流れ着いたヤシの実。渥美半島にて。 私の住む中部地域では、外皮の残ったものよりも、ボロボロになったものが稀に見つかる程度です。 2017年。今回、外皮の残ったものを見つける事が出来たのです。(ビーチコーミング初心者ですが、人生で2度目!!) 中身が食べれる可能性が高いもの・・・外皮がボロボロでなく、シッカリしていること。 外皮が剥けて繊維が剥き出し・・・穴の中を覗いたら・・・ヤシの実の“顔”が見えて、こんにちは・・・ こんな状態の物は、雑菌が内部に侵入して腐敗してます。 余談ですが、この穴の窪みに虫のカネタタキが住んでました。 台風直後は、1日に5〜6個見つける事もあります。 2017年11月下旬。 ヤシの実を見つけて良かった・・・だけで、終わらない!! ネットを調べたら、中の水が残っているものは食べれるとか!! 早速!! 弾力があってしかも硬い外皮・・・ナタ代わりのランボー4ナイフでガツンガツン!! 跳ね返されてこれでも厳しい・・・鋸である程度切れ込みを入れたらナイフでそぎ落として行きました。 尖った方に“顔”があると思い・・・ひたすら剥いて行ったら・・・探しても“目”が無い!! 反対側の丸みを帯びた方だったのか!! 実は、過去に拾ったヤシの実たち・・・これらは外皮が剥けた状態で拾ったのですが・・・ 尖った方に顔があります。 種子の殻は一部割れてました・・・写真の様に切ったのは私です。 縄文時代に作られた土面を連想してしまいました。 余談ですが、顔の口にあたる部分から芽がでるそうです。 こちらはチューリップなどの球根の様な形状でした。 (細工用に一部切ってあります。) 尖った方に顔があるのです。 ちょっと怖い顔・・・ウツボみたい・・・ 唯一、尖った方ではなく、丸みを帯びた方に顔のあるもの・・・ (こちらも細工用に一部切ってあります。) 困り顔のパーマンではありません・・・へんな顔!! これでは、どちらに顔があるか分からないです。 今回は逆でした。 反対側だったと気付き・・・ ここからは一心不乱に全ての外皮を取り除いて行きました。 お尻部分に近いほど湿っていて白いカビの様なものが・・・不安がよぎります・・・ 完全に剥き終わったもの。 分かり難いですが、芽の出る部分は僅かに開いていて、完全に外気と通じていました・・・ 異臭は感じなかったのですが、これは無理。残念! 興味本位で内部の汁だけ集めたもの。 白っぽい液体で、所々で固まっていました。 異臭はありませんが、穴開きだったので口にしませんでした。 ※日本でも南方であるほど、中の水や種子の中にある白い身を頂く事が出来る可能性が高くなります。 次の挑戦は何年後か・・・ 2017年12月上旬。 ・・・信じられませんが、上の記事を書いてから2週間後・・・いきなり実現しました。 外皮が残った大きく重かったヤシの実。 海岸に集まっていた流木の山の上を歩いていたら足の裏に丸いものを感じ・・・掘り起こしたら出て来たのです。 靴底がすり減って危険な状態の靴ですが、こんなところで役に立つとは!! 完全に土に埋まらず、ある程度風も通り、直射日光も避けれる環境にあったのが良かったのでしょう。 湿っていたところは剥きやすかったです。 ・・・それはさておき・・・大きかったヤシの実ですが、タネの部分は今まで見て来たものの中で一番小さい!! こんだけ〜 つい、気になるその顔は・・・生まれた赤ちゃん!? それともオラウータン!? 恐い顔でなくて良かった・・・ホワッとした優しい顔・・・ 口の部分をツツイて穴を開けたら、ヤシの実を振って出て来た液体をコップに集めました。 ・・・濁ってる(これは元々か)・・・細かな白いツブや細かなゴミも・・・ちょっとこれは無理。 ヤシの実:「吐いちゃいました・・・」 そんな感じ!? ノコギリで真っ二つに切って洗ったところ。 液体のあった内部表面の辺りがややグレーっぽい以外は、とても白い! どんな感じか・・・!! とても硬い!! スプーンで掬うには全身全霊を込めないといけないほど。 ナイフで刻んで何とか全て剥がしました。 奇跡的に食べれるヤシの実を拾った時と同じ日に拾ったもの。 こちらは、外皮が向けて繊維剥き出しですが、振るとやはりチャプチャプと音がしたのです。 食べれる可能性はやや低かったので後回しにしたのですが、もしかしたらこれも食べれるかも!? 早速、またまたヤシの実との闘い開始!! 剥いてみたら・・・同じ位の大きさ&同じ形で同じ顔!! これは!! 「吐いちゃいました・・・」 パート2。 こちらは色がちょっと濃い・・・鼻を近づけたら・・・うぉっ・・・明らかに腐りかけの刺激臭・・・残念。 もう少し出会いが早ければ・・・これは身を捨てて殻だけ頂いて何か細工に使います。 2018年10月上旬。 超強力な台風が通り過ぎ、浜には5〜6個のヤシの実が打ち上がってました。 ひとつ拾い・・・次に見つけたら、手持ちの物と比較して状態の良い方を選んで一方を捨て・・・を繰り返し、最も状態の良いもの1つを持ち帰ったのです。 これは外皮もシッカリして良さげ・・・さて! ヤシの実の皮むきに便利なものを発見しました。 それは写真のようなハンマー。クギ抜きのあるタイプです。 縦に切れ目を入れたら、クギ抜き部分を引っ掛け、ヤシの実は両足で、ハンマーは両手で持ち、思いっきりひっぺ剥がす!! 今まで片手で押さえて片手で剥いたり、足を使っても不安定でやり難かったのです。 その他、外皮を切ったりややコジッたりできる刃に厚みのあるモーラナイフも良いです。 今までで一番、簡単&短時間で皮むき出来ました。 それはさておき・・・やや異臭が・・・ 繊維が水を吸ってやや腐ってる!? ちょっとヤな臭いがしました。 種の中は無事だろうか・・・ 綺麗に洗ったら、意外と綺麗。この子は口大きいな。 いざ!! パコッとフタを外したら・・・ぷぅ〜ん!! 激臭!! 残念!! 2021年4月下旬。 今の時期、汗ばむほどに暑かったり・・・肌寒かったり・・・そんな気候・・・ そんな中・・・当然!! 中身を食べるなんて全く考えていませんでした。 今回は、加工用に持ち帰るつもりで・・・腐った中身は帰る前に捨ててしまおうと・・・ 写真の様に、口の部分を開けてみたら・・・良い香りが!! これは!! 割ってみたら・・・白い身だ!! 良い香り♪ こんな時期にGet!!!! 前回、食べれる程の状態だったヤシの実のジュースは、捨ててしまったのです。 それが心残りで・・・今回はちゃんとコップに取った後、キッチンペーパーで濾過し・・・いざ♪ これが!! 口に入れてみたら・・・風味&味が醤油!! ダメだ!! 実はこの濾過の作業は時間が掛かるので、その間に、白い身全てを殻から取り外し、付いていた薄皮も丁寧に剥がし・・・ やれやれ・・・となった後に分かってしまった衝撃!! もしや!? 身を口に入れてみたら・・・ダメだ!!!!! 残念!!!! 人生2度目の食べれるヤシの実とはなりませんでした・・・ こんな時期なので当然か・・・ ダメだったのは、まず、この時期。もっと涼しい時期のものでないと、ほぼ腐ってます。 そして・・・外皮はボロボロだったのです・・・中の殻が見えている状態のものはまず無理です。 それが!! 口に入れるまで、見た目良し♪、漂う香り良し♪ だったのです。 こんな奇跡的なもの・・・もう少し早く出会ってれば、十分、食べれたでしょう・・・ この丁寧に取り出した身・・・口に入れなければ、とても良いココナッツの香りなんです・・・ これは、何かに利用できないか!? 検討中♪ ヤシの実から油が採られるとか・・・実の破片に火を点けたら・・・とても良く燃えました。 ヤシ。 ヤシの実は、ヤシ科の実の総称ですが、いわゆるヤシの実はココヤシの実・・・ココナッツの事でした。 (青いココヤシの実をヤシの実、熟したココヤシの実をココナッツを呼ぶ場合もあります。) 分からない事ばかりで調べたら・・・調べる程に色々な情報が見つかりました。 ココナッツジュースは種子を割った時に出て来る液体。若い実ほど多い。ココナッツジュースを発酵させて作ったのが、ナタ・デ・ココ。 若いココナッツの果肉(コプラ)は刺身として醤油で美味しく食べれる。 ココナッツオイルは果肉を煮て浮いてきた油分。 ココナッツミルクは果肉を削って水を加え、絞って出来たもの。煮て絞る場合もある。 ココナッツファインは果肉を乾燥させて粗削りしたもの。 ココナッツフレークはフレーク(剥片)状にしたもの。 ココナッツパウダーはさらに粉末状にしたもの。 果肉を乾燥させたものはデザートなどにも利用されます。 その他、外側の繊維はタワシやロープ、マットレスなど、硬い殻は食器などに利用されます。 縄文時代の遺跡から漆塗りのヤシの実の容器も発見されています。 細かく切ったヤシの実をコトコト火に掛けます。 出来たココナッツミルク。油がポツポツ浮いてます。 カラカラに乾燥させた実を削って出来たココナッツファイン。 ヤシの実を切った当日・・・まずは・・・ カケラを口に入れてみたら・・・全く味が無い・・・硬すぎない程の歯ごたえのある食感。 ただ問題なく食べれるだけのもの・・・ 全く初めての・・・異国の食べ物・・・ネットで調べていたら24℃以上になると溶け、それ以下では固まるとありました・・・ そこで、また一欠けら口に入れたら暫く口の中で転がしたら・・・ほんのり甘い風味! これは良い! 炒め物。 実は、取り出した白い身は温めると全て溶けて油になるだろうと思ったのです・・・ 結果、溶けなかった!! ヤシの”身”から僅かに出た油だけでは足りず、サラダ油も使って、ブタコマとニンニクの芽を炒めました。 溶けなかったヤシの身はそのまま残ったのですが、意外と歯ごたえ良く、炒め物に混ざっても全然違和感なし! しかも風味もあり、悪くないどころかこれは良い感じ。 写真中央やや左下の白っぽいのがヤシの身。他にもあります。 今回、美味しく頂けることが分かりました。 ただ、溶けないとなると・・・他にどんな料理に使えるのだろうか・・・ またまた・・・炒め物。今回はブタコマと芽キャベツ。 いつもと風味が違います。ココナッツの実もアクセントになって良いです。 ココナッツミルク in カレー。 削り取ったヤシの実と水を鍋に入れてコトコトと3時間ほど煮詰めて出来た汁。 これをカレーに混ぜて食べました。 スパイスの利いたキーマカレーに混ぜてしまったのは失敗か・・・結構な量を投入したのですが、風味は!? ただ、だいぶまろやかになりました。 もちろん美味しかったのです。 ココナッツミルクプリン。 ココナッツミルクに牛乳を少し入れ、砂糖にゼラチン。 せっかくなのでココナッツの殻を器にしてみました。 これは美味しい!! 普通にお店で売っているレベルのデザートになりました。 ココナッツミルクプリンアイス。 ヤシの殻に入りきらなかったものを冷凍庫で凍らせてみました。 ぷるぷるの中に凍ったシャーベット状のものが混ざるアイスになりました。 冬でも美味しく頂きました。夏ならばさらに。 バナナの天ぷら。 ネットで見つけたので挑戦してみました。 衣は小麦粉1:米粉1にしてみました。米粉だけで作るともっとサクサクになるでしょう。 バナナを適度に切ったら、小麦粉とココナッツファインと水で衣を作り、バナナに付けて揚げるだけ。 柔らかくなる前の買ったばかりのバナナを使いましたが、熱が通って柔らかく甘くホクホクに・・・それにサクサクのココナッツ風味の衣。美味しいです。これはおやつにおすすめ。 アイスに。 チョコレートと合いそうなイメージから、チョコレートアイス(市販品)をチョイス。 これは良い。普通に売ってるレベル・・・買ったので当然か・・・でも、+αでさらに良いです。 鳥ムネ肉のココナッツファイン焼き。 塩コショウとマヨネーズで下味を付けた鳥肉にココナッツファインをまぶして焼きました。 これは風味良く美味しいです。 ココナッツ鶏鍋。 ネットであれこれココナッツの料理を検索していたら中国でココナッツ鶏鍋という料理があるとか・・・早速! ・・・とは言っても作り方は何も分からず・・・食べる時のタレはポン酢に近いもののようなので、鍋自体はココナッツだけで作りました。 ココナッツの実を煮て取り出したココナッツミルクと煮てない実を使い、鳥ムネ、ハクサイ、シメジで作りました。 (ココナッツ鶏鍋はココナッツジュースを使うようです) ココナッツの風味にサッパリポン酢で美味しい! 本物を知らず・・・まったく似ても似つかないものかも知れませんが、美味しく頂きました。 さらに・・・ 鍋の後に炭水化物を入れるのは定番! ご飯よりも麺が合う気がしました。 また、手元にあったヤブカンゾウの根元の白く柔らかい部分や中心の極柔らかい芽だけを使ってみました。 味はココナッツだけでは恐らく足りないだろうと思い、麺に付いていた醤油風味の調味料を8割投入してみました。 結果、もちろん!? 美味しく頂けました。 この後の人生でココナッツ鶏鍋をまた頂く機会が訪れるのでしょうか・・・とても貴重な経験でした。 ココナッツファインの粒が大きく牛乳がやや多かったからか・・・ココナッツファインが表面に浮いてきてやや飲み難かった・・・ ココナッツファインを丁寧に細かく刻んで牛乳を入れ過ぎないように注意しました。 均一に混ざって、これは良いです。 ココナッツラッシー。 ココナッツファインと砂糖、ヨーグルト、牛乳をよく混ぜるだけ。 冷えている方が美味しいです。 牛乳とヨーグルトは1:1。ココナッツファインと砂糖は小さじ2〜3杯程度です。 ココナッツ酒。 ココナッツを発酵させて作るお酒はありますが、果実酒は・・・ネットで1件のみ発見! 43度のアルコールにココナッツの実を入れてみました・・・はてさてどうなるのか・・・実験開始! どれほどの期間熟成させれば良いのか全く分からない・・・とりあえず・・・1年後。 全く未知の物・・・若干、ドキドキしながら・・・ 飲んでみたら・・・甘い!! こんな水のような見た目なのにまったりと甘いヤシの実風味なのです。 これは面白い飲み物になりました。 1月中旬。実。 9月中旬。 実。右が成っている状態そのまま。左は中身です。 カナリーヤシ。ナツメヤシ属。通称:フェニックス。 実はやや細長く、種はコーヒー豆に似ています。 公園などあちこちに植えられています。 9月中旬・・・近くを歩いていたら・・・大量のコーヒー豆が散乱してる!! こんな事するのだれ!? 調べたらヌシは、このヤシの木でした・・・ 残念ながら、このヤシは食用にはされません。 8月下旬。 10月上旬。 一部は熟れて落ちて発酵臭がする中・・・上にはまだ青い実を付けた房がありました。 10月上旬。見つけた時は、既に実が落ちた後の頃でした・・・ 10月中旬。黄色い実や青い実などが混ざった状態でした。 12月中旬。花。 温かい地域のイメージから、冬に咲くなんて意外!! ヤタイヤシ属。ブラジルヤシもしくはヤタイヤシを含みます。通称:ココスヤシ。 ブラジルヤシもヤタイヤシも良く似ていて・・・その身分け方も困難・・・しかも・・・混ざった雑種が多い・・・と言う事で、ここではひとまとめに扱います。 ひとつ上のフェニックス同様に公園などに植えられる事が多いです。 葉がやや白っぽく見える、葉は強く湾曲するのが特徴です。 果実は食用になります。中の種は、良く知られたココヤシのヤシの実にそっくり♪ ですが、こちらは超小型で可愛い♪ 10月上旬・・・果肉は既に腐りかけ・・・で、種だけ。 写真では分かり難いかな・・・これは超ミニチュアのヤシの実(ココヤシ)!! 可愛い♪ 全て落ちていて、見た目全部同じに見えたのですが、中の種は大きさや膨らみがバラバラ! 小さいのに超硬い実をカチ割って出て来た中身。薄皮に包まれてます。 種の中身を割ったもの。 これが、ヤシの実と同じ♪ はずだったのですが・・・!? 実は、初めて見つけたココスヤシ。 果肉が無くなって種だけになったものが落ちていたので、試しに石でカチ割ってひと口・・・これは!!!! 以前、流れ着いたヤシの実(ココヤシ)から、食べれるものを見つけて頂いた・・・のですが、それ以前も以降も・・・ヤシの実ってどんな味か知らなかったのです・・・それが!! 口に入れた瞬間!! これは!! ココナッツ!! ほんとまんま♪ と、思ったのです。 そして・・・近くを散策したら、まだ果肉の残っているものが幹のすき間に残ってる!! いくつか持ち帰り、家に帰って果肉を取って中の種を・・・ 当然、現地で味わったので同じ味だろうと・・・が!! 何!? 無味無臭!? 数個割ってみたのですがどれも同じでした・・・不思議。何故!? 果肉を取って天日に晒せば変わるのかな!? 炒ってみるか!? 実。 10月上旬に落ちていた実です。直径2cm程度。 このまま頂いてみた感想は・・・甘味がある!! そして、やや変わった風味も・・・この風味はこの実の特徴なのか!? これは食べれない事はないです。 (落ちていた実なので、この味が本来のものなのか不明なのです・・・正解は!?) 浸けた直後。 熟れて落ちて来た実を使うので、傷んでいる部分はカットして浸けました。 こんなお酒は無いので、もちろん、オリジナル・・・さてさて、どうなることやら・・・ 3ヶ月後。 浸けてからどの位で頂けるのだろうか・・・似たような食材を探して・・・ マンゴーやアンズは1ヶ月程で頂けるとか・・・ ただ・・・全ての食材でみると、やっぱり短くても3ヶ月程度が多い・・・ と、言う事で3ヶ月後です。 さてさて・・・いざ!! これが、甘味ありの風味ありの・・・普通に美味しいリキュールになりました♪