サバイバル節約術

 

初冬の食材探し 〜川原〜


今日は12月30日。明日は子供と出かける予定なので、実質、今年最後のサバイバルです。
釣りに行ったほうが食材確保ができるのですが、川原でのんびり過ごすつもりで散策をしました。




どこもかしこも、枯れ草ばかり。
今年、何度もお世話になったツルマンネングサ。
これも黄色く枯れ始めていました。撮影のみ。




こんな時期でもまだグミが残ってました。
赤い色のものが全部グミの実です。これも撮影のみ。




とにかくあちこち散策、散策・・・今年一年で何キロ歩いたかな・・・
日当たりが良く、直ぐ脇に流れのある場所にツユクサが群生してました。
こんな時期でも柔らかく、沢山採取できました。

この辺りは、川の本流の脇にある支流となってます。
本流は砂地に石ばかりなのですが、この辺りは、土と泥があり、色々な植物が見られます。




わずかですが、セリがありました。
春先には、ここでセリやオランダガラシを採取しました。




雨が降っていないので、この支流はかなり干上がっています。
この様な僅かな水溜りが点々と残るばかりでした。
どの水溜りでも数cmの小魚が群れで泳いでました。
かなりぬかるんでいるので近づけません。




イノシシの足跡があちこちに残っていました。
8cm前後あるので、そこそこ大きなイノシシかな?
そういえば、この川原のあちこちに、“近くにイノシシのワナが仕掛けてあります。”の看板がありました。
間違って人間が掛かっていたら良い笑いものですね・・・
イヌ(野良犬か猟犬か)の足跡もあちこちにありました。




セリをのんびり摘みながら下流の方へ歩いていたら・・・
何か動いた!
大きなカメがこちら(上流方向)へ向かって歩いて来ていました。
カメか・・・食べれるけど美味しく無さそうだし・・・まさかだけどスッポンだったら・・・などと思いながら近づいてみたら・・・なんとスッポン!しかも大きい!
僅かに残った水溜りから水溜りへ移動する最中に出くわしてしまった様です。
泥の中に潜っていたら絶対に見つからなかったと思う・・・実際、ここでスッポンを見たのは初めてです。今年は最後の最後まで運が良かった。

以前少し書きましたが、2年ほど前に全然別の場所で、子供と一緒に魚捕りをしていたら500円玉より少し大きい程度の子スッポンを捕まえ、水槽で育ててます。食べるためではなく、もちろんペットとして。
現在、甲羅の大きさは手のひら程となってます。

家で飼っているかわいい子スッポンとは、想像できない程、大きく、重く、口を開けたら大きい!
しかも“シュー”って声を出して威嚇してくる・・・







目はまん丸で顔はひょうきん・・・小さければとても可愛いカメなのですが、ここまで大きいと怖い・・・
甲羅の長さ24cm、幅17cm、手足が出ている普通の状態では、全体が30cm程度。
頭の横幅は4cmを超えてます。スッポンは首がとても長く、甲羅の長さと同じ程度伸びるので、完全に首を伸ばしたら体全体で50cm近くなりそうです。




ひっくり返すと首を伸ばして起き上がります。
料理するときはこの方法で出て来た首を掴み、一気に切り落としてから料理します・・・

のんびり気分だったのですが一気に興奮してしまいました・・・
正しいスッポンの持ち方は・・・お尻のエンペラ部分を掴みます・・・知ってはいたのですが、あまりにも重くて断念・・・結局、両手でワシづかみ・・・首が出てきたら地面に下ろす覚悟で持ち、一度車まで戻りました。
入れ物が無いので、丈夫な米袋に入れて捕獲完了。

スッポンを捕まえた場所まで再び戻り、散策続行。




ここはやや大きな水溜り。



60cm程度でしょうか?
取り残された水溜りにコイがいました。背びれは水面から出ています。
周りは“ぬかるみ”なので近づけません・・・このまま雨が降らなければ干上がって、野良犬やイノシシの餌食になるでしょう・・・
正月早々にでも網をもって捕獲しに来ようかな・・・って、これでは結局餌食になる運命・・・
コイはまだ食べた事がありませんが、“鯉こく”は上手に料理すれば美味しい様です。




枯れ藪を掻き分けてやっと本流との合流地点まで到着。
本流の川ではアユが釣れます。







景色が良かったのでつい何枚も撮ってしまいました。




本流は、石、砂利、砂ばかり。
以前紹介したカワラハハコも、この様に冬になると自然の状態でドライフラワーとなります。


今日の収穫。



左上から右に、ツユクサ、ギシギシ・スイバ(2袋)。
左下から右に、ヨモギ、セリ。




こちらはスッポン君。
60cm水槽にはかわいい子スッポンがいて一緒にすると食べられてしまうかもしれないので入れられず・・・
逃げられない一番大きな入れ物・・・フタ付きの本やCDを入れるケースに入れてみました。
スッポン君大きすぎでこれでも狭い・・・ギリギリ方向転換もできるようですが窮屈そう・・・
他は、洋服をしまっている衣装ケースを使うか、子スッポン君と一時的に交代するか・・・ですが、しばらくは大量の糞が出るので水槽は避けたい・・・
どう考えても飼うには大き過ぎ。
ネットでスッポンの捌き方を見ていたらスッポン鍋、とても美味しい様です・・・

とりあえず、食べるにしても泥抜き期間(最低1週間〜1ヶ月)が必要なのでこのまま様子見に。




初日。
手前左:ツユクサ、手前右:スイバ。ともにゴマ味噌で和えました。
左上もツユクサですが、こちらは辛子醤油和えにしました。
辛子醤油は、今回は醤油の代わりにめんつゆを使い、アッサリと頂きました。




セリは味噌汁の具に。
寒い冬は特に美味しいです。


〜〜〜 年が変わって2012年 〜〜〜

1月1日元旦。
風の無い穏やかなお正月で、釣りをしながら日の出を迎えました。
海水はまだ暖かく、メジナ22匹、チンタ(クロダイの子供)3匹、メバル3匹、ベラ1匹を釣りました。小さなメジナも大量に釣ったのですが、寄ってきたネコへお年玉としてあげたり、リリースしました。
鍋や塩焼き、柵取りして炙ったりして美味しく頂きました。

1月2日。
やはり水溜りに残っていたコイが気になり、大きなクーラーボックスを持って川原へ。
(“鯉こく”は、一日綺麗な水で生かしておき、泥抜きしたほうが良いのと、死ぬと時間とともに独特な臭味が出ると知ったため、生きたまま持ち帰ろうと考えて、わざわざ大きいクーラーボックスを持って行ったのです。)
竹の棒をあちこちの泥に刺して他にもスッポンが隠れていないか探しながら目的地へ・・・結局、スッポンもコイも見つかりませんでした。
コイの居た水溜りはさらに小さくなっていて、コイは見当たらず・・・
増水も無く、人の足跡も無く、あったのはイヌの足跡ばかり・・・恐らく野良犬に持ち去られたのでしょう・・・残念。
セリを僅かばかり採取して撤退。

1月3日。
川原でギシギシとノビルを僅かばかり採取した後、別の場所へ移動し、クズの根堀りに挑戦!
土の中にはゴロゴロと石が沢山、竹の根もあちこちにあり、悪戦苦闘。
洋服は泥まみれ、手は真っ黒・・・約4時間、休み無く掘り続け、疲労困憊・・・
ヘトヘトに疲れ果てましたが、無事採取でき、良い経験にもなりました。
近いうちにこれを叩いて濾して、クズ粉を取り出してみるつもりです。




年が変わってしまいましたが、
手前が、2011年末に採取したツユクサの炒め物。
100均でベーコンを買って中華風に炒めました。
これは美味しい。今までツユクサは、和え物ばかりだったのですが、炒め物も美味しいです。
奥がセリの玉子焼き。
これもセリの風味があり美味しかった。汁の具もいいですが、沢山採れたら玉子焼きや玉子とじもいいです。




スイバ、ギシギシとベーコンの炒め物。
やや酸味がある中華風の炒め物となりました。
変わった感覚ですが美味しかったです。



スッポン君、捕獲してから1週間経ちましたが糞らしいものは一切見られず。
冬なので絶食状態だったのかな?
ここでスッポン鍋に挑戦しました。
このスッポン、天然物にもかかわらず、“でっぷり”としてとても重い。
※スッポンに限らず、淡水の生物の生食は危険です。お店で生き血や刺身を出す所もありますが、これは養殖されたものだから出きるのです。

まずは首から。
ひっくり返すと首を伸ばすので掴んで・・・物凄い力で首は甲羅の中へ・・・
自分の手首程もある太い首。こちらも全力で取り掛かります。
再度挑戦!
もう一度ひっくり返して今度は全力で首を握り締め・・・物凄く良く切れる鋼のMY包丁で・・・切れない・・・全力で首を引っ張りながら夢中でゴリゴリしていたら、自分の指まで切ってました・・・良く切れる刃物でスパッと切ると痛みを感じるまで間があります・・・スッポンから溢れ出る血と自分の指から出る血でまな板と周辺まで血みどろになりながらの解体となってしまいました。
後で分かったのですが、頚椎は径1cm程度もありました。
切れないはず・・・鉈を使えば良かった・・・
切り取った首はマムシ同様、首だけでも噛み付くので横に除けて置きます。
喉に包丁を入れて筋肉を切断しておくとアゴが動かせないのでBEST。

飲むかどうかまだ決めてませんが、とりあえず鼓動に合わせて溢れ出る血をコップへ取り出し、マムシ酒造りに使った43度の泡盛を注ぎ冷凍庫へ。
アルコールと低温で殺菌のつもり。

次は甲羅。
背中側より見たままの甲羅よりもやや内側をグルッと刃を一閃させて、パカッと甲羅を外すと内蔵が現れます。
甲羅からも良いダシが出るので捨てないように。

次は内蔵。
スッポンで食べれないのは骨と胆のう、膀胱だけです。
肝臓に隣接している濃い緑色の胆のうは直ぐに分かったのですが、膀胱が見つからない・・・意外と体の中央付近にあるようなのですが・・・暴れてる時にチビッたのかな?
丁寧に探ったのですが結局見つからず、そのままとなりました。
天然物のスッポンは肝臓が黒いと知ってましたが、やはり、肝臓が黒かったです。
また、これはオスだったので卵は無く、大きい精巣(白子)が2つありました。
お皿に内蔵を取り分けて置きます。

次は分割。
体の両側とお尻部分のエンペラ(甲羅の周辺部分)を切っておいて、腹側の甲羅に沿って切り取ります。
首の根元部分、両手、両足、しっぽに分けます。
手足の爪は根元部分から切り取っておきます。
ここまでで解体は終了。

次は皮むき。
緑色の外皮に熱湯を掛けると皮が縮み、フィルム状の薄皮が剥ける様になります。頭も甲羅も、体の外側部分の薄皮を全て剥きます。
ここまでで下拵え終了。

今回は膀胱が見つからなかったので念のために丁寧に各部分を流水で洗いました。
(解体後の状態を撮影しようとも考えたのですが止めました。
見好いものではないと言うのもありますが、生き物を捌いている時は敬虔な気持ちになるものです。はた目から見ている分には残酷な事をしているのに不思議なものです。)
とても量が多く、1回では食べきれないので、今回は、
頭、内臓、手足1つずつ、背側の甲羅、エンペラの一部、を使います。
残りの、しっぽ、手足1つずつ、腹側の甲羅、エンペラの一部は冷凍庫へ。
手一本、足一本が、ゲンコツ1つ分程もありました。

ここからは、いよいよ調理へ。
まずは、臭味を抜くために水から強火で煮ていきます。
(ここで一緒にショウガを丸ごと投入する場合もある様です。今回は省略。)
臭味を飛ばすためにフタもしないように。
出てきたアクは丁寧に取り除きます。アクの色が茶色から白になるまで取り続けます。
アク取りが終わったら中火にして、
味付け(今回は塩をメインにみりんと醤油少々。各自お好みで。)して、
その他の食材(今回は鍋用野菜詰め合わせ100円と焼き豆腐100円)を投入して、
2時間〜3時間煮込みます。
長いこと煮込むほど、ゼラチンがスープに溶け出して美味しくなります。




エンペラ部分や手足の皮周りが、プルプルのゼラチンで美味しい。
二の腕、太もも部分の筋肉が赤身で物凄い太い。
写真は鍋の極一部です。

とても美味しいのですが、獣の臭いがあります。
原因として考えられるのは・・・
・泥抜き1週間では短かったか。
・膀胱摘出失敗が原因か。
・養殖ものより天然物が、また、小型よりも大型の物の方がクセがある様なのでそのせいか。
・内蔵も一緒に煮込んだのが原因か。
・スッポン自体初めて食べたので、そもそもスッポンはこんな味なのか。
原因としては3・4番目が一番影響していそうです。
ある程度5番目もありそうですね。


一晩では食べきれず・・・
翌朝は、傷まないように火入れして、たまご掛け御飯に熱々のスープを掛けて頂きました・・・臭うけど美味しい。


翌日は休みだったので、川原へ行き、クズの根からデンプンを取り出すために悪戦苦闘・・・帰る前にセリを摘み、100均で、ショウガと水菜を購入し、ニンニク3カケも合わせて、鍋に投入。これで臭いが全然気にならなくなりました。



写真は頭と食道等。極一部です。



写真は肝臓、精巣、腎臓等。極一部。
臭いの原因は肝臓だったのかも知れません・・・モワッとしていて獣の臭いが他の部分よりも強い感じでした。
二晩かけてやっと具を全て平らげました。




鍋を食べ終わったらスッポン鍋の最後の定番。スッポン雑炊に。
御飯を入れて卵を投入・・・美味しすぎ・・・

スープが大量に残っていたので、翌朝も少し早く起きてスッポン雑炊にして頂きました。
丸二日間、4食分スッポン三昧となりました。贅沢・・・

まだ冷凍庫に半分近くのスッポンが残っているので、近々、またスッポン鍋にしたいと思います。
今度は、内蔵が無い分、臭味は少ないかな?
味噌仕立ての鍋ではもったいないかも知れないけど美味しそう・・・
手足の肉を使った唐揚げも美味しい様ですが、今の時期、やはり鍋にする予定です。


甲羅は綺麗に洗って記念に・・・



背側の甲羅を上から撮影。



背側の甲羅の内側。



スッポンの甲羅(背側)は、背骨が発達して出来たことが良く分かりました。
3枚目の写真、白いスジの中央分に細い僅かな亀裂(繋ぎ目)があるのがわかるでしょうか?この部分で切り離すと、人間と同じ様な背骨の構造になります。


最後は年を越してしまいましたが、
これにて、2011年のサバイバル節約生活は終了〜!!
お疲れ様〜 (自分自身に対して・・・)
※注意:あくまで、HPでの連載を終了するだけです・・・私のサバイバル節約生活は永遠に続く・・・ Walk On。





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