ132cm。太さ1.4〜1.7mm。材質:ヤブツバキ。 サバイバルの本にある即席の弓の作り方を参考にしました。 (採取したら1日陰干し、外皮を剥いたら2〜3日陰干しし、弓の形に削り上げ、オイルをすり込む。) クネクネと形が悪いですが、比較的長くて真っ直ぐだったので採用しました。 上記作り方をしたので、まだまだ水分を含んで重みがあります。 矢を射ろうと引いてみたら、かなり硬い。細くて長く、しかも乾燥する前なのにこの硬さ・・・ 矢は飛ばせるのですが、引きが少ししか出来ませんでした。 この後、弓の上から体重を載せて何度もたわませたら柔らかくなりましたが、威力は落ちたでしょう・・・材質として硬く、粘りもあるのですが、凄い勢いでビシッと戻ろうとする反発力(復元力)があまり無いように感じました。 長さ108cm。太さ1.2〜1.7mm。材質:ヤブツバキ。 この弓だけ作るのにかなり時間が掛かりました。と言うか掛けました。 中央から両端に向けて丁寧に削り上げ、牛脂を数回擦り込み、両端に麻紐を巻きつけました。 当然、なぜこれだけ丁寧に!?と思われるでしょう・・・実はこれを一番初めに作ったのですが、丁寧に作り過ぎ、一瞬で折れてしまうのが恐くなってその他の材質の弓なども色々揃えたのでした。 これまで、色々な個性の弓を使って来てこの弓は・・・ 硬いヤブツバキを乾燥させて作ったため、激硬い! 弭周辺は一つ上の弓よりもずっと細く長くしているのに硬すぎる!! 10cm程も引けるかどうか・・・2度、指の関節がグキッと鳴りました。これはあかん!! これは素人・初心者向けではありません・・・修練して引けるようになったらどうなるのか・・・良く飛ぶのか折れるのか・・・分からないです。 余談ですが、弓の素材として使えるマユミ(真弓)の木はとても硬い事で知られてます。もちろん、引くのにかなり力のいる強弓(ごうきゅう)ですが、硬い事は弓に適さない分けではないのです。 今日は2度目の弓の実験でした。上の写真は右下から実験した順番です。左上は矢。 前回の竹の弓や、今日の杉の弓までは、弓に矢をつがえて弦を引く時、人差し指と親指で摘んでましたが、硬い弓ではそうも行かず、人差し指と中指と親指の3本で摘む形になりました。より良い摘まみ方は? 今回は遠くへ飛ばすだけではなく、的を作って射ってみました。当たったり外れたり・・・ そのうち、映画などで見る様にカッコつけてダイナミックに射ってみたら、立て続けにヒット!! 何故!? 気分!? 目標物に対して体を正面に近い向きで手だけで射っていたのがダメだったようです。 弓を持った手は両肩の直線上にあるように・・・良く考えたらテレビで見る弓道でも体は真横を向いてる・・・弓で狩りをしている人々がそうしているか分かりませんが、恐らくその違いだろうと気付きました・・・私はド素人!なのです。 サバイバルの本には弓の作り方は載っていても射る事に関しては、どの本にも全く載っていない!! 何故!? この後、今回の実験で使いやすかった杉枝のもっと太い生のものを採取、冬になり藪の中を歩き回って見つけたイヌガヤの若木・・・これらが乾燥するまで当分 放置 中断となりました。 次の実験では、上記2種と、ずっと温存していたマユミで挑戦する予定です。 それまで沢山の矢を確保して鏃作りのレベルアップもしたい! ※いろいろ調べて分かった事の覚え書き。 弓の名称: 弓は弓幹(ゆがら)(弓の本体)と弦からなる。 弓幹に弦を掛ける部分は弭(ゆはず)と呼び、弓筈(ゆみはず)とも呼ぶ。 下の弭を本弭(本筈)(もとはず)、上の弭を末弭(末筈)(うらはず)と呼ぶ。 矢は鏃(やじり)・矢柄(やがら)・矢羽(やばね)からなる。 弓の種類: 単身弓:弓幹が単一の材料で作られたもの。 複合弓:弓幹が複数の材料で作られたもの。 丸木弓:弓幹の断面が丸いもの。 平弓:弓幹の断面が平らなもの。 巻弓:樹皮やヒモなどを巻き付けて補強・装飾したもの。 直弓:弦を張っていない弓幹はほぼ真っ直ぐのもの。 彎弓(ひきゆみ):弦を張っていない弓幹は張っている状態と反対側に反っているもの。 縄文時代〜古墳時代に作られた丸木弓のまとめ。 弓の材質:イチイ、イヌガヤ、カヤ、イヌマキ、マユミ、ケヤキ、ヤマグワ、スダジイ、ミズメ、クリ、カマツカなど。 特に縄文時代では、カヤ、イヌガヤ、カマツカ。 針葉樹も広葉樹も存在する。根元に近い方を弓の下側にして作る。 弓のサイズ:弓の径が太いほど長く、細いほど短い。 出土した弓のサイズは、 長さ140cm 太さ2〜2.5cm。 長さ100cm 太さ1.2〜1.6cm。 長さ65cm 太さ1.1〜1.5cm。 など。その他、略。 ザックリ中央値は、長さ110cm。太さ1.7〜2.2cm程度でした。 ※材質などにより最適な大きさは変わると思います。 弓幹:樹皮や糸を巻いたもの、割れを防ぐために縦溝のあるもの、漆を塗ったものがある。 弭:先細り、溝のあるもの、コブにするもの、コブに溝を刻むもの(ここまでが縄文時代の出土)、緩やかな弧を描く窪みを刻むもの、弓本体よりもずっと細い突起状のものなど。 弦輪(つるわ)を使った弓の弦の張り方は大陸から伝わった。 弦の材質:カラムシ・ツルウメモドキ。 矢の材質:ハシバミ・ハンノキ・ヤナギ・アシ・竹。 縄文時代では、ヤダケ・アズマザサ。 鏃が軽い時は重い方を先端(鏃)側に、鏃が重い時は重い方を手元(矢羽)側にして作る。 鏃の材質:黒曜石・骨・牙・貝。 鏃の固定:アスファルト・うるし。 鏃のサイズ:10〜30mm。重さ0.5〜2.0g。 射技:弓本体を左手に持ち、右手で引く。 引く右手は顔よりも前、ちょうど矢が目線と重なる位置が命中の精度は高い。 逆に引く右手が顔の横よりも後ろになると精度は落ちる。 (玉入れの時、絶対に入れようと思う時は、殆どの人が玉を持った手を顔の前に持ってくるはず。) 余談ですが、弓道では弓を持つ左手は射った瞬間に手首を外側にひねる。 2020年1月。 練習用に作った矢。 鏃は硬いヤブツバキ、軸はセイタカアワダチソウ、羽はハトを使いました。 ちなみに、接着剤も簡単な木工用ボンドで♪ 矢の軸は、外来種のセイタカアワダチソウを使って見ました。 これは、乾燥させれば硬くなる上に中心部は柔らかい=軽い! そして、大人の背丈以上にまで真っ直ぐ育つ!! 素材として良いです。 もし、縄文時代に存在していたら使ったのでは!? 写真左上から、素材と使った感想。 スギの枝:柔らかくて飛ばしやすいが初心者向け。柔らかいです。 スギの枝:かなり太かったので削りに削って・・・中心部分。 柔らかいので太めにしましたが、やはり柔らかい・・・こちらも初心者向けか。 イヌガヤ:硬いですが、長さでそれを補った感じ。 弓を引くのに力はいりますが、矢がシュッと飛んで行くのが気持ち良い♪ マユミ:中々見掛けないマユミの木。唯一採れた長い枝です。 硬い木ですが、この湾曲に助けられ、少しの力で良く飛ぶ!! 今の所、これが最高♪ ガラス瓶の底を使った矢じり作りが全然!!!! 進んでませんが、その他の素材は集まったので、次は本番のつもりでやって見たい!! です♪ イヌガヤの弓。 かなり丁寧に作った弓が!! 粘りのある木で弓の素材としても使われた事がある・・・ “弓なり”の文字通り、曲げても大丈夫と思いきや!! バキッ!! 割れたのは、木の“目”の部分。やっぱり・・・ 柔軟な木の中でも目は硬いのです・・・みなさん知ってますよね!? 木の繊維の向き・・・木目(繊維の模様)とも呼ばれるものは、植物が水分や栄養を流すための部分だったもの・・・ 枝があった部分“目”は、繊維の流れが幹の縦の流れから横に向かっているのです・・・ 喩えとして分かるかな!? 目の部分の断面は、富士山の様になっているのです。 枝があった部分は、富士山の火口。ここが弓の外側にあって、弓が反ると・・・パカッ!!と、裂けやすいのが想像できるでしょう・・・ 今回は、まさに、その通りになったのでした・・・ 弓作りでは、枝の無い部分を使いたいのですが、1.2m程の長さで、真っ直ぐで、さらに枝を張っていないもの・・・そんなのある!? 2022年2月。弓。 写真上から、マユミ、シロダモ、マキ、スギ、スギです。 マユミは、かなり最初の頃に作ったものです。力が要りますが、良く飛びます。 シロダモは、良さげな枝を採取して、直ぐに皮を剥いたからか・・・想像以上に湾曲してしまい、こんな形に・・・そして、枝の名残りの目が2ヵ所にあり、こ こで割れやすいため、麻紐を巻いて補強しました。これは、柔らかく弾力があって良く飛んで面白ろかった♪のですが、湾曲し過ぎているので、引きしろが少な く・・・お遊び用か!? ちなみに選んだ理由は、野球のバットにも使われる素材で粘りがあるのです。 ※後日・・・バットに使われる素材はアオダモでした。それでも近い種ならば、まだ良かった・・・のですが、アオダモはモクセイ科、シロダモはクスノキ科と・・・科から違う!! ほんと、私の記憶違いでした。 真ん中の細長いのはマキの枝、まだ採取して間もない・・・これから乾燥させて形を整えます。 生なので柔らかめ・・・乾燥させれば変わるでしょう・・・ その下はスギ。途中に枝の無いもの・・・が、長さの割りに太い・・・これはもっと削らないと使えない・・・にしても少々短かった。 一番下もスギ。これは河原に流れ着いた流木のひとつでした。びよんびょんと弾力が凄かったので思わず。が、太さ1cm程・・・細すぎてべろんべろん・・・ 結果、マユミ◎、シロダモ〇、マキ(判定後日)、スギ×、スギ×。 練習用の矢も、そこそこ本格的な物になってきたので、それ以外のやや残念な矢たちを使って遊びました。 写真は、採取後、湾曲してしまったシロダモの弓。 これが、気持ち良く曲がり、それなりに良く飛ぶ♪ この弓気に入った! 練習用に良いです♪ 目標に向かって大量の矢を射掛け続け・・・やはり曲がった矢は変な方向へ飛んで行きます・・・ そして、当然ですが、軽い矢の方が勢いよく、遠くへ飛んで行きました。 2022年現在、お気に入りになった、このシロダモの弓の他、これより少し本格的なマユミの弓もお気に入りです。 そして、さらに作成中の弓は、マキ製のもの太細2つと、大き目のシロダモ製のもの♪ 上から、 マユミ。ずっと使ってる弓です。 シロダモ。だいぶ大きくて目も中心だけでとても良いと思ったのですが、全然飛ばない!! シロダモ。かなり湾曲してしまったのですが、面白いように飛ぶ・・・初心者用。 マキ。太くて少し力が要りますが、良く飛びました。 マキ。こちらは細く、軽く飛びますが、初心者用か。 練習用の弓で何度も射掛け・・・楽しかった♪ ここまで、いろいろやってきましたが、やっぱり、結局!! 弓の素材として使われる、マユミやマキが一番良い♪ マユミはかなり硬く、マキはそれよりも柔らかいのですが、どちらも粘りがあり、曲げても折れず、そして一番重要な、曲げた後の復元する力。反発力があるので、矢が良く飛ぶのです。