つる細工に利用できる素材はいろいろあります。 自然の状態ではいろいろな種類のツルが絡み合っているので、目的のツルを見分けて必要な分だけ切り取ります。 そのままの状態で編み込めば自然な感じに、外皮を剥けばより洗練された感じの作品になります。 素材: アケビ蔓:枝の少ないものを使う。ミツバアケビが良い。 アケビ根蔓(ランナー):地面を這っているものを使う。太さが均一で扱いやすい。 ヤマブドウ、ノブドウ、アオツヅラフジ、テイカカズラ、ヘクソカズラ、スイカズラ、ツタ、ツルウメモドキ、クズ、ススキ、チガヤ、フジ、ヤナギ、シュロ、クルミなど。 採取時期: ほとんどの素材は秋の終わり頃〜冬に掛けて採取します。 ただしヤマブドウは初夏に採取する。 秋の終わりから冬は植物の成長が止まっているだけでなく、色々な植物の葉が枯れ落ち、ヤブの中まで見通しが良くなる。さらに、ハチやヘビなどの危険な生き物も居なくなるのです。 適した時期以外に採取したものは、作った後にボロボロと割れたりして崩れる事があります。 下拵え: 採取した蔓は1年以上乾燥させてから使うと、乾燥した時に隙間だらけにならないので良いです。 元の木が見えない程にツルだらけ・・・です。 こんな感じで、地面から上の枝に絡まっている所まではほぼ真っ直ぐなので、良質な素材になります。 アケビ。 やや白っぽく、若干光沢があります。 丈夫で柔軟性があり、つる細工の定番です。 クズ。 表面はブツブツしたものが沢山あります。 先端に近い部分には毛が沢山あり柔らかく弱いです。 アオツヅラフジ。 細かな毛におおわれて所々に黒っぽい所もあります。 とても柔軟性があり、見た目以上に丈夫です。 ヘクソカズラ。 濃い茶色で柔軟性もあります。 左下:アケビ、右上:アオツヅラフジとヘクソカズラ。 2本ずつ交差させて芯材とします。(アケビを芯材としました。) 3本ずつでも良いです。 2本ずつの状態のまま、アオツヅラフジを使って編み込み始め、途中でアケビの芯材を1本足して(写真では右上)、1本ずつ交互に編み込んで行きます。 ※芯材が奇数でないと交互に編み込めないのです。芯材を1本足すか、切り落とす方法も。 カゴにする場合は、段々と芯材を丸めてシッカリと編み込んで行き、カゴの側面を作って行きます。 飛び出ていた芯材を一つ飛ばしの横に差し込み、さらに編み込んで行きます。 上から編み込めないないので少し面倒になります・・・ ここで完成。 気が向いたら持ち手を付けたり色々手を加える事もできます。 完成形をイメージせずに、いきなり作り始めた今回の作品は処女作です。 手先が器用なのもあり、初めてでもそこそこなものが出来ました。 (そこそこな所・・・底が平らでないので座りが悪いです・・・) どんな“いびつ”でも正解は無いので作った本人が良ければそれが成功! 構えずに初めは気楽に行きましょう・・・私もそんな気持ちでチャレンジしました。 冬の初め頃に採取したアケビのツルとアオツヅラフジ・・・今は4月中旬。 ずっと乾燥させていました。 写真は台にビンを使ってます。型になるものがあるとやりやすいです。 太いアケビのツルだけでは底の細かな編み込みに不安だったので、底だけアオツヅラフジで編み込んでみました。 今回は手作りの箸やスプーンなどを入れるカゴが欲しくなって作ったのです。 吊るせるように持ち手も作りました。これは、2本のアケビが互いに絡まった自然の状態のまま利用したのでなかなか雰囲気良いです。 底。 ユッカの葉を数枚採取し、車の中に放置・・・車の中は気温が高く、湿度も低く・・・ものを乾燥させるには最適・・・ が!! このユッカの葉は、結局、何か月掛った事か・・・それはさておき・・・ 縄文ポシェットが丸いツルではなっく、平べったい素材で作られたと知り、いつか・・・と、思ってました。 今回早速♪ 前日の夜に、あれこれネットを検索して雰囲気は分かったのですが、当日は何も持たず(忘れて)・・・何となくで作ってみました。 ユッカの葉は、180度、完全に折り曲げてもバリッと割れてしまう事もなく、超柔軟♪ 縁はあれこれ考えた挙げ句・・・結局、180度折り曲げて内部に刺し込んで完成としました。 乾燥に時間は掛かりましたが、この色合い・・・素敵♪ 中にクルミでも入れようかな♪